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FF16プレイを終えて、、

派手な召喚獣バトルと美しい兄弟愛が印象深いff16ですが、結局のところ、どんな物語だったの?というと、

「人類の創造主、母なる神による支配から、厳しくも生き甲斐を持てる、自由な世界を勝ち取るまでの物語」

一言で言うなら、

「毒親の支配からの独立」

でした。
人間と世界を支配する理を作り出した神アルテマとは、、魔法を使う事で便利に暮らしていたが自然の生命エネルギーたるエーテルを使い過ぎてしまい、生命が活動できず魔法も使えない枯れた大地、黒の一帯を広げてしまった。そこから逃げる様に移り住んできた種族。黒の一帯が未だないヴァリスゼアの大地を見つけた時には肉体が滅びる寸前だった為、自らの肉体を模した生命体である人間を生み出して、人間を縛る制約を理として打ち立てて眠りについた。
幾星霜の時が流れ、アルテマの意識が目覚めた時には人間は数を増やし、神に戦いを挑むまでに成長した(空の文明期)が、アルテマ神は人間に打ち勝ち、厳しい支配を強要した。(原初の楔)
神を崇めるように教えを広め、強い自我は忌むべきもの、自我を捨てて神の意のままに動くアカシア状態こそ人のあるべき姿とした。(マリアス教)


ここで『アルテマ=親』『人類=子供達』という親子構造で例えるならば、
バブル時代に遊び放題してた親が、社会が不景気になって苦しくなったら「疲れた」と言って育児を放棄。数年後、勝手に成長してた子供達と壮絶な親子喧嘩の末に、コテンパンに子を打ち負かして「言うことを聞きなさい!」と支配し服従させようとする。絵に描いたような、ザ・毒親。
探求の旅の果てに、神と対等な力を手に入れた主人公が多くの痛みを受けつつもアルテマを殴り倒し、服従のルールたる理を燃やし尽くす結末は痛快でしたね。

そう言えばff16にはヤバイ毒親達が登場しました。

アナベラは本作をプレイした人なら言わずと知れた、主人公兄弟の実母であり、父と子と国を裏切った憎むべき毒親。
訳がわからん程の悪女ムーブをしでかしたアナベラですが、彼女がなぜこの様な行動を取ったのかを考察していくと、自らの血の正統性を証明したいという動機が見えてきます。
ロズフィールドのドミナントだった先代の太公の嫡子であるエルウィンと結婚したのもその為で、必ずフェニックスを宿した子が産まれるはずだと信じて出産に臨むも、長男はフェニックスを宿してはおらず、次男でようやくドミナントを産むも病弱。彼女の腹には重かったのだという陰口が耳に入って狂ってしまった。私の血は悪くない、正統な血統だ。悪いのはエルウィンだ。それを証明してみせる。その為に国を裏切り、ロザリアと同じく国主たる王族の血にドミナントを宿すザンブレクのシルヴェストルとの間にオリヴィエを産む。

一方でシルヴェストルはと言うと、こちらもかなりの毒親で、ディオンという強く清廉なドミナントの子宝に恵まれたにも関わらず、母親が下民の出身である事を恥じ、隠匿した上に、ディオンに対しても厳しく当たり、戦争の道具として使い潰そうとする。
ディオンはジョシュアと同い年の若さでありながら壮年のシドルファスと同じく左手に石化が出ている事からも、いかに過酷な戦場に送られ命を燃やし続けたかが伺える。
それでも父に認められるためにと命をかけて戦場に赴くディオンの健気さには胸が痛む。。
プレイ中は私まで、テレンス君のような悲しい顔になってしまいましたとも(´・ω・`)。

……………

さて、私自身も子育て中の親として、自らが毒親にならない様に教訓を得たいと思います。
アレはダメ、コレはダメという否定式だけでは、子供とどう接して良いかわからないff10のジェクトさんみたいな不器用過ぎの拗らせパッパみたいになってしまうので、じゃあどうすれば良かったのか?について考えていきたい。

アルテマ編

「俺たちと同じじゃないか、生き延びるために黒の一帯をどうにかしたい。目的は同じだったのに!どうして人と手を取り合おうとしなかった?」

はい、この主人公のセリフが答えですね。
アルテマさんはこの提案をあっさり却下したのが良くなかった。産まれたての人は一人で何もできないものですが、やがて成長するのです。
子の成長を喜び、認め、受け入れて、共に問題解決に取り組んでいたら、空の文明期での喧嘩の後、歩み寄れていたならば、人と神とが共存する未来が拓けたかもしれません。
反抗期の我が子と和解するのはなかなか根気の要る作業ですが、親の願いと子の希望を丁寧にすり合わせて、共に社会の荒波に負けずに前に進みたいですね。

アナベラ編

自分の血の正統性、実はジョシュア誕生によって叶えられているんです。心無いアンチコメントなど気にせず、その行動力の高さでジョシュアの病状が少しでも良くなる様に、薬草学研究などに尽力すれば良かった。ロザリア国の医療向上に活かされたならば、国民からも尊敬される大公妃となっていたでしょう。あと、愛なき政略結婚だったとしても血の正統性の証明になってくれたエルウィン公に少しでも敬意を持って欲しかったし、ジョシュアを命を賭して守る誓いを立てた主人公に僅かでも感謝の情を持って欲しかったな。

シルヴェストル編

実はシルヴェストルは、死の直前にディオンと口論になって、ディオンが清廉で高潔な青年に成長していた事に気づき、和解しそうな雰囲気になってます。結果的にはオリヴィエが口を挟んで和解の機会を失ってしまうのですが。。

ディオンが我慢強く従順すぎて今まで本音をぶつけ合うことが出来なかった事が主たる原因と思われるので、この失敗から親側が教訓を得るとすれば、子が従順であった場合においても、その事に満足せず、我慢しすぎてないか、無理してないか気にかける必要がある。という事だと思う。後妻を迎えるならば尚更、前妻との子がどう思ってるか、傷ついてないか気にするべきでした。

後は、、情報が少な過ぎてゲーム内情報では考察不可能だったバルナバス&母様(かかさま)ですが、アルティマニアにはもう少し掘り下げた情報があり、こちらも中々考えさせられるような親子関係でした。
気になる方は是非アルティマニアを買ってみて欲しいのですが、ざっくり一言で言うならば、バルナバスとは永遠に親離れ出来ない呪いに掛かった不死のオッサンでした。()

子育てのゴールは子の親離れ。
まだまだ先の事に感じてしまいますが、互いに対等な人として認め合いつつ、出来れば良好な関係性を持った状態で巣立っていけますようにと祈りつつ、今回のノートを閉じようと思います。
思いのままの、拙い文章を最後まで読んでくださった事を感謝いたします。
それでは、おやすみなさい。

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