「インプロビゼーション」
朝からそわそわと緊張していた。
久しぶりに後輩に夜のクラブへ誘われたのだ。
以前は良く出かけたものだが、彼が居なくなって
インドア派になりつつあった。
久しぶりに鏡に向かってマスカラをつけ、微笑んでみる。
老けたかな、いやまだまだ行けるかな。
ドレスは少し派手目のパープルのサテン地にゴールドオーガンジーの網のかかるアシンメトリーの長めスカートにした。
家から駅まで歩くと目立つ格好なので、現地までタクシーを呼んだ。
そこは、古民家を改造したアールヌーボーの古い洋館で雰囲気がある