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「国宝・興福寺五重の塔」建立記②

 noteの世界のみなさま、こんにちは。オヤジモデラーのきんぐじょーです。さて、表題の「五重の塔」制作ですが、若干ですが作業が進みましたので、ご紹介しておこうと思います。前回は「表面の荒らし加工」を施さなければならないパーツの多さに「いつになったら組み立てに進めるのだろうか」と、うろたえていた私でしたが…。では、始めます。


「第1層」を組み立ててみる

 最初はパーツの表面加工を先に全部やってしまおうと思った私。それゆえに〝気が遠く〟なっていましたが、「やっぱり、組み立ても楽しみたいな」と作業手順を見直すことにしました。「尾垂木(おだるぎ」や「高欄(こうらん)」など表面加工を施したパーツが必要な数だけそろうたびに、階層ごとに組み立てもやってしまおうという作戦です。
 というわけで、まずは1階にあたる「第1層」部分を組みます。前回の記事でも紹介しましたが、表面を荒らした「朱壁」外壁を筆塗りしていきます。使うのは水性アクリル塗料の「マホガニー」。

メーン塗料の「マホガニー」。左を買い足しました。

 以前の「出雲大社」をつくったときも使ったのがこちらの塗料です。半光沢カラーですが、渋い仕上がりになるので今回もこれをメーンに使おうと思います。残り少なかったので、取りあえず1瓶を買い足しました。

筆でどんどん「マホガニー」をのせていきます

 「朱壁」を塗り終えたら、つや消し白で塗装して漆喰感を出した「白壁」部分を裏から接着。出来上がった4つの壁を組み上げて第1層の壁枠部分の出来上がりです。

朱壁と、裏に貼り付ける漆喰部分の白壁
白壁部分を朱壁の裏に接着して壁がひとつ完成
4つの壁を接着して組み上がった「第1層」の壁枠。下の台座とはまだ接着していません

 出来上がった第1層ですが、台座となる石畳部分はどういう仕上げにするかはまだ検討中です。「出雲大社」の台座は鉄道模型などに使うジオラマ用のバラスト(砂)を敷き詰めましたが…。今回は「石畳」風の台座になっていますので、表面をどう加工していくかは、ひとまず先送りです。また、後々この台座にはLEDによる「照明」も検討しなくてはなりませんが、こちらもひとまず先送り。

屋根裏部分にも表面加工を

 第1層の屋根裏部分にはびっしりと木材で組み上げられているモールドがあるので、ここも表面を荒らします。これまでと同様にザザーッとルーターを当てていきます。

屋根裏の木材モールドにも表面加工

 ここは、入り組んだ部分まではルーターを当てていません。完成時を考えると、そこまでやる必要もなかろうという判断です。出来上がった段階で、壁を接着します。屋根と壁の接着面には、ズレや隙間があるので、できるだけそれぞれの中央がそろうように貼り付けます。

壁部分と屋根の位置を合わせて、流し込み接着剤で

 で、いよいよ「尾垂木」や「肘木(ひじぎ)」を取り付けていきます。

壁の角に取り付けた「隅尾垂木」

 まずは屋根の角部分用の「隅尾垂木」を取り付け、その後に屋根下の四方に「肘木」を接着、さらに「肘木」と壁をつなぐように「尾垂木」をくっつけていきます。パーツが細かいので、ピンセット必須の作業。曲がっていないかどうかなどを確かめながら接着していきます。

肘木の取り付け作業。(屋根部分には一部色を塗ってしまったのと、光の当たり具合が違うため、色味が異なりますがご容赦を)

 細かいパーツを取り付けた後は、接着のために色づけしていなかった部分を含めて、屋根裏全体に「マホガニー」を筆塗りしていきます。「塗り残しはないだろうか」「ここが塗れていないなあ」といったことだけ、ほかには何も考えずに筆を動かす作業に没頭する時間…これが私にとってのプラモ作りの楽しみのひとつです。そうした作業を黙々と進めて第1層部分が出来上がりました。

第1層部分。ひっくり返して写してますが

うわ、折れたよ…どこいった?

 続いて「第2層」。第1層と同様に、朱壁の裏側に白壁を貼り、壁枠を組みます。さらに壁枠と屋根裏を接着してから、「肘木」や「尾垂木」を取り付け、マホガニーをちまちまと塗っていきます。これに加えて第2層では、床部分となる「回廊」まで組みつけることになります。この回廊が、第1層の屋根の上に貼り付きます。

第2層の壁枠と床板の「回廊」はこんな感じに

 回廊も表面を荒そうかと思ったのですが、床板を表現している凸モールドが消えてしまうので、そのままにしておくことにしました。腕の良い方なら筋彫りしてでも細部を表現するのでしょうが、オヤジモデラーにはその自信がありません。凹モールドにしてくれると良かったのに…。
 回廊には、周囲にぐるりと手すり的な「(こうらん)」を接着していきます。高欄の表面には荒らし加工を施しましたが、何せ細いパーツなので、折れやしないかと、慎重に作業。パーツ8つの加工を終えて、さて接着作業です……。
 「あれ、ないぞ。どこいった?」
 高欄の1つの端っこ、長さ5ミリほどが折れて、どこかにいってしまったようです。ランナーをあぶって細く引き延ばして作るか…なんてことも考えました。昔、車のプラモを作るときに車体から伸びるアンテナを、ランナーで作ったことを思い出します。ポルシェ935のレーシング仕様だったような…などと、折れた部分を探しつつ、懐かしんでみたりもします。

 思い出話はさておき、作業机や床を探し回り、折れた高欄の端っこは何とか発見。で、それを接着するのですが、これまた細かい作業(なので撮影できていません)。ピンセットでつまんで接着剤を塗り、四苦八苦しながらもくっつけることに成功、どうにかリカバリー出来ました。

一番上の右側が折れた部分です。接着痕(光っている部分)はまあ、仕方ないか…

 第2層の回廊も、壁枠を取り付ける前に塗装。マホガニーでも良いのですが、少し色味を変えて、ここは「レッドブラウン」で塗っていくことにしました。高欄もろとも筆塗りしますが、一応床板に沿うように筆を動かします。こういった部分は後で汚しを入れてそれらしくしたいところです。

回廊の塗装終了。マホガニーとあまり変わらない印象…

◇  ◇

 今回の記事はひとまずここまで。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。制作工程を振り返ると、第1層、2層ともほとんど同じ工程です。あと3層分、似たような作業を紹介するのもどうかと思いますので…次回の記事では、何とか全体像をお見せできるよう頑張りたいと思います。
 では、また。  


 

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