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初彼①

あー彼氏ほしー!!

高校3年生4月。

周りの友達はどんどん彼氏を作り、大人の階段を1歩1歩進んでいく姿に自分だけ置いていかれてる感覚、そしてその階段1段1段どんな風にみんな登って行ったのかという想像が止まらない。

どこにでもいる田舎でランドセルが高校生になっても似合う、簡単に言えば芋女「安田友美」それが私だ。

初恋は小学2年生。名前は「悠太」。好きになった理由もクラスでおもしろかったから。本当に深く考えない単純な理由。サッカーがうまい、カッコいいという理由は当てはまらない。みんなはモテる男子1位2位のどっちが好きかを言い合ってるけど、私にはどちらも当てはまらない。ただただクラスを笑わせる悠太が本当に好きだった。

悠太が好きだと言ってくれた小学4年生から5年生。
周りの子もいたため

絶対からかってる。

そう思った。だから

私は好きじゃない

と言い張った。あの時素直になってたらどうなってただろうと今でも思う。

中学2年生。悠太に彼女ができたと噂が耳に入ってきた。自分から「好きじゃない」と言った後悔と好きな人が好きになってはいけない人に変えないといけないというショックが大きくて泣いた。

それから好きな人を作れない。
いまいちピンとこない。
悠太を好きな気持ちがなくならなかった。
抑えようとするほど反動が大きくなっているのはわかっていた。

だから私は高校生になっても他に好きな人ができなかった。少しいいなと思う人はいたけど、悠太が心の根底にいた。いっそのこと告白しようかなと何度も思った。だけどあの言葉を言ってから私は気まずくて話ができなかった。目があってもすぐそらす。廊下ですれ違う時は息を止めて歩いた。そんなんで存在が消えるわけでもないのに、消したかった。

そのくらい大好きな悠太を忘れる事はできなかったのに、忘れさせてくれた人が現れた高校2年生。

私の人生にとって悠太を超えるほどの色んな気持ちを体験させてくれた出会いとなる。



#忘れられない恋物語 #初彼 #短編 #小説

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