ここのか
今日はぐん、と気温が落ちた。
窓の外の木々は北風に揺られ。
枯葉が踊るように車道を自由に行き来する。
外に出ると、北風は身体を一巡りして、髪を乱して、走り抜けてゆく。
昨日の夜の温度が、昼に巡っている。
両手を胸の前で交叉させ、思わず身をちぢこませた。
冬が来た。
昨日までは、まだ昼には微妙に暑さを感じるほどの季節だったのに。
そういえば、おととい、なのか。
ラジオから流れてきた「立冬」という言葉を鼻で笑ったばかりだった。
どうして。
どうして、去年のことなのに、季節を忘れるのだろう。
毎年、季節が移り変わるときに驚きを隠し得ないのだろう。
桜の花に酔い、海の碧さにたゆたい、紅い山に見惚れ、息の真っ白さに溜息をつく。
どうして、繰り返しても繰り返しても飽くことがないのだろう。
今年も寒い冬が来る。
2008-11-09
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