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【この世の中はクレイジー】⑦

備忘録 〜従姉妹編 その7〜完結編

亡くなった従姉妹とその母親について考えてみた

完結編「希望」の巻

備忘録的に始めたこのブログもいよいよ完結編を迎えた。というか、完結させないとエンドレスになりそうなのでテーマとしては意図的に終わらせようと思う。


昨日の早朝から一気に書き始めたのだが、私はその前日、「ナルシスト」と「フライングモンキー」と「ターゲット」という関係性について一日中、YouTuberさんの動画を見て勉強していたのだ。一晩寝た後、R子とその母親の関係性をふと思い出して、何か明確に気がついたので記録しておきたかった。


R子はどうして不遇に亡くなったのか。まだまだ若くて活躍できるはずだったのに。R子の死を忘れたかったが、私の心の奥底で、ある種の悔しさがずっと燻っていたのだろう。前日の心理の勉強で脳が動いてその燻りを吸い上げてきたに違いない。


私はR子の人生に介入はできなかった。R子をなにかしら掬い上げたいような気持ちが起きたこともあったが、18歳からきっと長い間私は時折努力したと思うのだが彼女はそれを望んでなかった。

彼女の人生で一度だけ、彼女が私に掬い上げられたいと自ら思ったとすれば
あの亡くなる半年前の電話の時だったのではないだろうか。

その時の私はすでに掬い上げられるような余裕はなかったし、私の世界が確立していて、明確に線があった。


亡くなった直後だったか、それともだいぶ落ち着いてから思い出せないのだが
おばに
「R子は頑張り屋だったよね。」というと
「頑張らせすぎちゃったわね。」としんみり答えた。

R子はコツコツ地道にやる人だったということを表現したかったのが、言葉選びを間違えて「頑張り屋」と言ってしまったのが、おばからそんな回答があって意外だった。
なにをR子は頑張らせられたんだろう。

おばははっきり自覚があるんだ。
温泉につかってるような居心地良いリラックスした母子関係とばかり思っていたので意外だった。


無害で可憐な雰囲気のおばは、きつい言い方をするおじに耐えられず、おばの姉が相談に乗っていたという。おばの姉は前述した通り、相手の家庭だろうが踏み入ってコントロールしようとするような性格だ。R子もおばも、おばの姉の傘の下に守られて生きて来たのだろう。前述したR子の祖母は、高度成長期に成功した病院長の妻で、見た事のない贅沢を金銭で実現していくに連れて、性格も尊大になっていったのだろう。そんな親や姉の元に、おばは「言うことを聞いているかわいい妹」の役割だったのではないか。

かわいい妹は賢くなくていいし、お人形であればよかった。
お花畑の中しか知らないから、人の感情の半分くらいしか経験してないかもしれない。


なぜR子は死ななくてはならなかったのか。ここまでこの出来事を整理していくと3世代に渡ってR子が死に向かうように道筋が敷かれていたようにさえ思える。

おばは可憐で、周囲は皆おじが悪いと思っていた。私も私の母もそう思っていた。
とにかく皆そう思っていた。

でも、今はあのおばの本当の姿がわかる。


どんな状態にあっても、人は幸せに生きたいという本能があるのではないか。
R子は無自覚だけど、おもちゃの世界から抜け出そうともがいて電話をして来たのではないか。R子は生きようともがいていたのだろうか。

R子にとって私は一縷の「希望」だったのかもしれない。
R子の世界はものすごく小さかった。普通に玄関から出ても次の行き先もおもちゃの世界。私は18歳の頃から、そのおもちゃの世界をこじ開けて入ろうとして拒絶されたりR子を引っ張り出そうとしたり悪戦苦闘して来ていたのだと思う。
R子にとっておもちゃの世界の外は希望に満ちていたのだろう。
そう思うと胸が締め付けれられるような痛みを感じた。
おもちゃの世界から出るのは簡単なことではないのだ。

おもちゃの世界を脱出するための鍵をその時の私は持っていなかった。
この世の中のクレイジーを解くためにその鍵が必要だ。

最後に、R子の息子がいつかその鍵を手に入れられることを願い
このシリーズを終えることとする。


あとがき
長いシリーズを読んでいただきありがとうございました。
ずっと心の中で燻っていた思いが、表出していくことで整理され
一区切りつけることができました。
一気に書いたので読みにくいところもあったかもしれません。
自分でも読み返しながら修正加筆するかもしれません。
この小品が小さな気づきに繋がれば幸いです。

kind-knot



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