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尻の穴/高見順

高見順が好きっ!


え?誰?って思うよねぇ。
どうも、文学中毒です。

たぶん、この詩は知ってる人多いよね。
私は小学生の頃から国語の教科書を貰った当日に読み漁り、好きだったお話を丸暗記して、未だ暗唱できます♡

われは草なり 伸びんとす
伸びられるとき 伸びんとす
伸びられぬ日は 伸びぬなり
伸びられる日は 伸びるなり
われは草なり 緑なり
全身すべて 緑なり
毎年かはらず 緑なり
緑のおのれに あきぬなり
われは草なり 緑なり
緑の深きを 願ふなり
ああ 生きる日の 美しき
ああ 生きる日の 楽しさよ
われは草なり 生きんとす
草のいのちを 生きんとす

「われは草なり」高見順

一転して、「尻の穴」って!!
このタイトルどうなの?とか言わないよー!!

はい、講談社文芸文庫にちゃーんとございますっ!!
なんと解説は荒川洋治さんですよ。
近代文学館の繋がりでしょうね。

さて、本筋です。
舞台は戦後の日本と、満洲国時代のハルビン。
ハルピン?どっちかなw
ハルビンぽいから、ハルビンでいきますw

ハルビン(哈爾浜)とか、チチハル(斉斉哈爾)とか、「ああ、女真族らしい名前だー!」と思ってしまう。
マンチュリアもいいけど、満殊も良いわねー。
今は「東北部」って呼ぶのが正式らしい。

東京からハルビンへの回想の導入が、美しいのよ。

ハルビンの阿片窟のお話がメインなんだけど、「壮絶な環境、奈落の底の生活でも、人はなかなか死なない」ということ、「正しく生きる事ために自分に絶望する人」がいて、「更生できない自分に絶望して死ぬしか無いという選択をしたんじゃないかと思われる人」が描かれている。

開拓移民の裏側、人殺し局と呼ばれる開拓局、東洋鬼子と呼ばれる日本人、中国人を助けようとした日本人。
中国人の気質、貧困から共産化した人への差別、まじめにやり直そうとしてもできない阿片中毒者、親が娘を売る、夫が妻を売る、売春しないと自分もろとも生きていけない
、地獄。
それが阿片窟、大観園。

まぁ、中国人や朝鮮人は日本人を恨むよね。
※やり返して当然とは思ってないよ。話をすぐ大きくするし、日本が国際社会で攻撃され、領土を狙われてるのは事実だし。

作中の大観園の底本はこちら。

登場人物の友人のSくんは、この佐藤慎一郎さん。
政府特務機関から派遣されて、微に入り細に入り調べ上げております。
※この本は絶版で、かなりエグいので、もし見つけたら覚悟して読んでね。

阿片中毒者が、拾った汚い紙に、炙ったあとの阿片のヤニを紙になすくりつけて、肛門から経皮吸収…。
それがタイトル、「尻の穴」

見つけたら、読んでみてね。
高見順、面白いから。



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