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人生でも最悪に近い日

こんにちは南仙台の父です。
今回は大したことではありませんが、最悪といっても良い状況を迎えて右
往左往した話です。

3月29日に茨城県で仕事をしてましたが、その後夕方になって仙台に戻る
ために常磐線の特急に乗ろうと駅まで行きました。
その時までは特に何もなかったのですが、その日は朝から東北新幹線で停
電のための混乱があってその影響がその後も残ったという点、更にその日
は関東でも嵐のような雨と風が午後まで続き、その影響もあって関東では
全体的に鉄道は混乱気味だったという点がありました。
夕方になって駅に着くと、その数分後にアナウンスが入って近くの駅付近
で人身事故があったということでした。
事故処理などは比較的早く進んだので、1時間弱遅れて運転再開といった
感じではありましたが、不幸はその後突然やって来たのでした・・・。

最初の不幸は乗れるはずだった特急に乗れなかったことでした。
最初の情報ではこれから来るという普通列車が運休となり、水戸駅で待機
中の普通列車から運転再開という話でした。
実はこの列車に最初から乗りたかったのですが、この列車の後を追うよう
に特急が来るので、ちゃんと乗れれば特急に乗り換えができるようになっ
ていました。
しかし、その後運転再開のアナウンスがあった後にその普通列車よりも先
に特急を通すという話がありました。
駅の窓口で先に確認したところでは普通列車の後に特急が来るという段取
りだったようですが、特急を止めたくないようで先に通すということで調
整がかかったようでした。
そう、この時点で通過駅となるこの駅では乗ることができず、特急は最終
の仙台行きだったのでこの先何をしようが仙台には辿り着けません。
仕方なく、駅の窓口で払い戻しを受けて反対方向となる水戸方面のホーム
に向かいました。
駅には多くの人が列車を待っていますが、反対側も同様に通勤時間帯とい
う最悪の状況下でごった返しています。
そうした中で無情にも乗るハズだった特急が目の前を猛スピードで通過し
ていくのをただただ見守るしかありませんでした。
その後、水戸方面の列車も1時間遅れで到着しましたが、かなり車内も混
んでいて多くの人がゲッソリとした顔を見せていました。
私はお客様からお預かりした大事なサンプルを持っていたので、極力通勤
ラッシュは避けたいところでしたが、29日中には何らかの形で仙台には戻
りたいので、サンプルを気にかけながら電車に乗って、何とか水戸駅まで
辿り着くことができました。
水戸駅もかなりごった返しており、すでに特急にも乗れるような状況では
なく、仮に乗れたとしても上野からの新幹線も軒並み遅れたりしてました
ので、乗れるかどうかもわかりません。
また、水戸から出る水戸線で小山、水郡線で郡山まで行って新幹線に乗り
替える方法もありますが、結局は新幹線頼みとなるのでこちらもアテには
できません。
仕方なく、大事なサンプルも持っているので無理もできず、その日は水戸
で宿泊して翌朝帰ることにしました。
何とか宿泊先は取れましたが、着替えなどは持っておらず、泣く泣くコン
ビニで買う羽目になりました。
気を取り直して翌朝の特急を予約し直し、宿泊費やらパンツ代やら余計な
出費もかかり、その上仕事も滞るという状況でこれが最初の不幸でした。

翌朝になって元気に水戸駅に向かい出発の時間に合わせてホームで特急を
待っておりました。
この時期の水戸は偕楽園の梅まつりや各地のさくらまつりなどもあって、
それこそ観光シーズン真っ盛りの状況です。
今になって思えばよく特急や宿泊先も取れたものだと思いましたが、不幸
はその後もやってくることになります。

次にやってきた不幸はちょっとした不幸でした。
特急が水戸駅に着いて私の他に何名かの乗客が乗り込みましたが、変なお
っさんも乗っていました。
スーツ姿ですけど私よりも年上のようで、特急に乗車してから一駅ごとに
スマホとデジカメで写真を撮りまくり、駅で買ったと思われるとんかつの
さぼてんの弁当をスマホとデジカメで激写していました。
このおっさんはPCで何か動画のようなものを見てましたが、ずっと声ダダ
漏れ状態の上に途中で寝ることもあって、そのいびきも凄まじい轟音を立
てておりました。
私も疲れていて寝ようと思っても、タイミングを合わせたように同期した
おっさんの変な声(ため息のような、不思議な声)がして気になって気に
なって仕方ありませんでした。
疲れているので全然寝られやしねえ・・・。
(このおっさんは結局仙台までご一緒でした・・・。)

さて、本当の不幸はこれではなくもっと凄いのが待っていました。
特急自体は水戸を定刻に出発し、その後も時刻通り運行されていました。
しかし、宮城県内に入って不幸がやってきました。
福島県の相馬駅を停車するとその後は仙台駅まで特急は停車しない設定で
したが、亘理駅を過ぎたあたりでイヤな風景が車窓から見えています。
台風並みの強風が吹いており、特急も多少揺れる感じがあります。
やはり、このイヤな予感はその後正しいことが証明されます。
逢隈駅の手前からは特急も速度を下げ始め、途中停車を繰り返しながら何
とか逢隈駅まで辿り着きました。
車内には無情なアナウンスが入り、強風のため運転をしばらく見合わせる
とのことでした。
ここで1時間程度の停車となり、近くのおっさんは相変わらず変なため息
のようなものを発しています。
そう、ダブルで効くこの効果は本当に最悪のダメージでした。
その後も電車は運行再開しても速度を落として運転し、特急なのに自転車
並みの速度で走っています。
この辺りは特急といえば常磐線の特急しかなく、しかも一日に3本しかな
いので、この辺りでは小さな子供の見物としては最適なコンテンツとなっ
おり、沿線では多くの子供たちが手を振っています。
これ、速度が出ていればあまり気にならないとは思いますが、自転車並み
の速度なので子供たちの満面の笑顔をかなり長い時間受け続けることにな
ります。
意外にこれは大変だなと感じましたが、きっと芸能人はこうした視線にい
つも晒されているのでしょうが、あまり嬉しいものではありません。
私は芸能人には向いていないということを実感した次第です。

その後も快調に特急は自転車並みのスピードで名取駅まで走行しました。
旧国道4号線と並行して走る区間があり、たまたま自転車に乗った爺さん
が特急と並走していました。
もちろん、その時点も強風は吹いており、爺さんにも情け容赦なく強風は
吹き荒れていますが、爺さんに軽々と特急は抜かれていき、JR東日本の誇
る特急が後塵を拝することとなりました。
特急料金まで払っているのに、爺さんの自転車に負けるとは・・・。
しかも爺さんの乗っている自転車は電動アシストでも、モペットでもあり
ません。
普通のママチャリみたいな自転車です。
強風下ではJRの誇る特急も爺さんのママチャリには敵ではありませんでし
た。
そんなショックを受けながら特急は1時間以上の遅れで仙台駅に到着しま
したが、降りてくる人たちはほとんどが憔悴した表情ばかりです。
まあ何とか家まで辿り着きましたが、最寄り駅を出ても強風は吹いており
、歩くのも大変な状況でした。
えっ、ひょっとしてあの爺さんはこんな強風下でもママチャリで特急に打
ち勝ち、びくともせずにママチャリを漕いでいたのか・・・。
ひょっとして、あの爺さんは超人だったのか、そんなどうでもいいことを
考えてしまいました。

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