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キャンプを始めようと思った時に、知ってほしいベテランキャンパーからの伝言。

ご挨拶
キャンプ歴30年を超えるベテランキャンパーのおじさんです。
空前のキャンプブームと言われて久しい昨今、キャンプはすっかりブームでは無くなってレジャーとして定着した感じに思います。

すでにキャンプを楽しんでいる方も沢山いらっしゃるとは思いますが、今から僕がお話をすることは、主にこれからキャンプを始めようと思う方々に向けた内容となります。
キャンプとは何か、道具は何から揃えたらいいの?など、素朴な疑問に応えつつ後半にはより深くキャンプを楽しむためのノウハウなどをお伝えできればと思います。

キャンプとは何か、どんなことをするの?
キャンプとは必要最低限の道具を持って家を飛び出し、大自然の中で野営を楽しむこと。
これにつきるような気がします。
もしもクルマが使えるのであればより多くの道具を積んでオートキャンプに出かけることができますし、クルマが無くても必要最低限の道具をザックに詰め込んで小さなキャンプを楽しむことができます。

では、キャンプではどんなことをして楽しむのでしょうか。
おそらく10人のキャンパーがいれば10通りの楽しみ方があるかとは思うのですが、キャンプを始めてまもない方はまずはご飯を作ってみるだけでも新鮮に感じられるかもしれません。通販サイトやキャンプ雑誌にはカッコいい調理器具やカトラリーが並んでいて目移りしてしまいますが、最初は自宅で使っている鍋を持って行ってカレーを作るだけでもじゅうぶんに盛り上がり、キャンプの楽しさに触れることができるかと思います。

食事の後には薪を用意して、焚き火を楽しみましょう。
管理されたキャンプ場では直火での焚き火を禁止しているところもありますので、事前の確認が必要です。もし、直火ができないキャンプ場では焚き火d台を持参するか管理棟でレンタルすることもできるかと思います。

ザックを担いで行くソロキャンプでの焚き火


仲間や家族と過ごすオートキャンプの焚き火

キャンプを始める時、最初に用意するもの。
キャンプを始めようと思った時、誰もが最初に買わなきゃいけないとイメージするものの代表格は、おそらくテントだと思います。
それから地面からの冷気を遮断し、快適な寝心地を提供するマットスリーピングバッグ(シュラフ)もとても大切だと、どのキャンプ情報誌やwebサイトでも説明されています。

しかし、ベテランキャンパーである僕の考えはそれとは異なります。
確かにテントやマット、それにスリーピングバッグは重要なことには間違い無いのですが、もっと最初に考えなければならないことが別にあります。
それは、快適なリビング空間を作るということです。
実際にキャンプをしてみるとわかることなのですが、キャンプを楽しむ時間の多くはテントの外のリビングで過ごすことになります。
ですから僕は最初にこだわらなければならないグッズはリビングを構成するテーブル椅子、そして屋根を作るタープであると断言します。

なぜなら、キャンプ地でご飯を食べるのも、お酒を飲むのも、子供がお絵描きを楽しむのも、そして仲間と語らうのも、そのほとんどがタープの下のリビングで行われるからです。

最近はタープを張らないで過ごすキャンパーも増えてきました。
確かに星空の下でリラックスして過ごすのも素敵なひと時だと思います。
だけど突然の雨や、夜露、朝露などのことを考えるとタープは必須だと思います。だから目的や人数に見合った椅子とテーブル、タープを最初に用意することを僕は強くおすすめします。

ロースタイルが今の流行
椅子とテーブルの位置が低く、安定して座れるのが特徴です。
最近人気のグッズとして、テーブルの真ん中に焚き火台をセッティングすることができるものもありますが、個人的にこちらはあまりおすすめいたしません。焚き火は火が弱まって燻(くすぶり)り始めると、不完全燃焼を起こして一酸化炭素を含んだ大量の煙が発生するため、風下に座っている人は煙たくて目を開けていられないばかりか呼吸困難で咳き込み不快になります。
そうなると、まるで椅子取りゲームのように皆んなが風上に退避せざるを得なくなりますので、使い方を吟味しての購入が必要となります。

生活の延長とも言えるハイスタイル
普段の生活で利用している椅子やテーブルと同じサイズで統一されているので、違和感なくくつろぐことができるのが特徴です。
テーブルも椅子も高さがあるので虫や蟻などが上がって来にくいというメリットもあります。

