By the window

実家の小さな飲食店を手伝いながら、平日は高校教師。学校の非常識は世間の非常識を日々実感。

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実家の小さな飲食店を手伝いながら、平日は高校教師。学校の非常識は世間の非常識を日々実感。

最近の記事

課題テストの課題

新学期、課題テストが行われたようです。少なくない生徒たちは、ノー勉でテストを受けます。そして、テスト後に提出することになっている課題の問題集の答えを写して、自分で丸付けをします。丸写しがバレないように、わざと間違えた答えを書いて、Xをところどころつけます。自作自演課題提出、休み明けの風物詩です。 僕が顧問をしている水泳部の生徒たちが、朝から部室で答えを写していたのを目撃。 それ意味ある? ないない。 やれやれ、まったく、やれやれです。 僕も課題テストを実施しました。で

    • 脳内麻薬とお勉強

      やるからには本気です。本気にならないと、楽しめません。毎日精進です。なんのことかというと、スマホゲームのツムツムのことです。一年ほど前、生徒にすすめられたんです。で、ハマったというわけです。 つなげて消す。ただ、それだけ。コインが貯まってきて、新しいキャラをゲットできます。仲間とハートを送りあい、ハートが貯まれば貯まっただけ、プレイできます。課金せずとも、楽しめるものです。ただ、本気ならば、ですが。 最近では、本気すぎて、生徒にやりすぎとバカにされています。やりすぎにも関

      • 五月二日の授業のこと

        今年度は、一年生に、徹底的に発音を教えています。日本語にはない音がたくさんあるんです。RとLの違いとか。TH、F、Vなどなど。母音も日本語は五つですが、英語はもっとたくさんあるんです。 英語の歌を完コピしてカラオケで歌えるようにしよう、と。ジョン・レノンのイマジンで、発音の練習をしました。歌詞をグループワークで日本語で訳して、そこに込められたメッセージをプレゼンなんてのも行いました。 予想外に授業は盛り上がって、驚きました。やはり、歌の力か。ジョン・レノンは今も偉大。

        • 狼になれ

          今年度は一年生を担当しています。かわいいね。英語おもしろいって、目をキラキラさせて、ニコニコしながら、授業に参加してるよ。でもね、これが、学年が上がっていくうちに、調教されて、テストに出るかどうか、課題提出があるかどうか、ペナルティがあるかどうか、そんな打算でしか勉強しなくなるのが本校のこれまでのトレンド。 アメとムチでしか教えない教師たちに、つまり外発的動機づけしか脳のない教師たちに、生徒たちは知的好奇心を奪われ、頭の中は空っぽになっていき、家畜となっていく。やがて、悪ど

        課題テストの課題

          仕事しよう、作業じゃなくて

          計画したこと、計画通りに行う。これが、仕事だと思っている教師って多いんだよねえ。何がなんでも計画通りに進めようとするから、衝突はあるは、ストレスは増えるは、他人も自分も傷つけるは……。そんな光景見飽きたよ。 計画なんて、ざっくり方向性を決めるくらいでいいんだよ。で、様子見て、臨機応変に、アドリブを効かせる。これがお仕事。アドリブってのは、常に準備してないとできない高度なこと。 おもしろくない小説ってね、作家が結末まで構想をバッチリ練って、計算通りに筆を進めてくやつ。すぐわ

          仕事しよう、作業じゃなくて

          教科書通りは……

          サンクコストは、ビジネスの世界では常識。これまでどんだけカネを突っ込んできたかに関わらず、意味のないプロジェクトは、即、打ち切り。そうしないと、さらに傷口を広げるだけ。 一学期やってきて効果がなかったら、二学期からは止める。 学校では、なかなかこれができないんです。生徒をの顔を見る前に、一年の計画を立て、それを一年間押し切るスタイルの教師がたくさん。 PDCAサイクルを回しましょう、と管理職。P(計画)を立て、D(実行)して、C(チェック)して、A(改善)する。そもそも

          教科書通りは……

          校長の話がつまらない訳

          これまで何人もの校長の話を聞いてきましたが、一度もおもしろいと思ったことがありません。本当にただの一度も。歴代の校長さん、すまない。これは事実なので。 入学式や卒業式など、かしこまった時には、話がつまらないのはしかたがないとして、朝礼や始業式や終業式くらいは、ちょっとくらいいい話をしてもいいのでは、と思うのですが。 校長は、話を無条件に聞いてもらえます。もし、生徒が下を向いていたり、居眠りしていたりすると、担任教師に頭を小突かれるでしょう。つまり、話を聞いてもらう努力をし

          校長の話がつまらない訳

          いまだにマスク論

          ノーマスク生活もかれこれ一年ほど。一年前の四月、もうマスクは個人の判断でってなった時、当然のようにノーマスクで学校に行きました。始業式では、僕以外、全員マスク。ま、努めて、堂々と振る舞いましたが。 一週間経っても、一ヶ月待っても、ほとんどの生徒がマスクをつけたまま。教員もほとんどがマスクをしていました。 え、なんで?いつまでコロナデイズを続けるの?たしかに休校の時は、仕事も楽で、コロナバケーションなんて言ってたこともありましたが。もうコロナ禍は終わらせてもいいのでは?

