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なにぶん嘘日記11/23『まじめとは』

 私は月に二~三回、秘密結社の会合に出席している。流行り病以降は秘密結社といえどもzoomになったので非常に便利である。
 先日のお題は『まじめとは』であった。お題について二時間語り合うのが秘密結社の主な活動である。まじめな秘密結社なので。

「よく二時間もしゃべってるよねー」
 お菓子ポリポリしながら茶々を入れる居候の小人は無視する。
(…最近「うぇーい」だけでなく普通に話すようになった。諸々の都合のためもあろう)

 定型に収まることを真面目と言うならば、型から外れることは不真面目である。基本設計が真面目な人は、子どもの頃に刷り込まれた『型』を壊すことを恐れる。
 しかし年をとれば様々な出来事に遭遇する中で、うっかり型が壊れるような経験もする。そこでようやく「あれ?壊してもどうってことないかも」とわかりかけるのではないだろうか。
 お年頃としては、アラフォーとかアラフィフになっているかもしれないが。

「ikuちゃんのお年頃はアラフィフって言わないんだよ。むしろアラカ…」
 小人からお菓子を取り上げる。しかしすぐに奪い返される。

 そう、そして真面目だった人は人生の後半に、ようやく意図的に『型』を壊し始める。
そして執着や自我を手放し、人生の新たな冒険を始めるのである。
うぇーい!

 そういえば、秘密結社の会合で、参加表明もしていない小人が勝手にチャット欄に「みんなまじめすぎ!うぇーい」などと書き込むので困った。

「あんたは基本設計が不真面目なんでしょ」
「小人には、そもそも定まった型などないのじゃ…」
 お菓子のクズをぽろぽろこぼしながらエラそうに言うことか。

「それもまた捉われにすぎないのじゃ。お菓子のクズがこぼれたらアリさんにあげればいいだけなのじゃ!」
 アリさんはもう冬眠したと思うけどねぇ。
 このところ禅にハマっているらしい小人は、『正法眼蔵』の上で鈴木大拙の文庫本を枕にごろごろしている。うぇ~い。
身心脱落!


※更新はきまぐれです。
また、コメントいただいた場合、返信は居候の小人にさせますので失礼がありました場合はご容赦くださいませ。
(だいたい「うぇーい」とか言って言葉使いもテキトーです)

※私の日記は表題通り『なにぶん嘘日記』です。
百パーセント真実ではなく、半分、あるいは三分とか八分とかの嘘、すなわちフィクションが含まれるという意味と、「なにぶん嘘もありますのでどうぞよろしく」という意味の両方が含まれております。


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