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Vol.4 最近見た映像の話

2022年一本目は、初めての対面収録だった。ぎしりの家でお茶をしながら、最近見た映像コンテンツについてゆるりと話した。話題に登った作品の一覧は下記。Podcastの中でそれなりのウェイトを割いたり、本編に関わる話をしたものには★印をつけているので、未読の方はうっかりネタバレに十分注意されたい。

映画
★クワイエットプレイス
IT
リング
呪怨
学校の怪談
ハリーポッター

ドラマ
★最愛
★ミステリと言う勿れ

アニメ
★鬼滅の刃
呪術廻戦
犬夜叉
ゴールデンカムイ

PODCAST:LINK


・ 最近視聴した怖いものあれこれ
幼少期からホラーと名のつくコンテンツが大好きなぎしりは、さまざまなホラー映画に慣れ親しんでいる。小学生の頃はリング、呪怨、学校の怪談シリーズが大好きだった。ホラー映画にもトレンドがあり、各時代の作品をいくつか見ると、なんとなくその傾向が見て取れるようになる。最近は「〇〇されると殺されるシリーズ」ことクワイエットプレイスのシーズン2を観た。ポップコーンを食べることを躊躇う静寂の中の視聴は、なかなかスリリングだった。ゲットアウト(GETOUT)やアス(US)といったサイコスリラーもお気に入り。結局、一番怖いのは人間。

一方トワは、そこまでホラーに慣れ親しんでいない中、ITを視聴。ビビらせ系の上位作品ということもあり、心臓が縮み上がる思いをしたとか。そもそも、ピエロという存在が怖いという話で盛り上がった。曲芸に勤しむ「お茶目な存在」であるはずなのに、あの白塗りの顔や丸くて赤い鼻は、日の当たるところで見てもどこか不気味である。(収録後にWikiで調べてみたところ、派手な衣装と化粧をしたコメディアンを「クラウン」と総称し、ピエロはクラウンの一種だそうだ。西洋の道化師の歴史は古代エジプトに遡り、日本では歌舞伎の道化方・道外方という役所が近いのだとか)

・ミステリという勿れ
このタイミングでは、第四話まで視聴していた。まず最初に、三好辰二の詩を空で言って見せたり、携帯の画像から暗号をいとも簡単に解いてしまう久能整のような大学生が存在するのかという話になった。個人的には、東大発の知識集団Quizunockを運営する伊沢拓司さん率いるクイズ王たちに少し似ている。Youtubeで難しい問題に細やかな補足をしながらスマートに回答したり、帰納的に回答を導く様は圧巻である。(彼らは大学生ではないし、髪はもじゃもじゃではないのだけれど)

久能整の性格については、無色透明の陰キャで、流行に疎そうだというのが二人の総評だった。前者について、ドラマでは菅田将暉さんが演じているが、彼の「陽キャさ」が滲み出ていて少し眩しい印象を受ける。後者については、作中で久能整が、サムスンの折りたためるスマホ「Galaxy Z Flip」を所持しているのが解釈違いであるというYahooニュースのコメントを見た。確かに、原作からイメージされる久能整は、必要最低限の機能を備えた古いスマートフォンをずっと使っていそうである。(サムスンはフジテレビのスポンサーだそうだから、大人の事情もあるのだろう)

原作であるコミックスの書評にも話が及んだ。Amazonレビューでは男女で割れているらしい。男性読者は説教をされたような、ある種不愉快な感情を抱いている人が多いのだとか。作中で「はっとさせられる成人男性」がたくさん登場するから、それに自己投影をしてある種「痛いところを突かれたような気持ち」になる人が多いのではないのかと推測する。(第二話、第三話では育児に非協力的な警察官、家族や部下に配慮しない中年男性がフォーカスされていた)一方女性読者には、いわゆる「スカッとジャパン」的な受け取り方をしている人が多いのだとか。「日常の細かいあるある」を言語化しているから、見る人のそうした物事に対する受け取り方、感じ方がレビューに反映されているのだろうか。良い意見も悪い意見も含めて、それだけたくさんの反響があることが重要だと思う。どんなに美味しいお店も万人受けしない訳だし。

・ドラマ
自宅では父親がチャンネルの主導権を握っていたぎしりは、「野ブタをプロデュース。」や「ごくせん」といった、当時女子小中学生が全員見ていたドラマのほとんど履修していない。(唯一見た「女王の教室」は、車のワンセグで視聴した)そんなこんなで、推しの津田健次郎と宇多田ヒカルに惹かれて見始めた「最愛」は、実に十数年ぶりのドラマ視聴だった。宮藤官九郎シリーズが流れる家庭で育ったトワは、親の機嫌を伺いながら花より男子を観たり観なかったり。最近はストリーミングサービスやサブスクリプションが充実しているから良い。金曜10時にテレビの前に必ず座るのは難しいから。

・古のオタクが考える鬼滅の刃
トワは、遊郭編の登場人物宇髄天元が一夫多妻制だったことをきっかけに、今カノ的な女(日暮かごめ)と元カノ的な女(桔梗)の間で揺れる犬夜叉に思いを馳せた。(ちなみに、犬夜叉をミリしらのぎしりは宇髄天元の「いい男度」にあてられて、完全に妓夫太郎の気持ちになった。ネタマシイナア…)

犬夜叉には血統を重視する腹違いの兄、殺生丸が登場するが、これは呪術廻戦で人間を「猿」呼ばわりする夏油傑に通づるところがあるように思う。ジャンプ作品ではないが、非魔法使いの両親を持つハーマイオニーを「穢れた血」と罵るドラコ・マルフォイも同じである。鬼滅の刃では、鬼滅時無惨から血を「分け与えてもらう」ことで鬼になれるし、炭治郎の血筋に何かしらの特別な物があることが推察される。

上記のように、鬼滅の刃には、いままでのジャンプ作品で見た「グッと刺さるポイント」が散りばめられているような気がしてしてならない。映像の美しさもさることながら、こうしたストーリーの作り込みが千と千尋を超える大ヒットにも寄与していると言えよう。

一方で、炭治郎の「注釈ばりの独り言」はいままでの作品にない描写だと思う。「言わないと分からない」はもちろんそうなのだが、個人的には行間を読者に考えさせる「余白」およびそれを発生源とする解釈も含めて作品なのだろうかと思う。

人に話すつもり、あるいは文章に起こすつもりで普段視聴するコンテンツに思いを馳せると、普段気づかないようなところに目が届いたりして、今まで以上に楽しめることに気がついた。次回こういう話をするときは二人の推し、成田凌について語り倒したい。

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