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ジョルノという男、メローネという男

天界より愛を込めて。こんにちは。きらすけです。

今回はタイトル通り、『ジョジョの奇妙な冒険』第5部『黄金の風』に登場するキャラクター、『ジョルノ・ジョバァーナ』と『メローネ』についてのちょっとした所感の話。
具体的には、「ベイビィ・フェイスはもともとゴールド・エクスペリエンスだったんじゃないか」という話です。

サムネの画像はそれぞれ10秒くらいで描いたジョルノとメローネです。拾い物の画像使うのもなんだかなと思ったので。

ここに書いてある話は一から百まで考察とも呼べないほどの邪推・憶測・与太話です。他のところであんまりこの話を出さないようにお願いします。


ジョルノとメローネについて

まず最初にそれぞれの基本データをおさらい。

ジョルノ・ジョバァーナ
ジョルノ・ジョバァーナとは、『ジョジョの奇妙な冒険』第5部「黄金の風」の主人公。『ゴールド・エクスペリエンス』のスタンドを持つ。(pixiv百科事典より、一部追記)

少なくともこの記事を読んでいる人なら言わずと知れているはずの、覚悟の決まりすぎている15歳のギャングスター。過去に母親からは育児放棄され、義父からは虐待を受けていた過去を持ちます。しかし、ある日出会ったギャングに支えられ、自信を得て、やがて自分もギャングスターを目指すようになるのでした。
スタンドは『ゴールド・エクスペリエンス』。無機物に生命を与えるというものです。その生命体に攻撃すると自分に跳ね返る?そんな話は忘れなさい


メローネ
漫画『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』に登場する「変態」である。(pixiv百科事典より、原文ママ)

こちらは5部を読んだのが大分昔という人には忘れている人もいるのでは無いでしょうか。ジョルノたちと敵対する暗殺チームの一員、ヴェネツィアに向かうジョルノの前に立ちはだかったスタンド使いの1人である。「ディ・モールト(非常に)イイぞッ!!」の人、手を舐める人(吉良吉影ではない)(ブチャラティでもない)(ブチャラティは手は舐めてない)と言ったら思い出す人も多いでしょう。
スタンドは『ベイビィ・フェイス』。「親」と「子」に分かれており、女性の体を媒介に「親」によって「子」を生み出し、その「子」によって相手を半自動的に攻撃させるというもの。『ゴールド・エクスペリエンス』とは対照的に「子」には有機物を無機物に変える能力があります。
彼の過去は作中では言及されませんが、本人の性格やスタンド的に"何か"あったのは間違いありません。


ジョルノとメローネの対比

さてこんな2人ですが、作中ではタイマンを張ることになります。そのバトル中、真逆とも言えるベイビィ・フェイスの能力から自身のゴールド・エクスペリエンスを成長させたジョルノのセリフがこちら。

「『似ている』」「君とぼくの『ゴールド・エクスペリエンス』 とても似ている 何かを作るという点で」

「運命なのか…それとも似たようなスタンド同士の引力で君とぼくは出会ったのか…」

ともに『ジョジョの奇妙な冒険』第5部『黄金の風』JC54巻より

このセリフからも分かるように、作中でゴールド・エクスペリエンスとベイビィ・フェイスは『似ている』能力として対比されていることが分かります。

どちらも生命を操る能力であり、どちらも無機物と有機物を作り替える。さらに言えばゴールド・エクスペリエンスが無機物から作った生命は元の持ち主を追跡し、ベイビィ・フェイスの「子」は「父」として登録された遺伝子の持ち主を追跡する。
こうして並べてみると本当に似てますねー……
いや似すぎじゃない????


ベイビィ・フェイス、もともとゴールド・エクスペリエンスだった説

というわけで今回の本題、「ベイビィ・フェイス、もともとゴールド・エクスペリエンスだった説」に入っていきたいと思います。

この「もともと」っていうのは何も作中の描写されていない過去でベイビィ・フェイスがゴールド・エクスペリエンスから悪魔変化したという訳ではなく、メタ的な意味です。つまり、ベイビィ・フェイスは荒木先生がゴールド・エクスペリエンスを作り出すにあたって何らかの理由でボツにしたネタを使ったものなのではないか、ということです。

そう考えた理由として、ゴールド・エクスペリエンスの元ネタ、Princeのアルバムである「The Gold Experience」があります。
このアルバムを任意のサービスで一通り聞いていただくと分かるように、このアルバムには曲の合間合間に女性の声でアナウンスが入ります(曲の途中に入ることもあれば、NPG operatorというトラック名で入ることもある。例は下)。

(このトラックは一応「曲」ではないのに2023/11/26現在9.4万回も再生されてる。さすがPrince)
この音声、内容は大体同じなんですが、アルバムが進むにつれ少しずつバグっていきます。#6にもなるとかなり壊れてる。

音声が壊れる、それは逆説的に言えばこの音声は機械から流れているものであるということです。
そして(僕はデジタルネイティブ天使なのでちょっとカセットテープやラジオその他の壊れ方には疎いんですが)この壊れ方、この音が多重になって壊れる感じ、どっちかっていうとコンピュータの壊れ方っぽくないですか?

