『利休と芭蕉』境野勝悟を読んで

結構古い本だけど、今でも読める。
というより、今読むべき本だなと思った。
ミニマリズムとかが流行りだして、本読んだり動画みたりしてやってみたいと思って生活にも取り入れてみた。
でも何となく浅い。
表層だけシンプルにしてみても、何だかしっくりこない。
そこで思想的には禅思想とかに近いのでは?と思い、そちらに近そうな本を探していた。
そこから、茶の湯、利休と派生して、今回見つけた『利休と芭蕉』に至った。
千利休は有名だし、お茶は好きなのでいくつかエピソードも読んだことはあったけど、芭蕉のことはあまり知らない。
名前は有名だけど、いまいち何が凄いのかピンときていなかった。
ほぼ野ざらしで旅行脚は普通に凄い。
功績残る俳句は素敵だが、旅が過酷過ぎる。
ほぼほぼ死なないだろう現代でもとてもやれん。
私は蚤も虱も馬の尿も無理。
芭蕉は旅先で馬屋を借りて泊めてもらってたので、蚤虱に噛まれ、馬の尿をくらったりしていた。
そんなお話とともに、利休と芭蕉の人生に触れながら、作者が難解な部分を分かりやすく紐解いてくれる。
そして、是非のこだわりを無くし、あるがままの不如意の現実を受け入れるという、シンプルな思想に行き着いていく。
しかし、実践は数々の無意識のバイアスを抱える我々には本当に難しいだろうな。
最近のマインドフルネスの本とかも読んだけど、この本は利休と芭蕉の人生エピソードど共に『あるがまま』とはどういう事かが解説されてるので分かりやすい。
発行された年代が我々と違うので、途中あれ?っと思うようなところはあるが、その辺は時代背景を鑑みるとやむ無しかなと思う。
最近本読んでて思うけど、新しく出た本より、昔の良さげな本を見つけるのが楽しい。
最新の本屋で並んでるのを手に入れて、理解しなきゃ!時代に取り残される!みたいな謎の焦燥があるんだけど、新しい本が面白いかと言われるとそうでもなかったりするよね。
さらっと読み終わって何か、浅かったな、結局何にも残った気がしないなあとなるときがある。浅いのは私の理解か?
本の装丁もお洒落で本棚に並べてうふふってなるけど、中身は中古書店で並んでる本とか図書館に並んだ黄ばんでる本とかのが面白かったりするよなあ。
本って沢山あるから時間と少しのお金さえあれば一生読めるよね。


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