          いまだにマスク論

          学校の外

          実家の飲食店の手伝い、本気でやってるんです。本気でやってると、小商いながらも、同業者も認めてくれ、仲間ができます。 仲間は、同僚とも、友達とも、違います。どうやら、同じ熱量の人どうしが仲間になれるようです。僕はもともと基礎体温が高いので、なかなか熱い人と仲良くさせてもらっています。 大学を出て、すぐに教師になったので、僕は学校しか知らず、世間に疎かったんです。でも、その仲間のおかげで、ずいぶんと視野が広がり、考えも深くなって、遠くを見るようになりました。仲間には感謝です。

          学校の外

          学校のDAO

          DAOは、Decentralized Autonomous Organization”の略称で、分散型自治組織のこと。Web3.0の社会では、頂点に権力者がいてトップダウンのピラミッドの権力構造ではなく、ボトムアップ、誰かに支配されるんじゃなく、みんなで信頼しあって、チェックもしあって、社会を運営していきます。 老子の考えと同じ。支配しないことで国を治めるような。アナキズムとも同じ、無強権主義。 教壇に立ったその日から、それが理想でした。実践もしましたが、ことごとくうまく

          Challengeの中に

          英語のChallengeの中には、Changeが入っています。 Aという方法でダメなら、科学では、Bを試すんです。それでもダメなら、C、D、E…… しかし、学校では、Aという方法でダメでもまたA、それでダメでもまたまたAやっちゃうんです。伝統とかなんとか言って。学校の多くの伝統は、進歩なき繰り返しであることが多すぎます。 ホメオスタシスという機能が生物にはビルトインされているようです。同じ状態をずっとキープするんです。体温を一定に保ったり。だから、体型などなかなか変わらな

          Challengeの中に

          リーダーの条件

          リーダーシップが、圧力だと思っている人、ちょっと多いかな。マウントできるかどうかが、リーダーの資質じゃないのに。 それぞれのメンバーの強みと弱みを把握し、どの場面でどの組み合わせが、チームに最適かを判断するのが、リーダーの仕事。コーディネーターといったほうがいいかもしれません。 声が大きくて、圧の強い人ばかり、トップが課長だの主任だのに据えるから、ハラスメントもなくならないのでしょう。 威圧感で人を思うように動かすことは、すでにハラスメント。暴力です。 以前、野球部第

          リーダーの条件

          グレーなわからなさ

          わかりやすい授業、生徒たちには好評です。そう、勉強はわかればおもしろいものです。 先日、授業で質問をしたら、わかりません、と生徒が答えました。そして、その次の生徒も、わかりません、と。その次の生徒も、そのまた次の生徒も。もう、こうなると思考停止、あとは同調するだけ。 そんなことで、周りにあわせてたら、みんなでバカになっちゃうぞ、と。 ちょっと言いすぎたか、とは思いましたが。 でも、わからないって、悪くないかもね。考えて、考えて、考えた末に、わからないんなら。僕だって、

          グレーなわからなさ

          シン・ウサギとカメ(おもしろさの瞬発力)

          「ドジでノロマな亀」がもてはやされた頃がありました。昭和の頃に。 平成も終わり、令和な今、そんな亀はオワコンです。 童話ウサギとカメでは、ウサギはさっさとゴールの近くに行き、カメがノロマなので、昼寝していたら、眠っているうちに、カメがゴールインするというオチ。昭和ピーポーは、この話が大好き。ドジでノロマでも許され、しかも、勝っちゃいますから。 前にも書きましたが、シン・ウサギとカメでは、カメがゴールに近づいた頃、ウサギのスマホのアラームが鳴り、ウサギは目を覚まし、カメを

          シン・ウサギとカメ(おもしろさの瞬発力)

          つまらなさの持久力の対極

          学校では、頭の中に何が入っているかを問われます。 社会では、頭の中から何が出てくるかを問われます。 そう、アイディアを出せるかどうか、が鍵。 最近は、このブログを始めたので、アイディアが出なくなったら嫌だなあ、と思うんです。で、胸のポケットにはいつも折りたたんだA4の紙とペンが入っています。横長に二つに折り、それをパタンパタンと畳むと、八ページのメモ帳ができます。裏を使えば、もう八ページ。何か思いついたら、メモメモ。 不思議なことに、メモするようになったら、次々とネタが

          つまらなさの持久力の対極

          あいさつは大事

          多くの学校で挨拶には力を入れて指導しているようです。本校もしかり。誰もいない校門で、下校時、振り返って頭を下げて帰っていく生徒もちらほら。本校の素晴らしき伝統なんだとか。 ま、学校の伝統の多くは、進歩なき繰り返しですが。 僕は空気に頭を下げることなど、バカらしいと思っています。おそらく、先生に見られているかもしれない、と思って、礼をしているのでしょう。心がこもってないのは、明白。 運動部の生徒たちが、すれ違う教師全員に、大きな声で挨拶します。挨拶は、コミュニケーションの

          あいさつは大事