オートキャンプなら快適なリビングを設営することができる

テントは見栄で買わない方がいい
ほんの数年くらい前までのテントはコールマンに代表されるようなドーム型のテントが主流でした。モンベルのAフーレームもスノーピークも構造的な独自性はありますが、基本構造はドーム型の流れを汲むものと言えます。
ところが最近ではワンポールタイプのティピー型や野趣溢れる軍幕テントなどもにも人気が高まっています。

では、初めてのテントを購入するとき何を基準に選べば良いのでしょうか。
おそらくキャンプ雑誌の広告で見たオシャレでかっこいいテントに目が移りがちだと思いますが、次の順番で優先する事柄を考えてみて下さい。

1:収容人数 
 
ソロなのかファミリーなのか仲間で出かけるのか。
 一人もしくはガールフレンドを誘ってのキャンプであれば小型から中型ク 
 ラスが視野に入ります。子供がいるファミリーであれば4〜5人で利用でき
 る中〜大型タイプとなります。ただし、将来のことを見据えて最初から大
 きなサイズを選ぶことはあまりおすすめいたしません。
 大きなサイズのテントとなると、強度を高めるために自ずと部品点数が多
 くなりますし重量も増してしまいます。設営や撤収には相応の時間がかか
 ってしまうのでキャンプにおける軽快さを損なってしまうからです。
 二人しか参加しないキャンプで、ずっとテントの組み立てだけで貴重な時
 間を失うのはもったいないと思います。また、後にも書きますがテントに
 は素材ごとの耐久性があって、主流のポリエステル素材のものであれば
 5〜6年くらいで寿命が来ると思っておいて下さい。だから、あまり先の
 ことを考えて大きなテントを選ぶことは賢明でありません。
 もちろん、4人以上の家族で楽しむキャンプや仲間と一緒に楽しむ場合は
 違ってくるのですが、仲間に女性が含まれる場合は大型テントひと張りよ
 りも小型を二つ立てた方が良いかもしれませんし、仲間とのキャンプもた
 まにしか行わないのであれば、仲間が個々に自分のテントを持ちよること
 も可能です。そうすることでソロキャンプ用の小型テントでも仲間とのキ
 ャンプを楽しめるようにすることができます。テントを選ぶ時は大は小を
 兼ねるという考え方をいったんやめて、具体的な利用シーンをよく考えて
 みましょう。

2:利用シーズン 
 
春なのか、夏なのか、秋なのか、冬なのか。
 夏休みのイメージが大きいキャンプですが、実は最も適したシーズンは寒
 く無く、暑くも無い春と秋なのです。標高の高い高原でのキャンプを別に
 して、都心部に程近い海や山間部では夜になってもテントの中は蒸し暑く
 快適で無い場合がほとんどです。しかし、メッシュなどの開口部が大きな
 ものや、フライシートに風を取り込みやすい工夫がなされているものなど
 を選ぶと快適さが改善される場合もあります。冬のキャンプも想定するの
 であれば結露がつきにくい構造のものを視野に入れる必要がありますし、
 ある程度の降雪にも耐える強度を考えておかないと、寝ている間に積もっ
 た雪の重みでテントを支えるポールが折れてしまった、なんてことにもな
 りかねません。

3:天候  
 
晴れの日だけを狙ってキャンプするのか、雨の日も楽しみたいか。
 天候を考慮するのであれば、利用シーズンでもお話をした秋のキャンプが
 最もおすすめです。この季節は天候も比較的に安定していることが多いた
 め、突然の雨に降られることも少なく快適なキャンプを楽しみやすいと言
 えます。では、夏休みの休暇を使ったキャンプを想定した場合はどんなテ
 ントが良いでしょう。その答えは雨風に強いテントがダントツでおすすめ
 です。なぜなら夏の季節は台風の影響などを受けやすく意外と天候は不安
 定なことが多く、夕立やにわか雨、場合によっては突然のゲリラ雷雨なん
 てことも考えられなくはありません。たとえばグランドシートの無い軍幕
 テントなどでは大雨が降った場合には足元が泥水で満たされてしまうこと
 がありますし、雨から逃げて来た昆虫の溜まり場になることもあります。
 「雨風さえ無ければ良いテント」と言う言葉がありますが、これは性能の
 高く無いテントを揶揄するものなのですが、キャンパーの心理を言い当て
 ているように思います。他方で僕もその一人なのですが、雨の日のキャン
 プが決して嫌いでは無いキャンパーもいます。豪雨は別にして、にわか雨
 や夕立程度であれば、タープの下やテントの中で聞く雨音もなかなかオツ
 なもので、心休まる感じがして落ち着くことができます。
 以上のことから雨にも対応するなら耐水圧は1,000mm以上の性能を持った
 テントが必要となります。しかし、耐水性能が高まるにつれて価格も上が
 ってゆきますので、もしあなたが確実に晴れた日にしかキャンプをしない
 のであれば、無理して耐水圧の高い高価なもの選ばすに、量販手などでも
 取り扱われている安価なものからキャンプライフをスタートさせることも
 賢い選択であると言えます。

