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ギリ記憶に残っているパリ②

また来た。
あんまり覚えてないけど何かこんなことなかったかなーという、パリ古の記憶を呼び起こしてしたためるこの記事。
覚えてない=根拠はないが、書きたいから書いちゃう。ソースは私。怪しい。

断片記憶その二。
パリの人、英語嫌い。
これはあまり面白い話ではないが、かなり印象深い出来事だった。
私がマルシェ等マーケットに行った際、まずフランス語が話せる訳ないので、唯一日本から脳にインプットしどうにか13時間のフライトで空輸した『シルブプレ=ください』『ジュマペル=私の名前は』『メルシー=ありがとう』の心許ない3本柱でやりくりしていた。
基本的にはどの店でも商品を指さしながら「シルブプレっ」とさえ言えば、アジア人ならではの顔の幼さが合間ってか、ニコニコしながら「メルシボクー!」などと言いながら対応してくれる。この時は「ボクー」を知らないため、現地の人はメルシーにおまけ付けるんだなーと思っていたが、調べてみたら『Very much』の意味だった。優しい。好き。
しかし、何故想定して文章を覚えてこなかったのか自分が謎だが、金額が書かれていない場合や複数個購入したい場合に『おいくらですか』や『〜個ください』といった会話が必要になる。
上の3本柱ではにっちもさっちもいかないため、しょうがなくフランス語よりは語彙があるが拙い『英語』で会話することになったのである。
私は店主に向かってお得意の元気いっぱい「ボンジューっ」から始まり、相手の笑顔ボンジューを認識すると、カタコトながら「は、How much is this?」と言った。
するとびっくり、この言葉を言ったとたんフランス人は表情を曇らせ、人によっては無視してきた。
さっきまであんな笑顔だったのに?
次来た明らかなアジア人だがフランス語を話す人にはまた「ボクー」付けてるのに?
帰国後調べてみたら、どうやらフランス人は母国語に対するプライドが高く、英語を嫌う人がいるらしい。
もちろん全員がそうではなく、単純に話せない人もいるし、私のような童の話す英語がまず聞き取れなかったと言う説もある。
というかそもそも郷に入っては郷に従え的動きができなかった自分が悪い。
しかし、「ボンジューっ」までは笑顔で対応したのに表情を曇らせ無視をするというコンボ技を見せたマルシェのあるオヤジは、内容は理解できたのだろう、こちらが英語で注文した一通りの商品をぶっきらぼうに手渡した後、とびっきりのしかめっ面と限りなく小さい声で

「ノーイングリッシュ」

と言った。

私はその夜、一連の出来事を日記にまとめた後、最後にひと文

「そこは英語なんかい」

と書き加えた。


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