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約束を守れない人は嫌われる

私はとても人間的にも社会人的にダメな時があった。ダメダメ人間で当然嫌われ、仕事も減って、なぜだかわからないと悩んでいるうちに金銭的に危うい事態になった。その時はなにが悪いのか分かっていなかったので、ダメダメを繰り返していた。

何がダメダメだったのか。それは「時間の約束が守れない」こと。打ち合わせの時間にはほぼ遅刻、遅れる連絡は入れるものの打ち合わせの約束時間5分前、集合は時間ギリギリ、提出物は催促されてから と、ことごとく「時間」の約束が守れていなかったのだ。当時関係者は優しい人が多く許してもらっていたし、嫌な顔をされてもあまり気にしていなかった。

お笑いコンビ:和牛が解散したが、度重なる遅刻が原因だとネットニュースで読んだ。それぐらいで?と思う人もいるかもしれないが、今の私なら分かる。時間の約束を守れない人は信用されない。付き合いたくなくなる。自分だけではなく周囲の人たちへも迷惑が及んだら許せなくなるのはあたりまえだと思う。

なぜ気づけたのかというと、ある勉強会に参加して学んだのだ。倫理法人会という経営者が集い倫理を学ぶ会だった。私は10年ぐらい在籍したが、もう数年前に退会している。この倫理法人会には「万人幸福の栞」というものがあり、教えが17ヵ条に標語化してある。そのなかに「約束を違えれば、己の幸を捨て他人の福を奪う(やくそくをたがえれば、おのれのさいわいをすてひとのふくをうばう)」というものがある。約束の中でも時間の約束が一番大切で、破れば自分の幸せを捨てることになるし、相手の福をも奪ってしまうという意味だ。
倫理法人会は退会して接点はないし、他の教えは記憶も薄れつつあるのだが、これだけは実体験もあって覚えており、今なお気をつけていることだ。

半ば付き合いで入った会だったのであまり真剣に取り組んでいるわけではなく、みんなの動きになぞらえて参加していた。あるとき受付を頼まれて一人で暇だったためダラダラと栞を読んでいたのだが、何かが引っかかった。これまでなんとなく読んでいたが、これは私のことではないか。
時間の約束を守れない私は嫌われて避けられるようになっているのではないか。みなさん優しいから怒りはしないけど内心ではどうか。これは自分の幸せを、未来を捨てているではないか。
相手からしたら約束の時間に待機し、時間を空けているのに、遅れたら時間を無駄にすることになる。時は金なり、忙しい方々の時間を無駄にしているというのは、相手の福を奪っていることになる。私とは格段上のお時給の人たちなのだ。

あー私はなんとダメな人間なんだろう。今のままではいけない。
気づけた私は行動を改めた。

約束の場所には約束時間の15分前に着くように出る。雨の日や混む時間帯では20分以上早めに出る。事故などの渋滞は致し方ない。早めに情報を入手して連絡する。
早く着いたら打ち合わせの予習を行う。「たられば」を頭の中でシミュレーションしていかなる展開にも対応できる「応え」を考える。
ハウスメーカーさんのお客様との打ち合わせ時には30分以上早く伺い、スタッフさん達とコミュニケーションをとりつつ、お客様の情報や前打ち合わせを行う。

結果、打ち合わせはスムーズに進むし、内容抜けが無くなった。ミスも減り、短期間で終了できるようになった。得意先のスタッフ達とも連携がうまくできるようになり、お客様とも楽しい打ち合わせができるようになった。
打ち合わせの準備も約束した日の2日前に整うよう進める。2日前だったら何か失敗していても、足らなくても気づけるので修正が間に合うからだ。
メールやラインの返信はできるだけその場で行う。これは私が忘れっぽくなり、忘れたらほったらかしにしてしまうからだ。質問や依頼に対しての答えは早い方が相手は安心する。

時間の約束を守ることにより、前倒しの動きができるようになったので予測もでき対応も早くなる。まさに良いことづくめだ。
約束(時間)を守れない人は嫌われる。
和牛の解散のニュースで改めて自分に言い聞かせた。今一度心に染み込ませておこう。

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