4:耐用年数 
 
趣味としてキャンプを続けられるか、すぐに飽きるかもしれないか。
 思い立ってキャンプを始めようとしたとき、最初に悩むことがテントやタ
 ープをはじめとした道具を買うかレンタルで済ませるかだと思います。
 家族や友達と年に1回しか出かけないような場合はレンタルを選ぶべきだ
 と明確に思えれるのですが、もしかしたらこれからも何度かはキャンプに
 出かけることになるかもしれない。そう思った場合が少しやっかいなので
 す。現在の主流であるテントにはポリウレタンコーティングが施されてい 
 るものが多く経年劣化による寿命が存在します。
 野外で使うテントは紫外線や水の影響を受けやすく、化学反応による加水 
 分解を避けることはできません。加水分解が起こり始めるとテントの表面
 はボロボロになり、内側は糊がついたようにベタベタしはじめます。こう
 なってしまうとテンションをかけた時に裂けたり穴が空いたりして、テン
 トとしての基本性能が維持できなくなります。
 一般的には5年〜6年、長くても10年は持たないとされています。 
 ですから、耐用年数もテント購入時の目安のひとつとして考えておくこと
 もとても重要なのです。年に数回しか利用しなくても一生ものだとすれば
 何十万円をはたいて買ったとしても元を取り返すことができるかもしれな
 いのですが、実際にはそれほど長く使えるものではありません。
 使用回数としては20回から40回くらいとされていて、それを超えると買い
 替え時期と言えるでしょう。もうひとつ頭の片隅にいれておいてほしいの
 がキャンプスタイルには流行が存在します。ひと昔前にはウィング型のタ
 ープが主流でした。ウィング型というのは、鳥が翼を広げたようなシルエ
 ットの美しいタープで耐風性にも優れていましたが、より居住面積の広い
 ヘキサタイプにその座を奪われてしまい、今ではあまり見かけなくなって
 しまいました。近年ではテントと接合できるドーム型のコネクションタイ
 プや、テントと一体化したツールームタイプなどバリエーションの数も増
 えてきましたが、それらも一定の間隔で流行廃りがあるので極端に時代を
 反映したようなデザインの場合、陳腐化するのも早いことを覚えておいて
 損はありません。より長く使い続けるためにも基本に忠実なオーソドック
 スなものを選択しておくことも有益です。また、縫い目を塞いでいるシム
 テープなどはテント素材が耐用年数に満たなくても剥がれてきたりするこ
 とがありますが、その場合はリペアキットを購入してご自身で補修を施す
 か専門業者へ修復依頼することになります。

5:予算
 
1万円程度から20万円オーバーまでの違い。
 天候のところでもお話をしましたが、雨風のことさえ考えなければ安価な
 ものでもじゅうぶんにキャンプを楽しむことはできます。
 しかし、自然相手の遊びであるキャンプにおいては、やはり通り雨くらい
 の覚悟は最低限しておかなければなりません。そう考えると量販店で大量
 に売られている1万円前後のものは、あくまでもサンシェードだと割り切 
 るのが無難だと言えます。僕の個人的な経験から言えば4人用のファミリ
 ーテントをオートキャンプで利用する場合では、最低3万円から7万円程度
 のものを購入すれば失敗は少ないと思います。また、トレッキングなどザ 
 ックに収納して高山での利用を想定したソロテントの場合には軽量という
 スペックを満たす必要があるので5万〜と高価なものになってしまいます。
 ご自身の収入を鑑みて、耐用年数である5年〜6年くらいで買い替えができ
 る価格帯のものを選択するのがベターだと思います。
 他方で雨風に強く優れた居住性をもつ20万円を超えるような大型のテント
 も現在の主流だったりしますが、先にお話したことを考慮すると無理して
 分割払いなどを利用しての購入は避けるべきかと思います。

