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再生工事のはじまり その1

解体工事と片づけが終わったら、いよいよ再生工事が始まります。
予算がふんだんにあるわけでもなく、また住居として使うわけでもないので、最低限の修繕工事にとどめます。やってもらった大工工事は、以下の通りです。

① トイレの新設工事
② 解体納屋と屋根を共有していた箇所の修繕工事
③ 雨漏り部分の修繕工事
④ 外壁の一部新設工事
⑤ 解体後外壁扱いとなる土壁への化粧工事

トイレの新設工事

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この家が築何年経っているのか記録は残っていませんが、おおむね江戸時代後期ではないかと想像しています。
当たり前のように既存のトイレは水洗ではなく、母屋の屋外に設置されていました。納屋を解体をした際に、納屋の付属建築物であったトイレも同時に解体をしたので、母屋内にトイレを作らなければなりません。

解体前の荷物整理で色々処分したお陰で、比較的奥行も天井高もあるスペースを空にしたので、そこにトイレを設置する事に決めました。
古い建築なので、出来ることなら脈絡なく現在の工法を使わず、もともとあったかのように修繕したい、という気持ちを大工さんにお伝えした所、トイレの基礎は石、いやレンガ?(石の上に土台が載っているだけで、礎石と建物を緊結しない建て方)になっていました。

共有箇所の屋根修繕工事

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解体した納屋には母屋と屋根を共有している部分がありました。
納屋がなくなってしまうと、そこはただ垂直に壁があるだけになったため、部分的に屋根を作り直してもらいます。雨水が侵入しにくいように、新たにケラバ(屋根の壁から出っ張っている部分です)を設置するとともに、傷んでいた屋根下地を新しくしてもらいます。

雨漏り部分の修繕

雨どいアップ2

あとから増築したと思われる個所が母屋内にもあるのですが、こちらの雨樋は茅葺屋根からの雨を直接受ける場所にあるにも関わらず、樋の幅は狭く、板金の高さも3センチ程度と大変低かったため、この部分で水がオーバーフローして雨漏りが発生していました。
写真の穴が開いている部分にはもともと土壁がありましたが、水が浸みていたため一旦撤去。風通しを良くして構造材を乾かし、雨樋を新設してもらってから、新しい壁を作ってもらいます(その2へ続く)。






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