スイスドイツ語のインプットをして感じたこと

今日は人生で初めてかもってくらいにスイスドイツ語に浸れた一日だったので、その初体験の感覚を言語化していきたいなと思います。


スイスドイツ語とは

そもそもスイスドイツ語って何?と思われるかもしれませんが、簡単に言うと、ドイツ語とは異なる文法形態や語彙を持つ、スイスのドイツ語圏で話される言語のことです。分かりやすく言うと、ドイツ語の方言です。

この言語は、標準ドイツ語(ドイツで話される言語)を習得してからでないと、いや、習得しただけでは全く理解が出来ない言語なんです。(個人差あるので興味ある人や耳が良い人は同時に習得できるのかも)

私は今年でスイス在住もうすぐ6年になります。ドイツ語は2年でほぼ自己満レベルには話せる、書ける程度にはなったのですが、6年経った今もスイスドイツ語の理解力は20%~70%と言った感じでしょうか。

なぜこんなに振れ幅があるのかというと、スイスドイツ語には標準スイスドイツ語が無く(昨今はSRFというスイスのNHKで話されるスイスドイツ語が標準と言われていますがかなり定義しにくいかと思います)各地域によって話されるスイスドイツ語が異なるのです。従って居住地域のスイスドイツ語が理解できても、他の地域出身のスイス人が話すスイスドイツ語まじ意味わかんね。ってなることがあります。
スイス人自体も、あの地域の人の言語は分かんないとか、出身地違うとコミュニケーション取りたくないとか取れないとか言うもんですから、移民はもう何をゴールに勉強していいのかさっぱり。耳を慣らす訓練しかできないんですよね。少なくとも私の場合ですが。

なので、現段階ではチューリッヒドイツ語は40パーセント、ベルンドイツ語は30%、バーゼルドイツ語は70%くらいの理解力かなと思っています。


同僚がスイスドイツ語を普通に話してきた

スイス生活も6年目、大学の授業はドイツ語で行われるものもあるので、リスニングと会話力はかなり鍛えられたなと思います。
あと、幸いドイツ人もスイスでは同じ移民という社会的地位にいるので、割と暇なときとかに色々と誘ってくれてドイツ語をツールとしてコミュニケーションを取ることが多い生活を送っています。

バイト先も去年から、マネージャー(二人とも)が南ドイツ人でドイツ語でのコミュニケーションが基本。なのでスイスドイツ語とはまだまだ縁が無いな。と思ってたんですけど(目を閉じて現実を見たくなかっただけ)もう一人の同僚が私のことを気にかけてくれて、スイスドイツ語で話そうか?聞いてくれたことをきっかけに、バーゼルドイツ語のインプットができる機会が増えました。

しかし、多数のスイス人にとっては、標準ドイツ語に対してスイスドイツ語で返事するのは恐らく脳の機能的に割と難しいようで(自然にコードスイッチしてしまう様子)その同僚とも標準ドイツ語で話すことが多かったです。

しかし、今働いているカフェが閉まることをきっかけに、実は職場が変わり、故に同僚も変化。
スイス人3人、そして私一人というチーム編成だそうです。(なんだろ。移民独りってやっぱなんだか寂しい~)

そして今日初めてその職場に行ったんですけど、私のお世話係をしてくれた人はしょっぱなからスイスドイツ語。

“ここはやっぱ、標準ドイツ語で!と言うべきか?いや、でも意外に理解できているかもしれない。ん~やっぱ作業は間違えたくないしなぁどうしよう”

とか迷いながら、結局言い出せず2時間くらい経ってしまったのと割と理解できたのでそのままバーゼルドイツ語で話してもらおうと決めました。

途中で現場マネがやってきたんですけど、バーゼルドイツ語でええよな?って感じで、もう一人の同僚が、え?もう今日ずっとバーゼルドイツ語よ!あはははっは!とか言うもんだから、自然な流れでバーゼルドイツ語で働く環境が作り出されてしまったのです。


言語ってやっぱ音でしかない

約8時間のバーゼルドイツ語のインプットを終えて感じたことは

・意外に理解できた
・でも同僚が二人で話しているともう分からない、だから話し手は若干気を遣って私に標準ドイツ語っぽいバーゼルドイツ語を話していると確信
・今思い出すと話し手が何をどう言っていたのかの記憶が無い(記憶喪失か)

って感じです。特に3点目に関しては、こう、何を話したか、テーマは覚えているんだけど、どんな表現を使っていたかとか、なんて言ってたかを一語一句覚えていない。本当に記憶にないって感じなんです。

例えば今、他の誰かとの会話で、それで同僚の彼女は何て言ってたの?とか聞かれたとすると、日本語とかドイツ語の場合はそのシーンを思い出して真似しながら話すような感じになるんですけど、今日のシーンを思い出して一語一句真似するとかちょっと出来ない。って感じですかね。

やっぱ言語って音なんだな~と思って、耳慣らしていくしかねぇか。。。と覚悟した今日なのでした。

あと、なんとなくスイスに何年住んでるの?え?5年?5年でドイツ語そんな話せるの?すごいじゃない!みたいな褒め言葉が無くなってきて、ドイツ語で話しても何の反応も無く自然とスイスドイツ語で話されることが増えてきました。
それはもしかしたら、自然にドイツ語問題ないな。と思われたりとか、私のドイツ語がちょっとスイスドイツ語っぽい発音になってきて、理解してるだろうなという大前提があるようになってきたのかもしれないけど、全然誰か褒めて‼って感じよ。(承認欲求の埋め方変えた方がいいね)
これがあれなんですかね。その地域に〇〇年くらい滞在していたらそれくらいは話せるようになるっしょみたいな先入観の辿り着く先なんですかね。

一応一所懸命勉強したんだから、何年住んでるの?え?すごいじゃない!ってまだ褒めてほしいな~と思っちゃった今日でした。
そのうち、スイスドイツ語分からないの?こんなに住んでるのに?とか言われないように、耳の特訓、今日から始まりま~す。



チューッス!