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斜線堂有紀先生、初のSF作品集『回樹』に収録されている物語と相性のいいセブンイレブンのサラダはこれだ!

 これは恋愛小説であり、戦争小説であり、SF小説であり、さらにもっとほかの多くのものでもある。
(中略)
 こうした仮定をおこなったのはすべて、この物語が語るに値するものであり、ほかにはどんな風にして語っても、恋愛小説であり、戦争小説であり、SF小説であり、さらにもっとほかの多くのものでもある──すなわち、わたしがそう望むとおりのかたちのままではなくなってしまうからだ。

『ハローサマー、グッドバイ』作者マイクル・コーニイによる序文より


ブラックコーヒーと鮭おむすびの食べあわせがよろしくないのは感覚で理解できても、芥川龍之介の『羅生門』と焼きたてのメロンパンはどうだろう?
飯野賢治の『ゲーム』とカレーうどんは?
『モチモチの木』とビーフストロガノフは?
意外とイメージできない本と食の相性問題。

先日NASAが発表したのでご存知の方も多いように、斜線堂有紀のSF作品集『回樹』は、まぎれもなく肉である。

表題作の『回樹』にはじまり
『骨刻』『BTTF葬送』『不滅』『奈辺』『回祭』
その全てが肉だと判明した。
そこに野菜の姿はない。
摂取の必要を感じた。
とはいえ、そこらにあるベジタブルを闇雲にかじってしまっては最高の読書体験に水を差すのは明白だろう。
だからといって、一部の高級デパートにしか並んでいないような高額の作物には手が出せないし、足も運べない。
誰にでもどこにいても手に入れやすく、一定の質が保たれている。
求められているのは、そういうもの。
難題に思われたものの、答えは一瞬で出た。
セブンイレブンのサラダである。
国内におよそ2万2千の店舗数(2023年8月現在)を誇り、食品の評判がすこぶる高い。
あとは片っ端からサラダを買って、どのサラダが『回樹』の中にあるどの物語と相性がいいのか、食べ比べ、読み比べればいいだけなのだ。
さっそくはじめてみよう。

フルーツトマトとチーズのカプレーゼ仕立て

『回樹』★★★
『骨刻』★★★
『BTTF葬送』★★★
『不滅』★★★
『奈辺』★★★
『回祭』★★★

出し惜しみはしない。
結局どれが一番いいんだ? と結論だけ知りたいあなたに朗報。
この『フルーツトマトとチーズのカプレーゼ仕立て』が最良の選択だ。
斜線堂有紀の『回樹』には人々が小説に求めるものの全てが入っているとするなら『フルーツトマトとチーズのカプレーゼ仕立て』には人々がサラダに求めるものの全てが入っているといえる。
すなわち、体に良さそうで、見た目も良く、味の良いものである。
文字通りフルーツのようなミニトマトとクリームチーズの相乗効果は口に入れた瞬間、小さな感動を呼び起こすほどのものでありながら、物語の邪魔をすることなく、それどころか読書への没入感を深めてくれる。
どの物語のどのタイミングで食べはじめても問題ない。
トマトとチーズによほどのうらみでもない限り、最適解なのは間違いない。
ところで、このサラダには、人々がサラダに求めるものの全て(健康そう、見栄えがする、美味しい)が入っているといった。
そして斜線堂有紀の『回樹』には人々が小説に求めるものの全てが入っているともいった。
人々が小説に求めるもの、それすなわち、洗練された文章で紡がれた未知の物語を味わう新鮮な読書体験である。
それは『回樹ここ』にある。

蒸し鶏と胡麻のさっぱり春雨サラダ

『回樹』★
『骨刻』★★★★
『BTTF葬送』★
『不滅』★★
『奈辺』★
『回祭』★

写真で見てわかるように、それなりにデカい鶏肉が鎮座している。
写真ではわからないけれど、同じくらいデカい鶏肉が奥にもひそんでいた。
『回樹』に収録されているエピソードたちはそのどれもが圧倒的な肉であるがゆえに、この肉主体のサラダとは相性がよろしくなかった。
唯一の例外が『骨刻』だ。
骨に文字を刻む技術『骨刻』が発展した世界で展開される儚くも歪で誰かの祈りにも似た物語の読後感は独特で、胸がつまる読者も少なくないだろう。
食事がのどを通らない時間がつづくかもしれない。
食事量の低下は、たんぱく質不足に直結する。
たんぱく質の不足はお肌にシミやシワの原因を作り、髪のトラブルを誘発し、筋肉がつきにくくなった結果、基礎代謝が落ちて太りやすくなる。
つまり人生の質が低下してしまう。
なんとしても補充しなければならない。
そんなとき、圧倒的たんぱく質を誇るこの一皿が力になってくれるはずだ。

