毎年観たい燕子花図屏風
4月の終わりから5月の初めにかけて、毎年行きたいと思っている展覧会がある。
根津美術館で行われる、尾形光琳作の燕子花図屏風が展示される展覧会である。
この展覧会は燕子花図屏風と庭園の燕子花を見比べ味わうことが出来るユニークな展覧会なのだ。
毎年ではないが、もう5、6回は足を運んでいる。自分の中で、桜が散って新緑の緑が眩しくなる頃、そろそろだなと思いこの展覧会観に行く。
普段展覧会といえば、西洋絵画ばかりを観ているが、この展覧会だけは特別である。屏風に描かれた燕子花と、庭園に咲いている燕子花をじっくりと観察する。
今回訪れたタイミングでは、まだ庭園の燕子花は一分咲き程度だったが、少ない花を愛でるのもまたいいものだなと思えた。
庭園では新緑の緑を楽しみながら、木陰で休憩していると、東京にいるとは思えない感覚に陥る。鳥のさえずりと水の流れる音。開園と同時10時にきたこともあって、気温も上がりきらず暖かい。
庭園を一通り回ると室内に戻って、本命の燕子花図屏風を観に行く。今度は視界いっぱいの燕子花と対面する。
大学の美術の授業をとった時、屏風の鑑賞方法について教えてもらったのを思い出す。
少し遠目からゆっくり動いて視点を変える。屏風がジグザグしていのは、遠近感演出するためのようだ。見る位置によって見え方が異なる。まるで燕子花畑を歩いているかのように少しずつ動きながら鑑賞する。
毎年観ているが、何度見ても飽きないものだ。
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