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生きるということ④

最後に住職は
このように締めた。

「右手は来世・左手は今世を意味します。
おばあさまは、この度、
浄土(来世)へお産まれになったのですが
おばあさまにお会いになりたい時は、
ご自身(左手)とおばあさま(右手)
を引き寄せ
右手と左手を合わせれば
いつでも会いに行くことができます。

ぜひ、ふと思い出した時には
両手を合わせて
会いに行ってくださいませ」

この話を聞いて涙がこぼれた。

先ず、おばあちゃんは、
この世を去ったのではなく、
来世に産まれたということ。

そして、私の両手を合わせるだけで
会いに行けるということ。

そんな思いがけない良い知らせを
受けることができてとても感動した。

寂しさが少し減った瞬間だった。

今世にはもういないけれど、
来世で新たに産まれた。

そうか、と。

私の大切な人達を
思い出したら手を合わせて
会いに行こう、と。

そんなことを考えていたら
説法が終わって
とても清々しい気持ちになった。

より一層今ここにいる
手の届く範囲にいる
大切な人を大切にしようと
思えたし

私たちはずっと昔から
姿形を変えて
存在し続けているんだな
そう確信した。

生きるということは
ずっとあり続けること。
それを
どの視点で、どの角度で見ているか
で変わってくるし
楽しいんだなと。

きっとおばあちゃんは
来世で大好きなおじいちゃんと
また笑って暮らしているに違いない。

愛と敬意を込めて

おばあちゃん本当にありがとう。  おわり


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