そうした「自分の今抱えている思いを永遠にしたい」という願いが、骨に名前を刻ませたのだろう。

『骨刻』より

たことブロッコリーバジルサラダ

『回樹』★★
『骨刻』★★
『BTTF葬送』★★★★★
『不滅』★★
『奈辺』★★
『回祭』★★

正直な話をしよう。
私は自分のことを『この世界で誰よりもおもしろい物語を書ける人間』であるとわりと本気で信じている。
承認欲求や自尊心だって、そんじょそこらのアーティスト様より東京ドーム一杯ぶんくらい多い気がする。
まだ何者にもなれていないし、この間また新人賞に落選したばかりだというのに、どこからこの感覚が発生しているのかわからない。
そんな自己評価がグラブジャムンより甘い私でもときどき、どうしようもなく敗北を覚える作品と遭遇してしまうことがある。
『BTTF葬送』がそれだ。
優れた映画には文字通り魂が入っていることが判明した世界。
魂の入った名作を葬送することで次なる名作に輪廻転生させるプロジェクトが発案された。

ちょっと待ってほしい、面白すぎじゃないだろうか。
初読の際、私は打ちのめされていた。
流行りの言葉でいうと、理解わからせられてしまった。
こいつは自分よりずっと上にいると。
新人賞に投稿した後にもらえる評価シートにはいつも例外なく以下のようなことが記入されていた。
『文章力が高く、オリジナリティーのある物語が書けている』と。
文章力が高くてオリジナリティーのあるものを求められている賞に投稿して期待されているであろう作品を提供できているのに、なぜに賞をいただけないのか疑問だった。
それはもしかして、こういうことなのかもしれない。
最近、このよう企画が開催された。

百合小説コンテスト。
審査員に斜線堂有紀先生の名前。
なんと自分の書いた話を合法的に斜線堂有紀先生の網膜に映すことが許されているのだ。
私はさっそく話を一本、書き上げた。
Blu-ray(♀)とDVD(♀)の規格をこえた恋の物語。
「Blu-rayちゃんのお肌、きめ細かくて綺麗……やっぱり解像度が200万画素だとこんなに違うのね。私なんてたったの35万画素だし、嫉妬しちゃうな」
「そんなことありません! DVD先輩は全国のお家にあるけど私なんて世間で思われてるほど普及してなくて、実はニッチなメディアなんですよ!」
「Blu-rayちゃん……」
「DVDせんぱい……」

というやつを書いたものの、書き上げてからふと我に返ってみて、はたしてこれは百合なのか? と疑問が浮かぶ。
例えばこれを新人賞に出したらどういう評価が返ってくるだろうか。
私は自分の文章力がどの程度なのかわからないけれど、それについてはいつも高評価なので、まあそれなりなのだろう。
問題は中身だ。
百合小説を送ってこいと書いてあるのにBlu-rayとDVDのいちゃいちゃを届けられた側はどう反応すればいい?
それについて評価シートを書かなければならないのなら、こう書くしかないのではないのではないだろうか。
『文章力が高く、オリジナリティーのある物語が書けている』と。
そう。
私は独りよがりで自分勝手なものを送りつけていたにすぎないのだ。
それでも認められるほどの深さと説得力は持ちあわせていなかった。
つまり圧倒的に『BTTF葬送』と斜線堂有紀が足りていないのだ。
『BTTF葬送』を読んだとき、自分ならどう書く? と、二週間くらいSF短編のプロットを練っていたけれど、結局答えは出てきてくれなかった。
この敗北感は『たことブロッコリーバジルサラダ』に似ている。
なんで混ぜようと思った?
タコとブロッコリーを。
どこかの海ではブロッコリーをくわえたタコが大量に発生していたとでもいうのだろうか。
重要なのはこの『たことブロッコリーバジルサラダ』が抜群に美味いという事実である。
自分では間違っても思いつかないようなアイデアで構成されたこの一品は、すこぶる絶品なのだ。
この全面降伏のような美味は、是非とも『BTTF葬送』と共に目と舌で味わってほしい。
なお、私に強烈な敗北を味わわせてくれた斜線堂有紀先生には敬意を込めて図書カードを進呈したいので、見かけたら声をかけてください。
マクドナルドで月見バーガーと塩抜きのポテトを注文しているリッチモンド・ヴァレンタインと同じタイプの腕時計をしているやつがいたら、たぶん私です。
ちなみに件の百合小説コンテストに実際に送ったお話はこちら。

