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高速バスゆらゆら

実家に帰る予定に、愛車を整備に出す日取りが重なり、急ぎ高速バスに乗ることにした。

時間を間違え、バス乗り場には1時間早く着いた。普段は車であちこちに行くので、時間を待たなくてはいけない、という新鮮な気持ちになる。

時間が有り余っているので、思い切って日本酒の試飲ができるカウンターに立った。なんという酒だったかよく覚えていないものの、なんだかたまらなく旅行情緒なるものを掻き立てられて、妙にうまかった。

飲みながら待っていると、バスの時間になった。高速バスは、隣り合う席の人の名前も知らないし、移動手段だと言ってしまえばそれだけだ。しかし私にとっては、狭い座席に収まってイヤホンを耳に着ける瞬間もまた、良い旅の始まりに思えてならなかった。

あのバスに乗った人たちも良い旅になればと思うが、それは大きなおせっかいというものだろう。

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