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昭和のgifted - 20 ヒーローになれなくて

前回のお話しはこちら


前々回、えめさんにアンサーを書いたときコメントでアンサー歓迎!といってもらったのでちょっと気になっていたこちらの記事を読んで思うところも書いてみくなった。

でも、ちょっと、いやわりとONE PIECEディスにもなりかねない感想がでてきちゃいそうだから書いて大丈夫かな…という気持ちもありながら意を決してみた。

ONE PIECE好きなみなさん、ワノ国編辺りで離脱してしまって最新までちゃんと読めてない私の突拍子もない感想になりますので読んでいただける場合は意を決して読んでもらえると助かります。
(あくまでギフテッドってこういう感想を持つよの一例です)




ONE PIECE。連載開始の1話が掲載されたジャンプを最後に週刊購入を辞めた。

いわゆるジャンプ黄金期の終了と、JCになった私が週刊少年ジャンプを定期購読してるのはちょっと、ちゃんとレディにならなきゃ、みたいな厨二病とともに一旦卒業したが、私はジャンプっこだった。

今もジャンプっこだ。

ONE PIECEはそれからワノ国編のさわりあたりまで単行本で追っていた。

が、私が病んでいた時期と重なったのもあり読むのが辛くなって読めなくなった。と、いうのと私の中の「本当に面白い漫画は18巻くらいで終わる」という自分勝手なロジックで読み続けるのがしんどくなった。お腹いっぱいになりすぎた。

本当にどうかしてると思うけど私はルフィに嫉妬した。

お前そんなに好き勝手やっててついてきてくれる仲間がいていいよなぁ!!!現実世界でトンチキについてきてくれる仲間なんてできねぇよ!!!

ONE PIECEに限らず、ファンタジー冒険モノ、仲間、友情、パワーを武器に仲間と理解を深めながら物語が進むもの全般において落ちてるときは読んでて辛くなる。

グラブルのエピソードでも落ちてるときにはそりゃそこまで寄り添ってくれるやつらがいたら私だってもうちょっと…と泣いてしまうくらいだ。

私の中でONE PIECEはチョッパーが仲間になるところまでがクライマックスで、それまで仲間が増える度に大号泣してた。

2年後に!!!シャボンディ諸島で!!!

感動的だったけど私自身のことを振り返ったときに過去の約束を守られた経験がなかったからそりゃ各々が約束を胸に再結集することことができたらグランドラインだって超えていけるよ、そんな仲間なんて見つかんないよ…と哀しくなった。笑

ルフィが仲間と決裂しまくって、それでも独りでもONE PIECEを目指す、その中で出逢いと別れを繰り返す。なんだったらもっと素直に読めたかもしれない。
(なんかそういう物語でも書いてみようかな)

2年後、誰1人として戻ってこなくてひとりぼっちになってもルフィは立ち上がれたかな?

漫画だからひとりぼっちでも立ち上がるんだろうけど。

ONE PIECEの世界は私にとっては作り込まれすぎている。

ギフテッドにとっては理解しようとして支えてくれる仲間を見つけること自体が困難で、万が一見つかったとしても支えてくれる仲間は自分とは別物の才能があると一線をかくして対等に接してくれないことが多い。

生い立ちが謎とか複雑な家庭環境という背景があれば「なんか人とは違う」ということに納得できるし、諦めがつく。
そんな生い立ちがあれば周りは気を遣ってくれるし、肯定してくれる。
腑に落ちたら悩むことなく前に進みやすい気もする。
複雑な環境でも信頼にたる兄がいて友達がいて歪まず育ったんだからルフィが迷いなく進めるのは当たり前だ。

そんな人を惹きつける魅力があって努力家で折れないまっすぐな姿勢をつらぬくルフィと、そんなルフィの元に集まった仲間たちの紡ぐ物語は普通の人からすれば夢や希望に溢れているんだろうけど私にはあまりにも夢物語すぎた。
漫画なんだからそういうもんじゃん?と思う人がほとんどだろうけど人が作り出している世界なんだからどこかしらにエンタメとしての面白さか自分と重ねられる部分がないと追い続けることが難しい。

ONE PIECEより私はドラゴンボールの方が好きで、わかりやすかった。

なにやらかしても「悟空はなんか違う」最終的には「悟空はサイヤ人だし」でみんなが見守る側に回ってくれて異質であることを受け入れてもらえていた。

やりたいからやる、そこに大義名分なんてなくて自分の見える範囲の人たちをやりすぎくらいのパワーで守りたいだけの行動原理が自分には重ねやすかった。

「つえぇやつに会ったらワクワクする」

わかる。多分悟空は言語化能力より拳で語るタイプだから同じような感覚で殴り合える人をずっと探していた。私も同じ感覚で語り合える人をずっと探している。近い感覚で話せる人と出会うとすげぇワクワクする。

どっちかが倒れるまでもっと言語で殴り合おうぜ!!!

みたいな気持ちになる。千夜一夜もどんとこい。寝る間も惜しんで禅問答していたい。
ほとんどの場合、みんな先に倒れちゃうから不完全燃焼になることの方が多くて頼むから誰か負かせてくれよ、みたいな気持ちになることもある。

ルフィと悟空、どっちもジャンプを代表する主人公で仲間とともに物語を紡ぐ訳だが、仲間との距離感が全く違う気がする。

ルフィのように対等でいようとしてくれる仲間がいることに憧れもするが、悟空のようにあいつサイヤ人だしっていってもらえた方が楽ではある。

実際友達に「木春はサイヤ人なんだから仕方ないよ。」といわれてめちゃくちゃ楽になったこともあった。

私と他の人の関係性って悟空とクリリンに似ている気がする。ヤムチャやブルマみたいな人もいるし、対等に渡り合えるのはナメック星人とか神様たちしかいない。

他のことでも「山籠りして鍛えまくってる癖に自分のことを普通だと思ってる大猿が人里降りてきて大暴れしてるようなもん」と言われて視界が開けたこともあった。笑

それに比べたら対等に渡り合おうとしてくれるゾロがいて、道標を担ってくれるナミがいて、美味しいご飯を用意してくれるサンジがいて、体調を気遣ってくれるチョッパーがいて、知識を補完してくれるロビンがいて、アイデアをかたちにしてくれるフランキーがいて、音楽を聴かせてくれるブルックがいて、圧倒的に自分とは違うと思いながらも一緒にいる努力をつづけてくれるウソップがいるなんて、

そんなん頑張れるに決まってんじゃん!!!

私にとってONE PIECEは綺麗すぎる。
綺麗すぎるから物語として完成してるのかもしれないけれど、素直に読めない私がいる。

尾田先生の流れが見えた上でそのままゴールに向かって進む様も、「いいこと思いついた!」と脱線&膨張を繰り返す私からすればなんとなく窮屈さを感じてしまうのだ。

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