(追記。結果発表)
↑のやつとは別にもう一本応募していたのですが、そっちが最終選考まで残って、みかみてれん先生と斜線堂有紀先生からコメントをいただきました。
ありがたや、ありがたや。

『根菜たっぷりおからのサラダ』

『回樹』★
『骨刻』★★
『BTTF葬送』★
『不滅』★
『奈辺』★★★★★
『回祭』★

「もう沢山だわ。この状況で今更白人と黒人の区別をする必要がある?  だって、肌が緑の人がいるのよ? 私も気を失いそう!」

『奈辺』より

斜線堂有紀は上手い作家である。
その上手さは実に多角的で、ゆたかだ。
『奈辺』で描かれているのは1741年のニューヨーク。
そこにはまだ奴隷制度があり、白人は黒人をさげすみ、黒人は白人を憎み、宇宙人の肌の色は緑だった。
斜線堂有紀は我々を読者にはしない。
目撃者としてその世界に参加させるのだ。
だれも見たことないはずの1741年、ニューヨーク。ページを開けばなぜかそこにある。
『奈辺』を辞書で引くと【遠い場所】【よくわからない場所】【あの場所】とある。
さてさて、私たちは今、どの辺りにいるのだろう?
シニカルでユニークな会話劇の側面も持つこの物語にはあえて『根菜たっぷりおからのサラダ』の和の心で挑むのが乙というものではないだろうか。
斜線堂有紀は上手いし、このサラダは美味い。

ところで私はエスパーではないけれど、みなさんが今考えていることは理解しているつもりだ。
きっとあなたは今、こう思っているのでは?
斜線堂有紀の『回樹』にサラダが必要なことくらい小学生でもわかる。
でも知りたいのは物語と相性のいいサラダだけじゃない。
大切なことがもう一つあるだろ?
もしかして理解してないのか?
もちろんそんなことはない。
これから、それについての検証をさせていただく。
斜線堂有紀の『回樹』には二つのことが求められている。
どんなサラダが合うのか?
もう一つ。
表紙のイラストで、どれだけ白米が食べられるのか?

はい、というわけでやってまいりました。
ご飯といえば、ここ。
やよい軒さんですね。
『回樹』のイラストを担当されているのは、みなさんご存知のとおり、宇佐崎しろ先生です。
国内有数の白米が進むイラストを描かれることで有名です。
幸運なことに今回都内にある宇佐崎しろのイラストでご飯たくさん食べる部の強豪校にご協力いただけることになったので、どれくらいのお米が胃袋に旅立つ光景を目にすることができるのかわくわくしています。

一応レギュレーションの確認をさせていただきますと、やよい軒さんではおかわりできるご飯の量を50グラムから200グラムまで選択できるのですが、公式ルールに則り200グラム一択となります。
そして、やよい軒さんルールとして忘れてはいけないのは最初に店内の定食を注文してそれを完食してからのスタートとなります。

それでは結果を見てみましょう。
ベスト3の発表です。

まず第3位、16杯。
3.2キロのご飯を胃袋におさめたのは、宇佐崎しろのイラストでご飯たくさん食べる部でレギュラーに昇格したばかりの男子、昨日16歳になったばかり。年の数だけおかわりできました。

つづきまして第2位、30杯。
6キログラム。ポケモンに照らし合わせるとピカチュウと同じ重さを平らげたのは副部長の男子。これで2位だと1位はどんなバケモンだ?

そして第1位、2杯。
400グラム。どんぶりだと一杯分です。
ちなみにワースト1位ではありません。
上から数えての1位、トップです。
何かのミスや不正ではありません。
今回1位に輝いたのは普段、宇佐崎しろのイラストでご飯たくさん食べる部のマネージャーをしている一年生の女子です。
これまで小さなお茶碗一杯食べるのが精一杯だった彼女にとって、はじめてのおかわりでした。
宇佐崎しろ先生のイラストを見ていると、空腹が押し寄せ、箸がとまらなくなったといいます。
宇佐崎しろ先生のイラストのおかげで自分の殻を破ることができた。
部員たちはそこに涙したのです。
栄光の、文句なしの1位です。

