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「動物のお医者さん」03(○○学の試験)

「動物のお医者さん」

大学時代にこのマンガに出会い、マンガの連載中に獣医学部の学生だったこともあり、親近感を感じていました。
当時の獣医学部の大学生活についても織り交ぜながら、「動物のお医者さん」の思い出を振り返ってみたいと思います。

ちなみに、題名に「○○学」と付けたのは、一覧で表示される題名に「解剖」という、おどろおどろしい単語を書きたくなかっただけで深い意味はありません・・・


前回はこちら



学生たちには頭が痛い季節がやってきました。

そうです、魔の「試験週間」がやって来たのです

解剖学の試験風景

動物のお医者さん2巻より


学生たちが3人ずつ教授の部屋に呼ばれます。
教授室には動物たちの骨が所狭しと置かれています。

教授がその骨から一つ選んで、

「この骨なーんだ?」

って聞くのです。

「どの動物の骨?」
「骨の名前は?」
「この骨にくっついている筋肉は何?」

などの質問に全て答えなくてはいけないのです。

皆さん、もうご存知だと思いますが里塚は単純な記憶作業が苦手なのです。
決して覚えるのが面倒くさいのではないんです!

膨大な骨の中から一つを見せられて動物の種類や骨の名前を答えるなんて・・・私には無理です。

一発で試験に合格するなんて夢のまた夢。
追試(再試験)確実、と諦めていました。

ところが!

ふっ、ふっ、ふっ。

里塚マニアの方はお分かりかもしれませんが、私には『要領』という武器があったのです。

そこでズル賢い、いや要領の良い三人組は無い知恵を絞りだしました。
要領の良い三人組とは私を含めて仲良し三人組、こと、落ちこぼれ三人組のことなんですけどね。

「どうせ追試になるのだったら・・・」

と、考えた秘策が!

「ハチマキ大作戦」

いったいどんな作戦なのでしょうか?


実はとってもおバカな作戦なのです。

こんなバカな事を考え付くとはだれが想像したでしょう?
下手をすると、教授にこっぴどく怒られる羽目になるかもしれません・・・

常識のある同級生たちは半ばあきれ顔。

私たちはいたって真剣に考えたんですけどね。

このハチマキ大作戦を成功させるためだけに勉強しました。
ひとつの骨にターゲットを絞って完璧に覚えたのです。

目的(!?)がしっかり定まったら頑張れる子なのです!
そうです、やればできる子なのです!

んっ?
何か使い方を間違えているような・・・

一応保険をかけて、他に三つほどの骨についてもそれなりに答えられるように用意はしましたよ。・・・偉いでしょ😎

* * *

試験当日


この日のために準備した渾身の作品

『ハチマキ』


ハチマキ大作戦

これを頭に巻いて

いざ出陣!!

同級生たちに呆れられながら教授室の前で名前を呼ばれるのを待っていました。

いよいよ私の番がやって来ました。

この作戦を是が非でも成功させなければなりません。

そのためには、

教授室に入っても決してニヤけてはいけない!

ハチマキなどしていないかのように振舞う!

私はいたって真剣なのです!


教授室のドアをノックすると、

「どうぞ」

の声が。

教授室に入り、教授の前に置いてある椅子に座りました。

教授はどう思われるだろう?


教授は表情一つ変えません。

つぶらな瞳で教授を見つめて・・・

私は「牛の骨盤」については完璧に覚えている!!


えっ?
お怒りなのか?

それとも、
「可愛い奴じゃのう」
と思っていただいたのか?

いきなり、

なんてことになったらどうしよう・・・


ドキドキ・・・

ドキドキ・・・

「では、里塚君」

キターーーーッ!!


「はっ、はい。」

「この骨の名前と動物種を答えなさい。」

おおっ!!!

教授の手に握られているのは・・・?


やりました!!!


見事、教授の手に「ウシの骨盤」が燦然と輝いているではありませんか!


ヤッターーーッ!!

苦労が報われた瞬間でした。
苦労する方向が違うん(ちゃうん)とちゃうんか!・・・と怒られそうですが。

ウシのものではありませんが、骨盤のイラスト

骨盤って、たくさんの骨がつぎはぎのようにくっついているんです。
試験の為にそれぞれの骨の名前くっついている筋肉など全て覚えたのです!


こうして悪知恵、いや、『要領』だけで解剖学の試験を乗り切った里塚達でありました。

うーん、30年前はこんなことが通用する良き(!?)時代だったんですねぇ。

このように、解剖学の試験はうまく切り抜けたのですが、
他の科目では要領だけではどうのこうのできるほど甘くは無く・・・

追試を受けまくる羽目になった里塚でした・・・

おわり

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