地震保険について

※本記事は、金融業界に務める者として、正しい知識を皆さんに伝えるため、地震保険に関する一般的な知識を記したものです。僕は、保険は全ての人が必ず入るべきとは考えておらず、正しい理解を基に、各自が加入の要否を判断することが重要と考えています。

2024年は、元日に石川県能登半島で大きな地震が発生して始まる形となりました。
被害にあわれた皆様にお見舞いを申し上げますと共に、一日でも早く元の生活に戻れるようお祈り申し上げます。

地震は自然災害であり、誰が悪いわけでもないので、残念ながら発生を止めることはできません。
しかし、自然災害に対する備えを一定程度考えることはできます。
その際の一要素となる地震保険について、一般的な情報をまとめておきたいと思います。

一人一人が、正しい知識を基に正しい備えをすることが重要と思っていますので、その一助になればと考えています。
関連情報として、日本損害保険協会や財務省のホームページも最後に掲載しておきますので、詳細は是非ご確認いただければと思います。

通常の火災保険では、地震被災時の損害は補償されない

まず、基本的に火災保険では、地震・津波(&噴火)による損害が発生した際には保険金が支払われません。
火災保険では、基本的に地震に対する損害は補償されない形となっており、地震に対する備えとしては、火災保険に追加して地震保険を契約する必要があります。

地震保険は、火災保険とセットで契約する必要がある

地震保険は、単独で契約することはできず、火災保険の契約とセットで契約する必要があります

地震保険は、政府が運営に関与している公共性の高い制度

地震保険は、政府と損害保険会社が共同で運営している保険制度です。
大きな地震が発生した際に、国民の生活を早く元通りにする援助をするため、国力を衰退させないための公共性の高い制度としてこの地震保険制度があります。
1964年の新潟地震を契機として、本制度が作られました。

地震保険は、どの保険会社で契約しても基本的に保険料は変わらない

保険料(保険の値段)は、基本的に損害保険料率算出機構という団体が算出したものを使用します。
そのため、どの保険会社の地震保険であっても、基本的に保険料は同じものとなります。

地震保険では、保険金額(支払われる保険金の限度額)を火災保険の保険金額の30%~50%で設定する

保険金額とは、支払われる保険金の限度額を指します。
火災保険の場合、家が火災で焼け落ちてしまった際に、いくら支払われるか、ということをイメージしてもらえるとよいかと思います。
地震保険は火災保険とセットで契約しますが、地震保険の保険金額は、火災保険で設定した保険金額の30~50%で設定します。
そのため、仮に津波で家が流されてしまったとしても、火災保険の保険金額の50%までしか保険金を受け取れない、ということになります。
なぜこのような仕組みになっているかというと、地震による損害は非常に大きなものとなる可能性があり、実際の損害額に相当する保険金を支払うことは困難なためです。

地震で被害にあった場合、損害の程度により保険金額の5%、30%、60%、100%が保険金として支払われる

地震保険に加入して地震に被災した場合、損害の程度を以下の4区分に分類し、その区分に合わせて保険金が支払われます
そのため、実際の損害額とは関係なく、区分に応じた金額を保険金として受け取ることになります。
このような仕組みになっているのは、素早く保険金を支払うためです。
大地震発生時には、多くの方が同時に被災をする中で、損害額を一件一件確認する余裕がないため、可能な限り保険金を素早く確定する仕組みを取り入れている、という形になります。

  • 全損
    保険金:保険金額の100%が支払われる

  • 大半損
    保険金:保険金額の60%が支払われる

  • 小半損
    保険金:保険金額の30%が支払われる

  • 一部損
    保険金:保険金額の5%が支払われる

参考URL

以下が、参考URLとなります。
詳しい情報は、以下サイトをご覧いただければと思います。

日本は地震大国なので、どこに住んでいても地震の危険が常に付きまといますが、正しい知識を基に備えをする、正しく恐れることが重要と考えています。

僕は、この機会に改めて家の防災用品のチェックをしたいと思っています。

今回の地震で被害にあわれた方々が、一日でも早く、元の生活に戻れますように願っています。

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