余談ですが、やよい軒さんのご飯ってむちゃくちゃおいしいですね。
ご飯おかずにご飯食べられるレベルです。

それから1位になったマネージャーの少女から『回樹』のとあるエピソードと相性のいいサラダを見つけたので語らせてほしいと連絡をもらったので、紹介したいと思います。

『コールスローサラダ』

『不滅』★★★★★

物語の中に自分との共通点を見つけた瞬間、その物語にどこか特別なものを感じるようになった──そんな経験はありませんか?
例えば主人公と名前や誕生日が同じだったとか、音楽の趣味が一緒だとか、そういうのです。
斜線堂有紀先生の作品集『回樹』には『不滅』というエピソードが収録されています。なんだか力強いタイトルですよね。
だけどそこで書かれている世界は、恐ろしくて、残酷で、グロテスクでさえありました。
『不滅』は人の死体が腐らなくなってしまった世界の物語です。
私自身はまだ身近な人の死を経験したことなくて、死についてはよくわかりません。
だから死体が腐らないこと、それがどういうことになるのかイメージできなかったのですが、死体が腐らないと世界にどのような影響が及ぼされるのかは物語の序盤でしっかりと描写されていました。
『不滅』は様々な人々の視点を通してストーリーを追う形式がとられています。その中の一人に、叶谷仁成かなやひとなりという人物がいます。
その名前を見たとき、私はドキッとしました。
その名前が、父と同じだったからです。
私は写真でしか父を知りません。
父は私が幼いころ失踪してしまったらしく、生死は不明だそうです。
いい人だったそうです。
いなくなった原因はわからなくて、だけど事件性はないそうです。
幼いころの私はどうしてもそこに納得ができなくて、母や祖父母たちにキツくあたったこともありましたが、母たちだってつらいはずなので、父について話すことはなくなりました。
その名前が物語の中とはいえ、突然現れたのです。
偶然に決まっているけれど、叶谷仁成という名前は偶然出てくるものでしょうか?
物語の中で叶谷仁成はテロリストとして登場します。
それを見て私は少し胸が苦しみました。
私の知らないところで、父が犯罪者になってしまっていたように思えたからです。
もちろん、私の父と物語に登場する叶谷仁成は名前が同じだけの別人です。
それでも、うまく説明できないけど、物語の中の叶谷仁成に私はどこか父を感じてしまったのです。
物語が進むたび、叶谷仁成の犯行はエスカレートしていきます。だけど、こういうのってここで書いていいのかわからないけど、叶谷仁成は決してただの悪人ではなく、そこには複雑な事情と感情があることがわかってきます。
これは本当にうまくいえないし、ちゃんと伝えられている自信もないけど『不滅』という物語の登場人物である叶谷仁成に私は、まだ一度も会ったことのない、そしておそらく今後も会うことのない気がする私の父と名前以外にも通じるものを感じてしまったのです。
私の父は悪い人ではなかったといいます。
いなくなったことに様々な想像もできない理由があったんだと思います。
それこそ『不滅』の中にいる叶谷仁成と同じように。
それでもやっぱり私は父と会いたかったし、お話だってしたいです。
そういう思いはずっとあって、だけどずっと隠していて、私の中にはずっとモヤモヤしたものがありました。
本当に不思議なことだけど『不滅』を読んで『不滅』の中の叶谷仁成の物語にふれたことで、私は少しだけ父と出会えたような気がしました。
少しだけ、自分の感情に決着をつけることができたように思えました。
次の日、学校の昼休みにクラスメイトのひろ子が、私の机の上にそっとサラダを置いてくれました。
意味がわからなくて、ひろ子を見上げると、彼女は「何かいいことがあったでしょ?」といいました。
そういうときはサラダを食べるといいんだよ、ひろ子はそんなことをいいます。相変わらず、彼女の言動は意味不明です。
サラダのフタを開けて箸で一口サラダを口に運ぶと、ふわっと甘くて酸っぱいコールスローの香りが私の内側に広がっていくのがわかります。
おいしい。
物語の出会いと私の過去との決着は、この優しい味と紐づけされました。
私はこの日のことを忘れないでしょう。
なぜだかわからないけど、いつか父と会える日がくるような気がします。
そしていつか、私のこの気持ちをひろ子に伝えられる日がくる。そんな気もしたのです。


