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スポーツの動画配信業界の課題と解決策を考えてみよう

こんにちは。

本日は、「スポーツの動画配信業界の課題と解決策」についての投稿をしたいと思います。


1.止まらないDAZNの値上げ

まず、こちらのニュースをご覧ください。

スポーツ映像ストリーミングサービス大手「DAZN」が2024年2月14日から、基本プラン「DAZN STANDARD」の月額料金を、3,700円から4,200円に値上げすると発表した、というニュースです。

DAZN STANDARDは、サッカーのJリーグやプロ野球、NFL、総合格闘技などDAZNの全コンテンツを視聴できる基本プランでありますが、2022年2月に月1,925円から3,000円になり、23年2月には3,700円に値上げされていたことから、3年連続の値上げとなっています。

3年間を見ると、価格が約2倍も上がっているので、消費者からすると悲鳴を出したくなる状況でしょう。

値上げは、DAZNだけでなく、例えば、WOWOWや、SPOTV NOWといった競合のスポーツ動画配信サービスにも起きています。

一体、今、スポーツの動画配信業界に何が起きているのでしょうか?

そこで、本記事では、スポーツの動画配信業界が抱えている課題、および、その課題を解決するための施策について、話したいと思います。


2.スポーツの動画配信業界の課題

現在、スポーツの動画配信業界が抱えている課題はどのようなものがあるのでしょうか?

主な課題は次の3つとなります。

(1) 競争の激化による放映権の高騰
1つ目は、競争の激化による放映権の高騰が、動画配信を展開する企業の経営を圧迫していることです。

近年、スポーツを配信するサービスが多くなり、企業どうしの競争が激化しています。

下記はスポーツ中継を配信しているサービスの一例ですが、様々な企業がいますね。

従来はスポーツと関連性が無かったAmazon(Amazonプライムビデオ)やサイバーエージェント(ABEMA)も参入しています。

しかも、下記の図はOTT(On The Top:インターネット回線を通じてコンテンツを配信するストリーミングサービス)の企業であり、それ以外に、テレビの放送局もスポーツの動画配信業界に属していることを考えると、スポーツの動画配信業界は、真っ赤なレッドオーシャンになっているのです。

様々な企業が参入することで起こることは、スポーツ中継の放映権の取り合いです。

そして、放映権の取り合いが激しければ激しいほど、放映権料は高くなります。

実際、欧州サッカーで今、最も人気が高いプレミアリーグや、米国の主要リーグの放映権料は、どんどん高くなっています。

経済産業省、スポーツ庁「トップスポーツのさらなる拡大③スポーツDX」

放映権料は、スポーツ配信の企業にとっては「費用」ですので、放映権料の高騰は、費用が高くなることを意味しています。

ABEMAを展開するサイバーエージェントは、2022年のでサッカー・ワールドカップ(W杯)の放映権が利益を圧迫し、2022年10月~23年3月期の連結決算は、純利益が前年同期比83%減(28億円)となりました。

また、2024年のサッカー日本代表が参加するアジアカップでは、テレビ放送局(地上波放送)は採算が合わないことから、放映権の獲得競争を撤退しています。

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