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「2人が考える『強さ』と望む世界。そして次のMリーガーに入ってほしいのは、連盟の〇〇と協会女性なら〇〇」仲林圭・松本吉弘対談スペシャル企画(2)

近代麻雀note・Mリーガー対談スペシャル企画、仲林圭×松本吉弘(2)。仲林圭(U-NEXT Pirates)の雀王戴冠を解説者として見届けた松本吉弘(渋谷ABEMAS)。栄冠を勝ち取った仲林を見て、松本の胸の内にも湧き上がるものがあったという。共に団体屈指の強者でありMリーグでも活躍する2人にとって、『強さ』を示すものとは。そして、2人が考える、新たなMリーガーとしてふさわしい人材は。(全3回の2回目/#1、#3へ)
[文・東川亮]


■雀王を獲ってからがスタート

――仲林さんはA1何年目で、何回目の決定戦で雀王になられたんですか?
 
仲林 何年目かは覚えてないんですけど、4回目の挑戦ですね。

松本 たぶん、9年か10年ぐらいだと思います。僕が入ったときはまだ仲林さんがA2で、すぐ上がったと思うので。

仲林 毎回最終日まではいいポジションにつけているんですけど、最終日に差し切れず、みたいなことが続いていました。今回もまた「堀さん強いな」みたいな感じでやられるんだなって思っていましたけど、本当にツイていて、まくることができました。

――最後は仲林さんと堀さんがマッチレースのような展開になりました。松本さんとしても、見ていてグッとくるものがあったのでは。
 
松本 グッとくるものありましたし、僕はその日の解説をしていたんですけど、2人とも仲が良くて嘘偽りなく話せるので「今日、仲林さん勝つと思うんだよね」って2人に言っていました。

仲林 言ってたねー。

松本 最終日が始まる前に「仲林さんが勝ちそうな雰囲気がするんだよね」って。僕は麻雀において、勝つ時期ってあると思っているんです。魚谷(侑未)さんがめちゃくちゃ勝ちまくっていた時期があったみたいに、強い上でめちゃくちゃラッシュが来る、みたいな。僕は今、仲林さんにラッシュが来ていると思っていました。

 このラッシュって、めちゃくちゃ大事なんですよ。「あいつ強えな、どこでも勝つな」みたいに、プロはもちろん見ている一般の人にも「強い」っていうのが分かりやすく伝わるので。仲林さんはこれで最近、客観的に見ても麻雀ファンの間でそのポジションを獲得したと思います。

 あと、獲っていない僕がいうのもおこがましいかもしれないですけど、今は「雀王を獲ってからがスタート」という印象があります。協会員である僕らの目標とする地点ではあるんですけど、今一番上にいる人たちってみんな雀王を獲っているので、その意味で言えば、僕はまだスタートラインにも立てていないな、と。

仲林 わかる。獲ってからがスタートっていうのは本当にあります。男性でMリーガーに選ばれている人達って、ほとんどがタイトルを獲ったことがあるじゃないですか。タイトルを獲ることで箔がついて、そこからどう活躍していくかっていうのがすごく大事だと、今は思います。

松本 正直、Mリーグに協会から選出されている4人の中で僕だけが雀王になっていない、しかも他に雀王経験者がいるのに、という部分では後ろめたさがあります。てっぺんを獲った自負を持ってあそこにいたい、という気持ちはありますよね。僕は元々若手枠みたいな扱いで、若いから選ばれた、という人もやっぱりいますし、そりゃあ悔しいですよ。
 

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