『和風ぽてとさらだ』

『回樹』★★★★★
『骨刻』★★
『BTTF葬送』★★
『不滅』★★
『奈辺』★★
『回祭』★★★★★

【誰も思いつけないアイデアと、誰でも思いあたる感情の全6篇】
本作のキャッチコピーである。
ピューリッツアー賞にキャッチコピー部門があれば受賞すべき名文句だ。
これまでいくつものサラダと物語を味わってきたが、個人的に最も驚かされたのは、この『和風ぽてとさらだ』だ。
無作為に1000人集めれば1人くらい人を殺した経験を持つ者もいるかもしれない。だがおそらくその1000人の中にポテトサラダを食べたことのない者はいないだろう。
ポテトサラダはありふれているし、和風という味付けも想像がつきやすい。
和風のポテトサラダとは、実に容易い方程式に思えた。
ところがだ、口に入れた途端、想像にない衝撃があった。
確かに和風、確かにポテトサラダ、そこに微塵も嘘はない。
想像を超えてきたのは、質。
和風、ポテトサラダ、その可能性はまだまだこんなに広がりを見せてくれるものだったのか。
それは我々が斜線堂有紀の初のSF作品集『回樹』に感じたものと全く同じものだと気づく。
おいしいサラダを味わうと、人には二つの感情があらわれるという。
ずっと味わいたいと、ゆっくり手を動かす者。
もっと味わいたいと、腕がとまらなくなる者。
あなたはどちらだろう?
『回樹』の中にある物語の一つ一つとじっくり向きあう?
それとも何度も何度も読み返す?
どちらも正解だ。



今週の斜線堂クッキング


教えてもらってばかりでは申し訳ないので、江戸時代から我が家に代々伝わる『無敵蕎麦むてきそば』の作り方を紹介したいと思います。
・用意するもの
 カップそば
 温泉卵
 ネギ
 ふえる系のわかめ

わかめ以外は全部入れて普通に作ります。

完成。
これで今日からあなたも無敵です。

一・五問題について。

『回樹』を楽しまれている数名の方から、いわゆる1.5問題についての対処法があれば教えてほしいとメッセージをもらったので自分なりの解決策をお伝えできればなと思いこれを書いています。
1.5問題とはいわずと知れた、北欧の大学が10代から90代のあらゆる性別、人種を対象に行った研究によって明かされた、斜線堂有紀先生の『回樹』を一気読みすると体重がおよそ1.5キログラム減少してしまう現象のことです。
できるだけ簡単に失った1.5キログラムを戻すのに理想的な食べものは何かということについては専門家でも意見が割れているのですが、個人的にはこちらが最適だと思います。

二郎系ラーメンですね。
こちらはラーメン豚山さんの『小ぶたダブル、麺かため、ニンニク、ヤサイマシマシ、カラメ』です。
公式情報を引用すると、麺(茹であと約500グラム)野菜(約600グラム)で、さらにスープとチャーシューをあわせることで約1.5キログラムになる計算です。
二郎系ラーメンって健康はどうなの? と気にされる方も当然いらっしゃるでしょうけれど私は上記の無敵蕎麦と二郎系ラーメンを週一ペースで食べていますが、健康診断はオールAなので二郎系は健康食品といえるでしょう。
定期的に献血も通ってますし、献血後に送られてくる自分の血液のパラメーターみたいなやつも、すべて『ここがベストです』ってポイントにチェックが入ってます。血液だけなら勇者。
これが世界が求めるオタクの血液ってやつか。
赤十字さん、オタクの血を絞ることに余念がないですからね。
この夏はスパイ教室のグッズがもらえますぜ? どうですダンナ? などと定期的にメールもきます。
赤十字社さん、わかってらっしゃる。
私なんてもう血が綺麗なことくらいしか自慢できるものがないですからね。
街を楽しそうに歩く顔も性格も良さそうなカップルを見ては、だけどお前らって石油で作ったねるねるねるねみたいにドロドロの血液してるんだろ? モンスターじゃんwって鼻で笑うのをライフワークにしています。
顔も性格もクズだけど体内にそこそこレアな素材を宿しているこっちのほうがどちらかといえばモンスターなんですけど、今はそういう話はしていないので。
さあ、あなたも『回樹』を読んでラーメン食べて健康になろう!






番外編 たまごサラダ

女子「せんせー、たまごコッペパンくんが、またサラダのフリしてまーす」
男子「おいおい、たまごコッペパンよお、お前そうやって、サラダトイレやサラダ更衣室に入るつもりだろ? どスケベだな」
たまごサラダ(自称)「ち、ちがうよ、僕は生まれたときからたまごサラダだっていわれて育ってきたし、ちゃんと名札にも、たまごサラダって……」
女子「……」
男子「……」
たまごサラダ(自称)「し、信じてよー!」

ツナサラダ

ツナサラダ(自称)「グバアアアアアアア!」
戦士「ぐ、ダメだ……まったく歯が立たない……」
僧侶「まさか、こんなことになるなんて……」
賢者「お願い! 目を覚まして! 本当のあなたはこんなことをする人じゃない! 本当のあなたはツナコッペパンなのよ!」
魔王「フハハハハ! 何をいってもそやつの耳には届かぬわ。そやつは自分のことをツナサラダと思い込んでおるのじゃ!」
ツナサラダ(自称)「グバアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

ツナと玉子のサラダ

つまりセブンイレブンさん的にはこういうことなのでしょうか?


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