途立つ

人生の初フライト

生まれてから今まで何度も飛んできただろう
心のバンジージャンプ

陸から足が離れてしまうことは実は苦手で
3段の脚立の高さでさえ怖くて足が震える私

それでも飛行機のフライトは何故か大好き
ちょっと大げさかもしれないけれど…

私を未来へ運んでくれる
タイムマシンのように感じるから

今日は生まれ育ったこの町から巣立つ日
いい意味で片道切符になればいいな…

幼い頃に憧れたJALパックのバックは今

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たびってなあに?

まもなく3歳の息子は、どうやら絵本が好きみたい。
長いお話だって何のその。最後までじっと聞いている。
そのことに気がついてから、就寝前の絵本がふたりの習慣になった。

その日、息子が選んだ物語は、孤独なカエルと夢の子羊が旅にでる話。
ページをめくるたび、2匹の旅がゆったり巡り、季節が静かに移ろいでゆく。

「たびって なあに?」

息子がこちらを見て言った。

うん、なんだろう。

孤独なカエルの

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「コスパの悪い旅ランキング」が、存在するならば。

山登りはキツイ。
登っている最中は「苦しい、ツライ、頂上はまだか?」
そんなことばかり考えている。

何時間かけて登っても、頂上にいる時間は一瞬だ。
せいぜい20分程度? いや、もっと短い時だってある。
そして、登ってきた道を戻らなければいけない。

帰宅してからも、筋肉痛やケガなどに悩まされたりして。
コスパが悪いこと、この上ない。

夏休み、ある山に登った。
「苦しいツライ頂上はまだか?」を1

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スキありがとう! 08:それでも地球は動いている(ガリレオ)
2

旅は道連れ

高校卒業以来、毎年一緒に国内旅行をする友人がいる。友達2年目の夏、わたしと彼女は大阪に行くことにした。彼女はわたしに「飛行機で行ってみたい」と遠慮がちに言った。福岡から大阪。よほど急いでなければ間違いなく新幹線で行く距離である。どうして、と尋ねると彼女は飛行機に乗ったことがないから、と答えた。そういえば彼女は乗り物が好きだったなと思い出し、わたしたちは飛行機で大阪に行くことにした。
 旅行初日、待

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始まりの場所

ビールを片手に、ラウンジの窓際の席に座っている。

窓の外に目をやると、何機もの飛行機が駐機しているのが見える。

その奥では、滑走路に向かう飛行機が見える。

空港にはいつも早めに行くことにしている。

特に決まって何かをすることもない。

本を持っていれば本を読むこともある。

パソコンを開いて仕事を片付けることもある。

けれど大抵、それほど捗らない。

それでも、ビールを片手に空港で時間を

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いってらっしゃい、いってきます

母にとってのヒーローになりたかった。耳の聴こえない母と世界をつなぐ。それがぼくの役割だと思っていた。

それなのに。

就職を機に、母のもとを離れることを決めた。それを伝えたとき、母は笑顔で「おめでとう」と手を動かした。

これから彼女は、音のない世界をどう生きていくのだろう。それを考えると、駅に向かう足取りが重くなった。

新幹線の発車時間まで、30分ちょっと。ホームにあるベンチに座り、お土産屋

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途立つ

「自分の人生で、いったい自分はどこに向かって生きているんだろう?そして最終的にはどこに着くのかな?」

バイト先で知り合った社会人先輩とバイト帰りにパブで一杯ひっかけた時にこんなことをよく話した

当時学生だったからこんな大人びた話の内容だとはっきりとした答えは出てこなかった

天井に星空を映し出すパブでその先輩は言った

「俺はね、やりたいことあるの それは自分の夢ってやつなんだけど
自分の親が

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学びを続ける、旅と人生

それは散々な旅だった。

二十代の頃、当時の恋人と、休みを合わせて初めての旅へ出た。
行き先は京都。「大人の旅っぽいね」なんてはしゃぎながら、目的地に到着したところまでは、何の問題もなかったのに。

一日目。京大生の御用達、進々堂は、祝日による定休日のずれ込みで閉まっていた。
二日目。嵐山の暑さと混雑によって気分が悪くなった私は、彼の膝枕で介抱される羽目に。
三日目。私の寝坊が原因で彼が行きたかっ

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ブルーアワー

「なぁなぁなぁなぁ、あんなー、さっき、でんしゃの中に天狗のおっちゃんおったんやんかー」

ワンマン電車を降りたところで声のする方を見てみると、幼稚園の年中組くらいの女の子が、誰も座っていないホームのベンチに向かってにこにこ笑いながら話しているのが見えた。

真夏とは言え、夕暮れの橙色と夜の始めの藍色が混じり合う頃合いにひとりでいるなんて、と老婆心ながらその子に声をかけた。

「こんばんは。 君、お

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同じ旅の途中で

左右前後からは様々な国の言葉が飛び交っていた。
初めて聞く音と言葉ばかりだ。
ここに世界が集中している。そんなかんじ。
私たちはただ、飛行機を待っていた。

世界にはこんなにも沢山、色んな人がいるのか。
色々な言葉と音が耳に入る。目に入る光景と耳に入る音。
そのどちらもが、絶妙なバランスで私の脳を刺激する。
「私、いま海外にいるんだなぁ」とぼんやり思った。
それまで働いていた場所は外国人のお客さま

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