マットとシュラフについて考える

地面からの冷えを遮り、不整地でも快適な眠りを提供するマットとシュラフはともにキャンプには大切な装備だと言えます。
しかし、もしGW〜夏休みくらいのハイシーズンにしかキャンプをしないと言う方にとっては、それほど意識する必要はありません。
クルマへの積載性もありますが、家庭で使用している座布団にタオルケット1枚あれば過ごすこともできるからです。
トレッキングなどザックへの収納を考えると空気を入れて膨らませて使うインフレータブルのようなマットが視野に入ってきますが、そうでは無い場合は折りたためるウレタン式のものがおすすめです。
バルブを開くことで勝手に空気で膨らむタイプのものも、便利で寝心地が良いことは確かなのですが、撤収時には上手に丸めながら内部に入った空気を抜き出す作業が必要となり手間がかかってしまいます。

シュラフはどう選ぶべきか。
キャンプ用品店で売られているシュラフには耐熱温度が誇らしく表示されています。ここで言う耐熱温度とは、どれだけ低い外気温でも快適な寝心地を提供するかというものです。もちろん耐える温度が低い方ほど高性能であると言える一方で、価格的にも高価なものとなります。
ただ、こちらも日本国内のハイシーズンで利用するのであればあまり性能にこだわる必要はありません。特に夏場のテント内は夜でも暑いのでシュラフを使わずにバスタオルを羽織るだけでも十分な場合があります。
春、秋もしくは高山など冷え込む場所で利用する場合には10度以上あるいは0度以上のものを選択すれば良いでしょう。おすすめはやはり安心のモンベル性のものです。低価格でありながら性能が高く信頼できるラインナップです。他方でモンベルよりもさらに低価格のものがネットで売られていますが、羽毛の質がわるく獣臭がしたり、縫製が雑だったりするものもありますので購入に際しては必ず口コミなどを確認するようにしましょう。


愛用のコールマン200B 通称赤ランタン

ランタンはガソリンかガスか、それともLED?

まずはじめに、ランタンに求められる最低限のスペックは1泊7~8時間程度の連続使用が可能であることがあげられます。野営地では夕方5時を過ぎると太陽は山陰に隠れて、都会で過ごすよりも早く夜がやってきます。
その時間は夕食を作り始める時間でもあり、ランタンに火を入れるタイミングでもあります。そこからテントサイトを明るく暖かく照らし続け、就寝時間まで連続で使用することを考えると、どの燃料を選ぶのかを問わず7~8時間程度の燃焼時間はマストと考えましょう。

小さなキャンプで狭い範囲を照らすだけであれば、デザインが可愛いオイルランタンなども趣があって良いと思います。
しかし、大きなテントに大きなタープ、そしてこれ見よがしなキャンプグッズの数々を所狭しと並べているのに、灯りはオイルランタンが2台だけ。
というアンバランスなキャンパーを最近よく見かけるようになりました。
おそらく、オイルランタンのディテールのデザインに惹かれて手に入れたものだと思うのですが、そもそもオイルを使った灯りはローソクの明るさと変わらないので、タープを張ったキャンプサイトを明るく灯すことはできません。雰囲気を味わうための手もと灯りとしてテーブルの上に置いて使う程度にとどめるのが無難です。

オートキャンプサイトを明るく照らすランタンは、やはりホワイトガソリンのランタンがベストの選択だと思います。ガソリンランタンはメンテナンスが必須だったり、点火のためにポンピングを行うなど面倒がかかることも確かですが、それらもキャンプを楽しむための儀式だと思えば苦労して灯したあかりもまたひとしおだと思います。
おそらく今後はLEDランタンが主流になって行くことと思いますが、あまり明るすぎなく、できれば暖色系のものを選びたいと思います。
照明は、その人の趣味にもかかわるものなので最終的には好きな灯りを選べば良いと思います。僕はだんぜんコールマンのホワイトガソリンランタンを一生使い続けたいと思っています。

海辺のキャンプ
海鮮バーベキュー
山のキャンプ
小さなキャンプ
仲間とのキャンプ
おでんキャンプ
佐渡島キャンプ
冬の薪ストーブキャンプ
セダン車でもキャンプ

これからも機会があれば話題を追加してまいります^^


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