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結婚して良かったこと

2019年7月14日、32回目の自分の誕生日に私は入籍した。

最近周りからよく「結婚してどう?」と聞かれるので、改めて考えてみた。そしたら何だかとても大事なことが見えてきたので、この先夫と大喧嘩したり夫を嫌いになりそうになった時のために記録しておこうと思う。笑

きっと5年後、10年後、30年後は違うことを思っている。だから今の気持ちを記録しておきたい。

−結婚がイメージ出来ない女

家族、友人からは「いつかは結婚出来るだろうけど、一体真奈美が結婚する人ってどんな人だろうね。」といつも言われていた。結婚出来ないとは違う、ただ誰もが結婚をイメージ出来ない。そんな女だった。俗に言う自由奔放、破天荒なことをやり相手を驚かせてしまうタイプの人間だ。天真爛漫とも言える。笑

私が親だったら、自分みたいな娘は心配でしょうがないし、男だったら付き合うのがちょっぴり大変かもしれない。最近やっとそんな風に自分の事を客観的に見られるようになった。

そんな私だから、結婚が決まった時は皆が大喜びしてくれたし、夫に興味津々だった。そして夫に会った友人たちは皆「なるほど。納得!」と口を揃え夫を褒めてくれる。

自分で言うのもなんだが、夫と私の相性は最強だ。夫に出会えた事に感謝しているし、人生で一番のハイライトだと思っている。

−夫との出会い

これもよく聞かれるのでここに記録しておこうと思う。夫との出会いは2018年4月。Instagramで夫が作ったチーズケーキを見つけたのが最初のきっかけだ。

なんてことない一枚のチーズケーキの写真に、猛烈に惹かれたことを今でもはっきりと覚えている。この時は夫の存在も知らなかったし、知らない人に突然DMなんてしたこともない。ただこの時はどうしてもそのチーズケーキが食べたくて、「チーズケーキを食べたいのですが買えますか?」と連絡をした。

そしてそのチーズケーキを手に入れることが出来たのだが、一口食べた瞬間に私の世界が変わった。あまりの美味しさに衝撃を受けた。そしてその美味しさを自分が知っている言葉で表現出来ないことに頭が混乱した。美味しすぎて頭が混乱したのはこの時が初めてだ。「こんなに美味しい料理を作る人って一体どんな人?」この時初めて夫に興味を持った。

どうやら夫は料理業界ではちょっとした有名人だったらしく「田村浩二」と検索するといくつか夫に関する記事がヒットした。

写真で見る夫はどれもすました顔というかいけ好かない顔をしていて「あぁ何だかすごくナルシストな職人って感じ」と思ったのが最初の印象だ。ただ夫の作るチーズケーキや過去のインタビュー記事からみえる人柄から、どこかカリスマ性を感じ、この人はもっと自分が表に出てやった方が上手くいく気がする。チーズケーキも趣味じゃなくてビジネスにしたら良いのに。とボンヤリ思ったことを覚えている。

タイミングとは本当にあるもので、その日の夜に夫がストーリーで「本格的にチーズケーキを販売したいのですが、サイトを作るにあたりカメラマンやライターさんが必要で。誰か周りにいますか?」と投稿したのだ。私は「やっぱり!」と何に対してのやっぱりなのか分からないが笑 すぐに夫に連絡をした。そして会うことになった。それが夫との最初の出会いだ。

ちなみに出会った頃の夫はレストランに勤務していて、本人も公言している通り数百万の借金があり、稼ぎは私の半分以下だった。「正直心配じゃなかった?」と夫に聞かれたことがあったが、この人は絶対に伸びるという確信があったから1ミリも心配はなかったし、いざという時は自分が頑張って稼げば良いと思っていた。今では夫が私の何倍も稼いでいる。笑

−結婚はタイミング?

結婚はタイミングが全て、とよく言われるが私も心からそう思う。そして結婚を見極めるために時間を重ねるよりも、瞬間の直感が大切だと私は思う。どんな夫婦にだって危機は訪れるだろうし、一生夫婦円満なんてありえない。どうしてこの二人が!?と思うおしどり夫婦が離婚することだってあるし、喧嘩が絶えず、いつ離婚してもおかしくない二人が長い時間を重ねる中で互いに成熟し、かけがえのない存在になることだってある。この人と結婚して良かったなんて、人生の終わりにならないと分からないのではと思っている。

極端な話、誰と一緒になっても同じような経験をするだろう。大事なのは相手よりも自分のスタンスだ。

夫に初めて会ったのは去年の4月だが、夏に夫はレストランを辞めフリーランスになった。そして年末に会社を設立した。私もちょうど同じタイミングに海外ブランドの日本上陸が決まり、夏から冬にかけては立ち上げでかなり忙しく過ごしていた。「夏以降に出会っていたら、お互い余裕がなくてそもそも付き合ってなかったよね。」といつも話している。

−結婚して良かったこと

この人と結婚して良かったなんて、人生の終わりにならないと分からないと言っておきながら、私は夫と結婚して良かったと思っている。毎日幸せだ。これから先訪れるであろう夫婦の危機のために、何が幸せなのかメモしておこう。

結婚して一番良かったのは、『新しい役割を与えられた』こと。

私は本当におっちょこちょいで、抜け漏れが激しく、まぁとにかくダメな人間だ。「意外!そんな風に全く見えない」と言っていただけることがあるが、そう言ってくれる人は私の本当の姿を知らないだけだ。これまでの人生で一番言われた言葉は「普通に考えたら分かるよね!?」だ。そう、私は普通に考えたら分かることが分からないし出来ない。

