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凛々往く道

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7年間の自宅介護で父を看取った私の日々。
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記事一覧

私を呼ぶ声

初めてのことだった。 知らないことばかりだった。 守らなくてはいけない。 守りたい人。 しっ…

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月下美人

真夜中に咲くその花は ゆっくりゆっくりゆっくり開いていく。 花って生きているんだなって、…

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トマトはもぎたて

我が家にやってくる担当ケアマネの町田さんは、ふっくらふくよかで優しい雰囲気の女性。 町田…

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社長の話

「自慢の母だった。」 そう、社長は言った。 社長のお母さまは、美しい人だった。 それは誰…

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届く

私は、このnoteだけでなく、ショートノートという所でも書いている。 https://www.shortnote.j

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君たちの言葉に救われたんだ

ネットで知り合った人間関係なんてって、不安定さを揶揄する声も多いし、 実際そういう面もあ…

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おむつ

7年に渡る父の自宅介護生活の間、おむつは必需品だった。 母と2人で父を看ていたから、おむつを買いに行くのは、私の役目。 ネットでも買えるけれど、割引クーポンが手に入る近くのドラッグストアで買うのが、一番安く安心できた。 父の症状も色々変化していったから、今使っているおむつタイプが、来月使うか、使えるか、それは判らない。 だから、最小ロットで回したいところではあるけれど、そうそう外出もできなくて、いつも両手一杯おむつを抱えて私は帰宅するのだった。 父のベットの横に、おむ

順送り

手を合わせる母の背中が、随分小さくなった。 父が旅立ってから、あっという間に9年の時が過…

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温かく少し冷たい

当時、巷では、たちの悪いインフルエンザが流行っていて だから付き添いは一人だけって。 救急…

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酔ってます

疲れた。 疲れたので、黒糖焼酎を飲んでます。 そうしたら、SNSで 「尖ってないやつだったらレ…

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やがて十連休

やがて、10連休が来る。 皇太子が即位される2019年5月1日を1年限りの祝日にすると首相…

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突然

い~いお天気。 抜けるような青空。 父のお墓参りから帰ってきたら、 「Oさんが亡くなられま…

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老人の日

贈られた靴下にそっと手を添え 「これはお出かけ用だねえ」とほほ笑む人。 母の日も 父の日も…

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台風の中で

あー怖かった。 子どもの日記みたいだけれど 怖かったんだから、仕様がない。 雨どいが吹っ飛んだ我が家。 昨日はずーっと停電だった。 長かったなあ。 停電になると、当たり前だけれど、PCも使えなけりゃ、電話も使えない。 TVも見ることができない。 マジでちょっと怖かった。 いや、かなり怖かった。 でもさ、それらはなんとか我慢できるもの。 父を自宅介護していたころ 台風が來るとか、停電とかって聞くと 父の使う人工呼吸器の心配して、気が気じゃなかったよなあ。 日常は