SLN第三弾『noiz』について。

セルフライナーノーツも3回目である。今回は2stアルバム『noiz』について、解説しようと思う。

noizの構成は、1つのノイズが6分間流れ続けるのを、10トラック繋げる、というもので、そのためアルバムを通した再生時間は60分となっている。そのため、このアルバムを、時間を図るタイマー代わりに使用していただいて構わない。

ノイズミュージックで、私がよく聴いているものは、ノイズが、リズムトラックのようになっているものや、時間が経つにつれアナログ的な変化が音に発生するものだ。だから、そのどれにも該当しないものを作ろうと考えた。また、ノイズと一言にいっても、さらにはいくつもの音を重ねてノイズを作るといっても、それには無限大のレパートリーがある。その中の一部になるだろうものを、展覧会で同じような絵がずらりと並ぶような感覚で並べて繋げていこうと、そう考えてこのアルバムは制作された。ここからは、大雑把な制作方法を書いていこうと思う。

【「noiz1」について】
アナログシンセサイザーを1台用意し、それのノイズジェネレータとフィルタでノイズを作り出す。そしてそれをパソコンに録音し、そのあと別のノイズを作って、先に録音したノイズに重ねて録音する。それを繰り返した。

【「noiz2」「noiz3」について】
これはパソコンのプリセットシンセサイザーを10トラック分用意し、ノイズジェネレータとフィルターをそれぞれで設定して制作した。するとその場でどんなノイズが出来ているかがモニターできるので、偶然こうなった、という事はない。

【「noiz4」について】
これはミキサーにシンセサイザーと、何本ものケーブルと、ラジオを繋げて、それらのそれぞれのノイズを、一気に録音して製作した。

【「noiz5」について】
これの製作方法は基本的にnoiz4と同じだが、それをカセットテープに録音し、再録音したものを使用している。

【「noiz6」「noiz7」について】
これらは二つのアナログシンセサイザーのノイズジェネレータを同時に録音したものを、五つ六つ重ねて、ノイズを制作している。どこかnoiz1を彷彿とさせるが、それに比べて、耳さわりは優しい。

【「noiz8」について】
これはnoiz2.3と同様に、パソコンのみで制作した。しかし、フィルタは使用せず、ノイズのカラーを微妙に、等間隔に変えたものを重ねたものを使用しているので、アルバムの中で最も耳障りが強い。

【「noiz9」について】
制作方法はnoiz6.7と同様であるが、フィルタを使用して、パイプに空気を通したかのような音を多く作った。

【「noiz10」について】
これはここまでに制作した9つのノイズに、それぞれ違うエフェクターを使い、制作したものである。そのため、ビットクラッシャーやオーバードライブのような、癖の強いゆがんだ音が特徴である。

(次回に続く)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?