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掌編小説

18
4000字未満の創作小説(≒ショートショート)。記事冒頭に文字数あり(一部を除く)。
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記事一覧

二十歳とパパとパパと 【ショートショート】

 黒い大理石の洗面台。ちょっと良いシャンプーの紅茶の香りが残る、びしょびしょの髪に左手の…

当方128
1か月前
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俺のベストデート発表会

芋子「『俺のベストデート発表会』!!」 部長・副部長「イエイ!(拍手)」 小野「いきなり…

当方128
3か月前
9

なんとなく、ワンピース 【ショートショート?】

 窓際のカウンター席が好きだ。斜めに差す光をガラス越しに浴び、新緑のケヤキ並木を眺めなが…

当方128
1年前
12

友人代表スピーチ 【ショートショート】

 ただいまご紹介に預かりました、新婦友人の村瀬亜沙美と申します。黒岩純平さん、真希さん、…

当方128
1年前
6

ホワイトデーお返し選手権 【ショートショート】

 2月の第二土曜日、同じ吹奏楽部の秋美先輩が手作りのチョコレートをくれた。 「地球が28…

当方128
1年前
11

紙芝居屋のおねえさん 【ショートショート】

 漫画の話で盛り上がる男子。  ヘアゴムやシュシュを交換し合う女子。  青い空と白い雲。 …

当方128
1年前
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幼馴染の瞳 【ショートショート】

 幼馴染が仲良しというのは幻想に過ぎず、現実は歳を重ねる毎に関係が薄れゆく。  高校3年の僕と君がそうであるように。 「いらっしゃいませ」  3月のある日、いつも立ち寄るコンビニのレジに今日も君は居た。 「なんだ桜井君か」 「おい、なんだとは何だ。てか3日前に送ったLINEまだスルーしているよな」 「あのね私、九州の大学に合格した」 「えっ」  青天の霹靂。君は間もなくして遠くへ行ってしまう。千円札を持つ手が急に震え出した。  *** 「おい、どうなってんだ

信頼 【ショートショート】

 僕は家庭教師として結果を出せなかった。  過去に教えた6人の生徒は全員、第一志望校を落…

当方128
1年前
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ボツ小説の続きを「AIのべりすと」に書かせてみた

 おはようございます、当方128です。  先日『#2000字のドラマ(あざとごはん)』企画でショ…

当方128
1年前
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シュシュ 【#たいらとショートショート】

「先にお飲み物お伺いしましょうか?」  背広をハンガーにかけ、ネクタイを緩め、ワイシャツ…

当方128
1年前
31

背中 【#2000字のドラマ】

 下ろし立ての水着。水圧強めだけど気持ち良いシャワー。照り付ける太陽で青く染まる水面。中…

当方128
1年前
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2時14分の屋上

 授業を無断で休んだのは初めてだった。月曜の5限はいつも屋上で本を読んでいる君に、今日だ…

当方128
2年前
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カラオケあるある

「それでは、『カラオケあるある』1個だけありますので、広瀬香美さんの『ロマンスの神様』に…

当方128
2年前
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犬と花言葉

「可愛いヨークシャーテリアね」  互いの鼻を近付ける2匹の犬。片方のリードの先に少女が居た。 「は、はは、ハイ」  僕は動揺した。知らない女の子に突然話し掛けられたのだから当然の反応だと思いたかった。 「名前は?」 「“アネモネ”です……い、一応オスなんですけど」  少女は高校2年生で僕と同い年だが、僕は未来永劫、少女に対して敬語の口調を崩すことは無かった。 「じゃあ私の“スミレ”ちゃんの種類当てて」  少女の犬にも花の名前を付けていた。 「えっと、分からな