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あいみょんの凄さと安っぽさ。

あいみょんって何がえぇの?
街やテレビで流れてくる彼女の音楽をただ耳で感じながらいつも思ってた。

フォークギターを習いたての女の子が、コードを10個前後覚えたくらいのスキルで作ったようなメロディー。
耳障りは良い。伝統芸能のような心地よさだ。

ただ寂しくもなった。
こんな曲が日本ではまだ人気なのか。。。

そんな事を思いながら聞こえてきた歌詞に驚いた

「君はロックなんか聴かないと思いながら、
 少しでも僕に近づいてほしくて」

ん?ん?ん!?
僕!?

電撃が走った。これが彼女との出会い。

どうもお騒がせしてます。
拗らせゲイの金柑です。

あいみょんの凄さはメロディーではない歌詞だ。
なんて事を言うと今更だし事実、友達から何度も彼女は歌詞が良いんだよとおススメされてきた。

ただおススメされる度に聞かされてきた歌というのが、
「死ね~~~!!!!」
とか言ってる歌。ほんとつまらない。

そんな歌詞なら小学生でもかけるし、女性シンガーが「うんこ」という歌詞を入れてるくらいどうでも良い。ビックリもない。安っぽい。

だから正直敬遠してたまである。
引きのある歌詞を使って、超ド級に聞き慣れた民謡レベルのメロディーをはめてチープな客を集めてる。とまで思ってた。

ただ、
『君はロックを聴かない』
を聞いて本当にびっくりした。

これを女性が詩を書き歌ってるのか。

歌の内容は
 思春期の男の子が好きな女の子を家に招き、
 自分の好きなロックを聴かせて
 彼女により僕を知って欲しい、
 あわよくば君も僕と同じようにロックを好きになって欲しい。
そんな恋の歌。

そして俺が驚いたのはこの一節
「君はロックなんか聴かないと思いながら、
 少しでも"僕"に近づいてほしくて」

俺なら書けないこんな歌詞。俺なら絶対に
「君はロックなんか聴かないと思いながら、
 少しでも"君"に近づいてほしくて」
と書いてしまう。

主語を変える事でこれほどまでにインパクトが変わるのかと思った。
「僕に近づいて欲しくて」と「君に近づいて欲しくて」

思春期でワガママな男の子の歌だと考えればどちらがより的を得てるかは明々白々。俺は白旗を上げた。

最新曲の「裸の心」
でもあいみょんのセンスは光ってる。

「優しくなれたよ少しね
 強くもなれたみたい」

全然上手くいかない恋愛。
何度も心折れそうになってもまた誰かを好きになって、
いつかこの恋が実りますようにと新たな恋を願う歌。

「優しくなれたよ少しね」だけだったら希望。
ただあいみょんの凄さは次の歌詞
「強くもなれたいみたい」

何度も失敗を繰り返して反省をして私は優しくなれたよ。
だから愛してもらえるのかな。
何度も失敗を繰り返して反省をして私は強くもなれたよ。
だから一人でも大丈夫なのかな。耐えられちゃうのかな。

この一節が入るだけで希望だけの歌じゃなく悲壮感がグッと出る。
恋愛の難しさを表現するのにこれほど的確な対比があっただろうか。

あいみょんのメロディーは正直つまらない。
ただそのつまらないメロディーにあいみょんにしか紡げない言葉が乗って、
誰もいない大空を羽ばたいてる。
https://www.youtube.com/watch?v=yOAwvRmVIyo


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