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トチったらその場からやり直す派

ナレーター仲間である白河那由多さんの記事を拝読しました。

収録途中で読み間違えたり言葉がつっかえたりしたとき……つまりはトチってしまったら、私も那由多さんと同じくすぐ止めてその場からやり直す派です。
なんなら原稿を1テイクと換算するとぶっ続けで完了したいまであるくらいです。ちなみに短めの尺(~1分くらい)はその場からやり直したらテンポが崩壊するので、なるべくぶっ続けで録るようにしています。

本当はトチることなくスラスラとイメージどおりに一発OKできればいいのですが……スケジュールによっては下読みすら満足にできずに本番を迎えることもザラですし、集中力の持続時間に限りがあります。
それでもどうにか持っているのは納品(note朗読だと作品公開)というゴールが設定されているからで、これが趣味の領域となると何かにこだわり続けるあまり作業が長引く可能性があるからです(あくまで仕事としての話なので、別に趣味自体を否定しているわけではありませんよ)。

ナレーター界隈ではどちらかというと「トチっても押し通す派」が多い印象があります。そのせいか、私のやり方はある意味邪道なのかもしれないと思っていました。
ですが一回トチり出すと坩堝にハマり、下手すると言えるようになるまで10分はかかることもあります。そのときは一旦録音をストップしてその単語のみを繰り返して口を慣らしますが「トチってはいけない」というセルフプレッシャーもあって、結局は己との戦いにもつれ込みます。おそらく多くの宅録ナレーターは口と舌と心の闇とをひとりきりで対峙しながら収録しているのではないでしょうか?

宅録ナレーターさん達のやり方って、プロから見ても結構特殊なのだと思います。加えてその人がやりやすいようにやっているってのもあるので、ある意味正解も不正解もないんですね。
強いて言えば「コンディションを最大限に発揮できるかどうか」なので、自分に合ったスタイルでやってみれば良いとしか言えないところです。

那由多さんのやり方と私のやり方はほとんど同じですが、違う点を挙げるとすれば③(初見読み収録)⑦(完パケの確認※)です。
③は漢字の読み間違いやアクセント違いでNGになること自体時間の無駄なので、下読みは時間の許す限り何回でもやります。原稿を紙で出力する最大のメリットはその場でメモれることなので、フリガナと調べたアクセントは絶対メモしますし強調したい部分があれば丸なり四角なりで囲みます。
⑦はぶっちゃけそのとき次第ってのが大きいです。例えばnote朗読の10分超作品なんかは編集時に聴くってのもあって完パケの確認をせずに公開します。ただし、短めの尺や有料案件は完パケを確認しないと気が済まないのでそこは抜かりないです。

お金を得て収録することは、こだわりに対する一定の線引が必要です。

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