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静岡原木初市に行ってきました。

昨日は日帰りで静岡県の原木初市と養蜂場を訪ねました。

昨年11月に初めて訪れた際に、うちは杉のお店でもあることをお話ししたところぜひ初市にいらっしゃいとお誘いいただいておりました。

行きたいけれどどうしようかな…迷いつつ廣瀬さんにそのお話をすると「行っていいですか?」と前のめりの参加表明をいただき、もうこれで行かざるを得ないというか、こういう時に背中を押してもらえるのは有難いものです。

予定時間ぴったりに到着。今回の訪問は渥美さんにご案内いただきました。前回の大澤さんの養蜂仲間で、もと製材機械の営業をされながら引退後は自身で作業場を構え(製材機械を何台も揃え広々とした作業場は本職レベル)、気に入った材木を仕入れて工作をしたり、日本ミツバチの養蜂もされています。84歳ながらパワフルな方です。

製材時代のご縁の方で大石さんという方と合流していよいよ市場に向かう。大石さんのお宅は立派な外壁も玄関も倉庫も立派な木造。そしてとにかく柾目を使う。通常ではあり得ない幅の広い立派な材を天井板に使っていたり、それらを熱意を込めて語られる。面白い。奥深い世界。そして現代ではそういった材で家を建てることはない。コストと工期を短縮しだいたい30年くらいでガタのくる家を建てる。それが終の住処と言えるだろうか。

そしてまた、大多数の家がそうして建てられることで行き場を失った材木たち。その現状をガップリと目撃した。

到着してまず驚くのが丸太の数。どんだけ〜!



見渡す限り積まれた巨木たち。樹齢200年300年の杉や檜たち。

初市は競りではなく入札形式で最高値をつけた人が購入する。これだけある原木はほとんどが買われてゆくのだとか。産地は静岡の天龍地区だけではなく、遠くは九州からも来ていて、だからこそこの物量であった。うちは杉のお店なので、樹齢が200年クラスのめぼしい杉丸太を撮影しておいた。間もなく始まる入札の価格を照らし合わせるためだ。

入札会場では我々は入札の権利は持たない単なる観光客みたいな立場だったが、大石さん渥美さんにおいでおいでと会場に上がり込み、割と最近建てられた市場の建物をしげしげと眺めた。詳しい渥美さんに使用されている材の説明を受ける。ついでにお弁当までいただく。そして係の方にお誘いいただきくじまで引かせていただいて2等を当ててしまう。初市でくじを当ててなんだか今年は良い一年になる気がする。

入札はさくさくと発表され、我々がチェックした杉の原木たちは割と早い番号なので、入札価格の発表を聞いてから市場を後にする段取りとした。

杉丸太たちはおおよそ想定の価格で買われ、その価格に驚いた。200年とか何代に渡り管理されてきたというのだろう。それがこれではほんとうに杉やヒノキの価値は低く、山を管理する人たちの収入は絶望的だ。ウッドショックとかで価格が上がるようなことが言われていたことがあるが、その気配はない。

つまりこれは、杉や檜がそもそもなんのために戦後に植えられたのか。それは家を建てるため。材木として活用するためだったが、先ほどの住宅事情の話に戻るが現代の住まいは木造であってもパネルなどの合板とか外国からの材木の方が狂いや割れが少ないとかで国産の木材は使われなくなった。

使い道のないまま立派な杉や檜たちが安値で買われてゆく。これは大手住宅メーカーで家を建てるということが常識となっている以上、流れは変わりそうにない。

日本の木を生かすための建築法として伝統工法があるが、建築基準法はそれを許さない方へ舵を切ってしまった。合言葉はあれだ。安心安全!「安心」と「安全」にはそれぞれちゃんと意味があるのにその二つを繋げるとまた違った意味を持つようですらある。そんな皮肉を書いてしまうが、この問題は用意周到に資本主義の発展とともに日本全体の価値観を一掃してしまっている。

そんなことを渥美さんや大石さんともお話しさせていただいた。我々の世代でいくらか価値観をシフトすることができ得るだろうか。大変気が重い…

実際にこの辺りから頭痛がしてきたのは、早朝からのノンストップで集中して過ごしてややオーバーヒート気味になってしまったのだろう苦笑

市場を後にして大石さんと別れ(ありがとうございました!)渥美さんの養蜂地を見学。蜂の習性や、群れの勢いとかさまざまなことを教えていただく。



そして渥美さんの工場に戻り様々なお話を伺った。日が暮れるまで…

全体的にやはり社会や制度の問題について話した時間が多かったように思う。思うけれどもそれは規模が大きくて、個人で直接どうにかできることとは思えない。それを個人で行えることから少しずつ積み上げてゆくと、やがて大きな変化のきっかけくらいにはなるのかも知れない。

朝4時起きで走り続けてもはやクタクタだが、帰らないといけない。途切れそうな集中力を高めて車で東京へ出発した。行きも帰りも運転するのは廣瀬さんで、ありがたいやら申し訳ないやら笑

いつの間にか体力も無くなっているのかも知れないなあ。それを織り込んでスケジュールを立てねばいかんなと反省しました…

11月に来た時に大澤さんに、対馬式の養蜂で使う丸太の巣箱をあげるよと言われていて、今回車に積んで持ち帰った。お店のディスプレイに使うと良いとアドバイスいただいていた笑

対馬式の養蜂とは、日本のミツバチの原生種である日本ミツバチが一度絶滅しかけて、最後に残ったのが対馬だったらしい。そこで伝統的に行われている養蜂を大澤さんは学び、この丸太は蜂洞(はちどう)と言うが、この丸太の中に蜜蜂が巣を作る。なお、大澤さんは今はこの蜂洞はあまり使っていないそう。

この蜂洞を置く場所が陽の良く当たる場所になると言っていたら、大澤さんは蜂洞にたっぷりミツロウ を塗っておいてくれたそう。ほんとうにいつもたっぷりと配慮して親切にしてくださる。感謝しても仕切れないと思う。



今回の日帰りの旅で改めて思うのは、東京で感じる行きすぎた資本主義の弊害は、地方ではよりダイレクトに感じる部分があった。それは例えば建設業界で言うと、原木が集まる場所は業界の流れの中で上流にあたり、源流に近いからだろう。

関わる方々の年齢層とかもそうだし、もう問題点を絞り切ることができないほどに危機感を感じてきた。そのことをひとつひとつ言葉にして書き残すことは、誤解や矛盾を産みそうなのであえて全体的な書き方をしておくことにします。

ここで何を感じて、これからどうするのかは言葉でいま発信することではなくて、適材適所やタイミングやいろんな要素を同時にやりくりしながら結果として明らかな変化なり足跡を残して、そのことで示さないと、これだけ一方的にお世話になりっぱなしの僕は、そのことくらいでしか恩返しができそうにない。

いつでもみんなに感謝して、生かされていると思っています。

がんばりますよっ!

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