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どうしても恋愛ができない

地元で就職して、家族や周りに「彼氏はいないのか」と大学の頃よりもっと言われるようになった気がする。


同じ職場の同期の女の子たちの彼氏や、性事情に上手く溶け込めることができず心が痛い。口下手な方じゃないため、色恋の話になると途端に静かになる私に話が振られない訳もなく、「自分だけ何も言わないのずるい〜」と茶化されてしまう。


社会人2年目。あまりにも世間的に生きづらいため、彼氏をつくった。


マッチングアプリで数回会った人が告白してくれたため、承諾したのだ。私が彼を好きだと思ったことは一度もない。男性とそんなに付き合ったことがないから、告白されるまではそれなりに緊張したりはしていた。しかし、それは彼のことが「好き」ということではないのだと思う。



そんな話を周囲に漏らすときまって「好きになってくるよ」とか「他に好きになる人がいるんじゃないか」と言われる。だが、今に始まった事ではない。ありがたいことにこんな私にも告白してくれる人はいるもんで、その度に「断る理由がない」という最低の理由で(もちろん相手には伝えていない)付き合ってきた。

そのうち相手の「好き」に全く応えられない自分が嫌になって、そして相手に申し訳なくなって別れるのが常である。



初めて周囲に「あの子が好き」だと言ったのは、小学生の頃。友達が恋愛の話をしていて、会話に入りたいがために彼女たちの中で一番人気の子の名前をあげた。


「蛙化現象」「アロマンティック」「アセクシャル」

検索すると私自身をカテゴリーできそうな言葉も出てくるが、それで何か変わるのかと言われると私はあまり心境に変化はなかった。



今の彼とはどうなるのかわからないが、彼はほとんど会いたいと言わない私に「ドライだね〜」と笑う。私にとって彼も友人の一人なのだ。映画や旅行、舞台、博物館、美術館、カフェ、神社。行きたい場所や、その時の気分で一緒に楽しんでくれる友達に声をかける。


くだらない会話の掛け合いや、よくわからない物に熱中して楽しんでいる相手を見るのが私は好きだ。興味が散らかっている私は、人と会う時も何か求めているのかもしれない。彼が何を好きなのかをそんなに知らないのも理由だが、彼よりも会いたい人がたくさんいる。そして、一人でやりたいこともたくさんある。文字にすると一層申し訳ない。



私の全てを丸っと受け入れて、話をニコニコ聞いてくれるだけでは物足りない自分が嫌になる。彼をつまらないと思うこの感情は変わるだろうか。


このままではまずいのも重々承知だが、心の着地点が見当たらない。


年末に旅行に行くことになってしまい、とりあえず自分がどんな人間なのかもう少し彼に話してみようかと思っている。

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