夫は5本指ソックスを愛用しているが、私が洗濯物をたたんだ次の日は朝から夫の笑い声が聞こえる。「今日もどっちも右足!(もしくは左足)」1セットならともかく全部片足セットなのだ。最近は両足セットでたためるようになった。

洗濯系のネタでもう一つ。新居に引っ越すタイミングで、洗剤・柔軟剤の自動投入機能が搭載された最新の洗濯機を買った。洗濯のたびに洗剤・柔軟剤を入れる必要がなく乾燥まで出来ちゃうなんて、本当にボタン一つで洗濯が終わるね!とワクワクしていた。

初めて洗濯機を回した日、その日洗った洗濯物からは柔軟剤の香りがとても強くした。「最新の洗濯機は柔軟剤もよく香るんだね」と無邪気なことを言っていたが、そんなはずはない。一ヶ月後に気付いたのだが、その洗濯機には自動投入機能用と通常用の2つ洗剤・柔軟剤を入れるところがある。私は通常用(洗濯のたびに必要量を入れるところ)に購入したての洗剤・柔軟剤をドバーッと全部入れた。しかも大容量を購入したので、通常の約5倍の量だ。それを一度の洗濯で全て使い切ったのだ。それだけではない。約一ヶ月間、洗剤・柔軟剤は自動投入されていると思い込んでいたので、その間は水だけで洗っていたことになる。ちなみにその時に洗ったシャツからは、今もかすかに柔軟剤の香りがする。

今日は春巻き食べよ!私が買い物に行くね!と言った日は、いざ包もうと思った時に春巻きの皮がなかったり、今日は私が料理をするね!と言っておきながら、油がパチパチ飛んで熱い!とフライパンを放置する。

自分で書いていてもおかしくなるが、こんな調子なので仕事でもひどいミスや失敗がたくさんある。当たり前のことが当たり前に出来ないことに悩み凹むこともある。

ただ夫は私がヘマをする度に「本当にキュート!」となぜか喜んでいる。めちゃくちゃ機嫌が悪くてキーキー言っている時も、じーっと私を見つめて「真奈美は本当に可愛いね」といつも言ってくれる。最初は本当に優しい人だなと思っていたが、どうやら夫は本当にどうしようもない私のことが好きなのかもしれない...と思い始めている。

今後の人生やキャリアで悩んでいる時、夫はいつも「真奈美が楽しいと思えることを好きなようにやればいい。真奈美が真奈美らしくあることが一番いい。それ以外のことは何も考えなくていいよ。」と言ってくれる。私は自由でゴーイングマイウェイなところがある一方で、こうすべき、こうしなきゃ、と自らを型にはめてしまうようなところがある。周りが驚くほど大胆な行動を取っておきながら、実は気にしいでチキンなところもある。常に相反する要素が混在している本当にアンバランスな人間だ。

だから本当によく悩んでいる。ただ夫に出会ってからは、私が私らしくいることが、もしかしたらこの人にとってもプラスになるのかもしれない、と思うようになったのだ。私が私らしくあるということは、夫がいつまでも私を面白がってくれるということだ。大げさかもしれないが、私は夫に出会い自分に新しい役割を与えられた気がするのだ。しかもそれは自分が一番幸せになる役割だ。

この先子供ができたら「母親」という新しい役割を与えられる。その時に自分が何を感じどう変わっていくのかこれから楽しみだ。

これは結婚に限らず仕事でも言えることかもしれない。自分が何かの役に立った時、新しい案件を任された時、初めてチームを持った時...これまでなかった新しい役割を与えられる。昔の上司が言っていたが、人はいつだって人から役割を与えられる。本当にそうだと思う。

一人では辿り着けなかった場所へ連れて行ってくれる

誰かが、「結婚は一人では到底辿り着けなかった場所へ連れて行ってくれるものだ。」と言っていた。今私が感じていることはこれに近いかもしれない。私は夫と一緒になり、絶対に変わらないと思っていた価値観がいとも簡単に変わった。

スイーツなんてまともに作ったことがなく何事も三日坊主な私が、夫の大好物のレアチーズケーキだけは毎週のように作っている。より美味しくなるように、毎週試行錯誤しながら作っている。何十回と作っているが、材料を買いに行くたびに夫が喜んでいる姿が目に浮かび、早く作りたくなる。「試着室で思い出したら本気の恋だと思う」という名コピーがあるが、それに近い気持ちだ。

私はこの毎週のレアチーズケーキ作りを通して、自分の「こうしたい」がベースになっているものは、すぐに飽きてしまい他のことをしたくなるが、誰かが喜んでくれることは飽きずに続けられる事を知った。

自分一人では辿り着けない、とは少し違うかもしれないが、自分一人では感じられなかったことや気付けなかったこと、変わらなかった価値観が変わるなど結婚したから見えたことがたくさんある。

書くことが大の苦手。2,000字とかムリムリ!と思っていたが気付いたら4,000字を超えている。ちょっとしたメモ程度に書くつもりだったが、書きたいことが次々と溢れてくる。あぁ私は本当にこの人のことが大好きなんだなと思う。

どう〆れば良いか分からないが、何十年後かに見た時のために幸せな言葉を残しておこう。

いつも本当にありがとう。大好きだよ!




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