おかみ修行その17

喜楽屋おかみ修行 その17 巡礼デビュー

昨年のおかみ修行に観音様参りのことを書きました。
喜楽屋でも、お客様と一緒に巡礼の旅ができるといいね、と主人と話が盛り上がり、経験豊富な方の協力を得て今年の春から実行しよう!と張りきっておりました。

しかし、考えてみると主催する私たちが一度も巡礼を経験したことがなくて皆さんにお勧めして良いのだろうか?と疑問がでてきました。それはいけないということで、まずはおかみが経験してらっしゃい!と主人にポンと肩をたたかれ、先月巡礼デビューいたしました。

私たちの仲人をしてくださった、天寧寺さま主催の「坂東33カ所巡礼の旅」に無理を言って参加させていただいたのです。ご一緒したのは梅花講というご詠歌をなさっている方たち70数名です。

ご詠歌はご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんが、仏教の賛美歌のようなものです。巡礼はまったく初心者の私にも皆さん本当にあたたかく接して下さいました。

バスの中でお隣同士になった80才をすぎた奥様はとてもお元気なかたでした。若いころの話、子育ての話、今までの巡礼の話、ご詠歌の話、たくさんのお話をしましたが、どの話も楽しくてずっと笑いっぱなしの私。

その奥様はなにかにつけ、誰々さんのおかげよ、とか本当にありがたい事ですよ。と、おかげ、おかげ、感謝、感謝・・・。
と繰り返します。ですから、隣で話を聞いている私の垢もきれいに掃除してくださったようで、清々しい気持ちになれました。そして、海が見渡せる宿に一泊。

同室のみなさん、これまた素敵な方ばかりでした。

先々代のおかみ(祖母)先代のおかみ(母)の話が出たり、(祖母は巡礼によく出かけておりましたし、母はご詠歌でみなさんにお世話になっていたようです。)

なんだか、もう今は亡き二人のおかみと一緒に巡礼をさせていただいているような、そんな気持ちになりました。

千葉寺、高倉寺、那古寺、笠森寺、清水寺とまわりましたが、どの寺もそれぞれすばらしい寺でした。

観音様の前で般若心経をあげご詠歌をあげるのですが、ご詠歌初心者のわたし、なにやら不思な記号のついた歌詞?を見て一瞬たじろぎましたが、みなさんの歌声と、なんといっても鈴の澄んだ美しい音色に心が洗われて、すっかり魅了されてしまいました。

これは、ご詠歌のみなさんとともに巡礼ができたたまものですね。

堅苦しく考えず、からっと晴れた空のような人柄の方たちと一緒に巡礼デビューができたこと。そして、一泊二日家を空けることを快く承諾してくれた家族にただ、ただ、感謝。

「一人一人がみな観音菩薩ですよ」と気づかせていただいた旅でした。


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平成17年(2005)3月22日 やすらぎ通信第十七号より
青梅の古刹、天寧寺様の梅花講の巡礼に参加したときのエッセー。
ベテランさんばかりの講(こう)ですので、勉強や経験はもちろんリラックスして参加できたようです。

なお、当店はショールームを構えず、訪問販売・通信販売に特化した店になっています。
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