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ミャンマー訪問記①

ミャンマー訪問記① 〜情勢〜

 さて、ミャンマーに行くことになったのだが私がミャンマーに行くことを伝えると誰もが口を揃えて「情勢大丈夫なの?」と言った。もちろん私も報道を見ている限り、クーデターやデモ隊に発砲する国軍の様子、地方の少数部族に対する空爆も含む攻撃等、とても混乱した情勢である事を理解していた。 しかし、私はこういった情勢で社会的抑圧が日常になった環境下で精神障がいを持つ方々がどう暮らしているのか、そしてそこでright-based approachが行われているのかを知りたいと思っていたので、情勢が悪かろうがミャンマーに行きたいという気持ちに変わりはなかった。 

 しかし、実際にミャンマー国内に入ってみると軍の姿は日常的には見ることはなく、戦後沖縄の写真で見たような街の様子が広がっていた。砂埃の舞う舗装されていない通りに沿って駄菓子屋や金物屋、果物を無造作に積んである店、そしてその店先でベンチで横になってウチワであおぎながら談笑する人たち。 その様子は訪問者として見ると経済的には厳しいだろうが、穏やかでゆっくり生活しているように見え、とても苦しそうという感じではなかった。 街には時々不自然に高級でラグジュアリーな建物や大きな屋敷が突然現れることもあり、経済的な格差はそういう所で感じることができた。 地方では貧しい地域が多く、国境近くでは麻薬の製造で有名な地域、そして長く国軍と戦っている地域があり、国内でも様々な苦しみが深く強く残っていることは理解できた。

 ミャンマーでは多くの国民が内戦や貧困、犯罪等でトラウマを負っていると聞いた。マイドフルネスは仏教の教えの中で根付いており、「現在に身を置く」ということは文化的に実践されているらしい。

 医療や福祉だけでなく、この国の全てにおいてトラウマという言葉は抜いてはらない言葉であることを強く感じた。

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