櫻坂46、3rdTOUR千秋楽をみて

  6月1日大阪城ホールで開催された櫻坂46のライブを見に行った。声出しのライブが久しぶりだったことも相まって、ここ数年見たライブの中でもおそらく1番、本当によかった。その後も余韻がなかなか冷めなかった。
 最近は「推し活」がはやっているけれど、私は小学生の頃からアイドルが好きだったので未だに「推し」とかそういう言葉はどう使ったらよいのか分からない。でもおそらくそういうもの。様々な思いを背負ってステージに立ちパフォーマンスをするアイドルの姿から、私はいつも、これまでも、沢山日々を乗り越える力をもらってきた。それは、自分が心の内を人に表出するのが苦手で、人に合わせる方が得意だから、内側のメラメラしたものや黒いものなんかを歌や作品の中に見いだすことで自分の孤独感を和らげてもらっているからなのかもしれない。
 思えば、前身の欅坂46時代のサイレントマジョリティーや二人セゾンは、曲自体が好きだったのでプレイリストにいれて当時も聞いていたが、ぐっとのめりこむようにハマり出したのは、2019年紅白歌合戦の不協和音をみたときからだった。その頃子どもが2歳でいやいや期真っ只中。大森靖子ちゃんが自分の子どもがいやいや期だった時期、長濱ねるちゃんの「僕はいやだ」を思い出すとかわいく思えてくる、といった内容のことをどこかで喋っていたのを聞いて、いい考えだなと思って真似しようと思ったのだ。紅白の曲を聴いて、あ、あの靖子ちゃんが言ってた曲だと思い出したと同時に、一気に魅了された。何このグループ、この曲、このセンターの子、圧倒された。そこから不協和音をyoutubeで見て、平手さんの凄まじい表現力に惹かれ、できる限りすべてのyoutubeの動画を見漁った。グループとしてはその後平手さんの脱退やグループの改名など大きな転換期に入るのだけど、私自身が離婚を決意した、それまでのしんどい時期と重なって、欅坂の曲は自分の人生に、辛いときも負けたくないときも寄り添ってくれた。「無関心は味方だ」なんて気持ちを歌ってくれる人がこれまでいただろうか?多分絶望を経験した人にしか届かない数々のフレーズ、曲、パフォーマンスがある。ドキュメンタリー映画をみるとどれだけの重荷を背負っていたのか計り知れないけれど、私はあのとき欅坂の曲がなければ挑戦できなかったことや今の仕事にはたどり着いていないと思う。それに、誰にも言えない気持ちも欅坂46の曲はわかってくれているなんて、そんな風に思わせてくれたから私は日々をつないでこれたし、本当に感謝している。
 そして櫻坂46に改名。毎年ひとりでツアーを見に行っていたけれど、今回は特に「推し」の土生瑞穂ちゃんがカメラに抜かれる度に表情が素晴らしすぎて何度も胸を押さえた。髪型も目線もダンスもすべてが計算されつくされた完璧なもので、かわいくて、色っぽくて、かっこよくて、美しかったです。見てるだけでしあわせって久しぶりに高まりました。はい。
 土生ちゃんを好きになったきっかけは、ドキュメンタリー映画の中でみんながいろんな葛藤や苦労があったのだろうと推測される中、ひとりとても冷静で淡々としているように見えて、そこに大人らしい優しさを感じたことがきっかけで気になりはじめた。その後ラストライブでのエキセントリック、語るなら未来をで、かっこいいー!って思ったり、はたまた「けやかけ」や「そこさく」では抜群のお笑いのセンス、そしてその背景にある人を楽しませたいという気持ちにやはり優しさを感じて応援したい!と思うようになった。そして2ndシングル「BAN」でまさかのオンライン握手会に自分のような新参者が応募一口で当選するという奇跡を起こして、オンラインではあったけど数分直接お話できて沼にはまった。色紙に書いてもらったメッセージは宝物です。
 新曲start over!での土生ちゃん、やはり初披露のステージでも目が離せず、どう形容したらいいのか分からない。そして何より曲、そして夏鈴ちゃん。これまでの櫻の曲もおもさびとか無言の宇宙とか好きな曲はあったけど、目が離せない、見逃したくない、どんなステージになるのかわくわくする、みたいな感情は正直久々である。今までの歴史があるからこそ、start over!の曲が生きてくるよね?と思います。あったことすべてが、曲の深みを増している。
 そんな楽しい気持ちと同時にもしかしたら、メンバーもいつ卒業するか分からない、もしかしたらこれが最後の会えるチャンスかもしれないと思って、しっかり見届けようと思った。こんなにいつかくる卒業がいやだなと思うのははじめてだ。 
 ライブから帰ってきて、予定してなかったリピート配信を速攻で購入して見た。そんなライブでした。

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