(いわゆるチートバグ的な壊れ方。チートバグはゲーム機なんですが、要するにラジオとかの壊れ方と違う気がする、ということで……)

また、この音声で繰り返し言っている「please access(blah blah)experience」という言葉はさまざまな体験にアクセスする、ということからどことなくインターネットを思わせます。

つまり、アルバム「The Gold Experience」のモチーフのひとつにはコンピュータ……少なくとも機械……というものがあると言えるのではないでしょうか。

それを踏まえた上でベイビィ・フェイスの「親」のデザインをご覧下さい。

アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』公式サイトより。左上のコンピュータ状のスタンドが「親」

いやお前ゴールド・エクスペリエンスちゃうか?????(暴論)

さすがにこれだけで決めつけるのは暴論なんですが、何だか「お前ゴールド・エクスペリエンスちゃうか……?」という気持ちになってきます。

まあぶっちゃけスタンドのデザインやら能力やらはわりと荒木先生のセンスで、あんまり元ネタには関係ないとは分かっているんですが……
それにしても奇妙な符号です。

もともと「親」が「コンピュータ」って時点で不思議というか、メローネの闇の深さを感じる話ではあるのですが……それも今まで考察してきたことと同じような理由からデザインした、ゴールド・エクスペリエンスのデザイン案の1つとしてあったものを再利用した、ということであれば納得がいきます。

さらに考えれば、ベイビィ・フェイスの本質である「一人の"母"から生まれた子供が"父"を追跡する」という部分は、ジョルノの出自と似ていなくもない、と言えます。(ジョルノもまた父DIOの写真を大切に持っている)

もしかしたら5部は、無機物と有機物を自由に作り替え、"親"を追跡する自動操作型のスタンド能力を持った主人公が、謎に包まれたギャングのボスを追い詰めてのし上がっていく話だったかもしれない…………どうですか?考えれば考えるほどそれらしく思えてきませんか?
それらしく思えてくるだけですよ。気をつけてください。一切根拠は無いので。騙されちゃダメです。


では、メローネとジョルノの違いはなんだったのか

以上の邪推を踏まえて、ジョルノとメローネの人格について考察していきたいと思います。

『似ている』。そのジョルノのセリフ通り、ベイビィ・フェイスとゴールド・エクスペリエンスの能力は似ている。さらに言えば、もしかしたら彼らの出自自体も『似て』いたのかもしれない。

ではどこでメローネはジョルノにならず、ジョルノはメローネにならなかったのでしょうか。

それはベタな話ですが、ジョルノの人生を変えたギャングとの出会い……つまり人を信じるということへの目覚めが鍵なのではないでしょうか。
ジョルノは家庭環境に恵まれなかったが、ギャングと出会い人を信じることが出来るようになった。そのギャングのような人がメローネには現れなかった。あるいは、出会いがあまりにも遅すぎた。そのため、メローネはジョルノになれなかったのではないでしょうか。

そう考えると5部のテーマの1つでもある『運命』の皮肉さが感じられます。
なり得たかもしれないけれど、『運命』の巡り合わせでそうはならなかったもう一人の自分に、ある意味"踏み台"にされて殺されていく……何か可哀想になってきました。一体メローネがどんな悪いことをしたと……




『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』JC54巻より

ディ・モールト(非常に)してました。



おわりに

という訳で、今回はThe Gold Experienceのアルバムから邪推したジョルノとメローネの関係についてでした。

主人公と対照的な者を敵として戦わせ、キャラを引き立てたり成長を促したりする……荒木先生の漫画の作りにはいつも感動させられっぱなしです。でも普通そういうときはこんな振り切った変態にはせんでしょ。一歩間違えたら主人公があの変態になってたかもしれないと思うと震えますよ。

とはいえ、メローネというキャラクターには得体の知れない魅力があるのも確かです。確かに変態だけど、それだけではない闇を感じさせるキャラ造形が人を惹きつけるのでしょうか。
いつか彼の過去が何らかの形で明かされる日が来るといいな、と思います。いややっぱ知りたくねえかも。怖すぎ。闇深すぎ。

今回はここまでです。おそまつさまでした。

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