見出し画像

ハイボール濃いめでお願いします#16吞まれるから飲む、それがアル中 其ノ肆

前回のあらすじ

子供ができて浮気して浮気相手との破局からの娘生誕。
店で酒飲みすぎて家に帰らなくなり嫁から見捨られ、お茶ハイ浴びる毎日。心の弱さを酒でカバー、それがアル中。

本編

自分勝手に生きてきた代償に幸せを掴んでも台無しにする男は、酒で帳尻を合わせながら女性を口説くことを怠らなかった。
嫁がいた時から店の常連客で歌舞伎町のキャバ嬢のサクラを冗談半分で口説いていたのが、開花しサクラと付き合う事となった。

店泊生活から女の家に転がり込み、40代でも恋する男は幸せの酒を喰らっていた。
サクラは朝から酒飲むNewダーリンに最初は困惑したが、同棲の甲斐あってすぐに慣れたが精神安定剤を飲んでいるのには度肝を抜かれた。
飲み仲間にその事を吐露したが、周りの人間からしたら
「アイツの情緒不安定に合点がいく」内容だった。

歌舞伎町の飲み屋は共同経営の店もあり、途中から折り合いがつかずに片方が裏切ったりする事がある。
齟齬(そご)が生じた店が知り合いだと関係ないのにマッキーは、営業中にも関わらず本人以上に憤怒しバーボンストレートを飲み始める。
周りは、この行為に慣れ始め「また病気が始まったよ」で流していた。

普通だったら病院で治療に専念するはずだが、何せ京都からの逃亡者の身。保険証の期限は切れているので知り合いに借りて薬を処方して貰うのみだが借金返済の法的期限が過ぎ新しい保険証を獲得。
保険証の効力は絶大なもので、バンド時代にダニで片足が故障していて身体障害者として国からのお墨付きを頂いた(身体障害者保険GET)。

詳細は聞いていないが国からの助成金を貰いながらモグリの飲み屋経営で懐は寂しい思いをしなかったが、名義を借りていた人間が連絡取れなくなりBar0412は閉める事となった。

捨てる神あれば拾う神あり。不憫に思った歌舞伎町の同業者はマッキーを雇い失業は免れたが、ここでまた失恋した。
サクラがマッキーを支えるのに限界を感じてサヨナラしてしまったのだ。

「だらしない自分を許せないから薬を飲んで、そんな自分が嫌で酒に頼っている」(サクラ談)
そんなマッキーはサクラの家を出て、三日間飲みっぱなしで八王子の知り合いの家に転がり込んだ。
周りの手厚いサポートもあり精神的に立ち直ってイカレタ大学生の彼女もできた。
若干20代前半で朝から水筒にお茶ハイ淹れてキャンパス通いする娘で似た者同士だったが速攻破局。

破局が速かったため日を跨いでの梯子酒はしなかったが、勤務先を転々とし(店の都合がほとんど)バブル崩壊時にブルジョワだった闇金上がりのエイちゃんが飲み屋を出すことなり、店を任されることとなった。

貸金の免許を持っていて頑なに「俺がやっていたのは闇金じゃ無くて高利貸し」と言い張るエイちゃん(この時は疾っくの疾うにブルジョワから失脚)の店はオープンし、マッキーは国からの補助もあり大久保にて一人暮らしを始めた。

最終話に続く……



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?