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言葉の力

当院に来院中の11歳の男の子の話

とてもよくなっていたのですが
途中から、なかなか良くならなくなりました

痒みが強く、かきむしる
書き傷が激しく、浸出液が出る
夜眠れなくて、1時間半ごとに起きてきてお母さんに掻いてもらう
痒みを紛らわせるためにゲームで紛らわせる
寝る前に特に痒いからテレビやゲームが寝る直前まで手放せなくなる
外での運動や友達遊びや外出を全部嫌がるようになる
当院に来ることも拒否するようになる
お母さんがいたたまれずに全部子どもの言うことを聞くようになる
そんなお母さん自身も迷いと睡眠不足で疲労困憊
一番困ったのは、息子さんが本当に良い子の典型的な子供だったから、まさかこんな子になってしまうなんて思いもよらなかったこと
学校に行かなくなったらどうしよう、と不安になってきたこと
このままの状態が続いたら。。。と不安でいっぱいになってきたことでした
そこで 
一度脱ステ脱保湿のドクターにかかりました
理由は
抗アレルギー剤を出してもらうため
この状態でいいかどうか
別の人からの意見を聞くため

当院は脱ステロイド脱保湿のドクターの意見を聞くことも
良くなるためには必要だと判断したら
かかってもらいます

そこで、ドクターに言われたこと
お母さん、ちょっと子供さんにちょっときついこと言いますがいいですか?
と確認とってから
直接男の子と話したらしいです

肌の状態は良くなっているから大丈夫
今の自分のやっていることを続けていて
肌が良くなると思うか?
もし、今のままで良くならんと思うんなら
違う事、しなあかんやろう
ゲームやめて自分で早く寝る
運動する、学校行く
ってじぶんでせんとあかんやろう

のようなことを直接言ったというのです
これはお母さんからの話です

そしたら、ちょっと顔つきが変わったというのです
そして、その日は一人で起きてくることなく寝たといいます

そして次の日は
お父さんと一緒に遊園地に行ったのです
あんなに外出することを嫌がっていたのに

先生がしたことは
言葉をかけたこと

「今のままでいいと思うか?」
って彼に聞いたこと
彼の良い所は
絶対に薬は使いたくない
ということ
薬を塗ると痒くなるからです

彼の中にすでにあった
アトピーが良くなる方法を
改めて気づかせたこと
それは「言葉」でした

すでに全部整っている
体の状態も良くなる力も全部持っている
彼はものすごいリバウンドを一度乗り越えているのです
その後、いつまで続くかわからない痒みに
耐えきれなくなり
今まで我慢していた「甘えたい」という気持ちが
勝ってしまったのかなと思いました

また、お母さんは
放っておくしかない
もう叫んでもなんでもいいから放っておこうって決めたといいます

息子は叫んでも肌が良くならないって気が付いたようで
それから夜中に叫ばなくなりました
と言っておられました

肌の痒みは行きつ戻りつですが
学校には行くようになったし
肌は確実に良くなっています

薬や治療方法はやり方であり
本質部分ではありません

体が根本的に変わるのは
自分の心が変わる時なんだと
改めて思わされました

どれだけ自分で気づくのか
自分で良くなりたいんだ
という気持ちに気づくのか

言葉には力があります
気づきにつながる
言葉をかけていきたいと思います

そんなことも、書きました

「アトピー治療は肌じゃない」

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