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お肉と会話する

最近の世の中は、お一人様に優しい。
1人カラオケに1人映画など、いろんなお一人様をしてきた私が、今日は新しい体験をする。

人目を気にしつつ店内に入ると、食欲をそそられる匂い。壁には、No meat No lifeの文字。
お一人様がたくさんいた。仲間意識が芽生える。

席で注文し、火をつける。
カウンターで商品を受け取ってトングを持てば、
自分だけの世界でお食事開始である。

私は生まれつき、肉を見ても食べてもどこの部位なのかわからない、という欠点がある。
逆を言えば、どんな部位も肉として認識する最高の人間なのかもしれない。

唯一分かる牛タンを焼く。
かわいい専用ロースターに乗せた瞬間、音、匂い、いろんな表情で牛タンが話しかけてくる。

普段は誰かと話していて気づかないが、
お肉が焼ける姿はこんなに魅力的だったのか。

口に入れた瞬間、溢れる旨味。
これぞ焼肉。店名どおりいいねを押したくなる。

名前の分からぬ肉達も焼く。
焦らす奴もいれば、すぐ焦げて助けを求める奴もいる。十肉十色である。

君たちの名前を知って食べると、より会話が楽しめるかもしれない。
そう思えたお一人様体験であった。


そう、これは「焼肉ライク」の話である。

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