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劇場版『ドラえもん のび太の地球交響楽』を家族で観に行った感想(ネタバレなし)

 映画館で『マダム・ウェブ』がやっているというので観に行こうとしたら、陰鬱な家族行事と長男次男の定期試験終わりで気晴らしをしたいという話になってしまいまして。長女が『ドラえもん』の映画が観たいというので家族で観に行ってきたんですよ。

 そしたらなんか家族連れがいっぱいで映画館が満員なんです。なんだよ家族連ればっかりだなと思ったけど、よく考えたら山本家自体が家族連れでしたね。失礼いたしました。

 子どもたちからしますと、映画館の独特な雰囲気でコーラやポップコーンを食べながら家族で2時間映画を観るというのは家族の共有体験として大事だということであるらしく、定例イベントみたいになってしまいまいたね。良いことなのでしょうか。ポップコーンを派手に床にばら撒いて映画館で働く皆さんの仕事を増やしておりましたが…。

ドラえもんかゲストキャラかで悩むも、どっちもカゴに入れる寸前の幹事長。

 映画自体のほうは、大変楽しく拝見しました。控えめに申し上げて、よくできていて面白かったですね。

 物語の前半から三分の一ぐらいは「のび太がいかに無能か」という避けがたい事実を公開処刑のようにして繰り返し失態を見せる形で観客に印象付けていきます。いいから我慢して練習しろ。それなのに、怪文書を投函されて深夜の学校に足を踏み入れてしまう例の勇者5人組。やめとけよ。親も止めるべきだ、それは。

 前半たっぷり使ってのび太の無能ぶりをさんざん刷り込んだ後から、突然話がデカくなって、地球全体の危機になってしまうというのは驚きました。それを最初に言えよ。ロボ瀧廉太郎は泣いてるし。しっかりしろ。

あるもの全部が欲しくなり選べなくなる山本家幹事長。

 それにしても、4万年ものあいだ我ら地球の上空にはあんな異星からの巨大構造物が静止軌道上に浮いてたんですね。誰も気づかなかったんでしょうか。しかも、上空でロボが繁殖して独自文化を築いてました。お前ら意地張らずにそのまま地球に降りてきて一緒に暮らしたほうがいいのに。しかもロボベートーベンが出てきて挫折してましたが、充分やるべきことはやったと思いますよ。結局、事態の解決においては彼ら自体は特に何も功績は挙げてませんが、気持ちが大事なんです気持ちが。一緒に頑張ったんだっていう。

 しかしながら、様々な舞台装置が伏線と共に明らかになっていって、結局はドラえもんが出した道具が功を奏して危機を解決します。それを先にやれ。大気のない宇宙で音が聞こえるのかよっていう最大の難関も、何となく理屈もエコーもついて解決していたのですが、あれって爆発的な大気流出がお風呂場から発生して大厄災になってしまうのではないかと思いました。

万超えの戦利品を確保してご機嫌で映画館を後にする幹事長

 そもそも、クソ真面目だけど能力的には微妙な可愛いお付きのロボットが地球での音楽家のリクルーティングする能力がなく、間違ってただの無能の集まりであるのび太一行を勘違いで連れ去ってしまうところがイカンのですが、これだってドラえもんがいるからジャイアン氏の統率力もスネ夫氏の洞察力も価値のあるものになるのであって、やつがいなければ地球は滅んでいたことでしょう。

 ドラえもんの映画ですから、与えられたことを素直に受け取って驚いたりハラハラしたりせよ、ストーリーをありのまま受け止めろということで、子どもたちも感動していました。帰りしな火鍋喰べて帰りましたが久しぶりに親子の会話がクソみたいな成績や変てこな親族・ご近所に対する罵声ではない家族団欒にしてくれたのもドラえもんの魔力のお陰だと思います。

 子どものおられる方は、ぜひチケットを握りしめて映画館に突入しましょう。

 それにしても、石器時代にやってきた妹さん、原始人とまぐわりセックスの果てに子孫を残して地球で植民に成功していたというのは驚きでした。この生物学的な感動を子どもに伝えたらみんな冷めてましたが、すごいことだと思うんですよ。普通に異星からの種族が地球にやってきて繁栄し、しっかり遺伝子残してるじゃないですか。歌姫がどうとか言ってる場合じゃありません、これもうノーベル賞級でしょう。

 出産可能ということは、かの星で営々たる文明と歴史を築いてきた人々と私たち地球の人類との間では遺伝子の差異はほとんどない、ということになります。滅んでしまったのは残念ですが、たぶんお前らとはほとんど変わらない存在なのだから、別に帰らなくていいと思うんですよ。ゲストキャラで終わらせずに一緒にのび太の小学校に通って教師からのパワハラを喰らいながらみんなで一緒に暮らしていかんか。

 ここまでちゃんとSFやってる脚本も相当大変だったろうなあと思いますし、おお、あそこから感動的な場面にいきなり持ってっちゃうんだってのは凄く意外でした。とても楽しかったです。

 最終的に感動させられたので必然的に拙宅山本家幹事長の長女(4歳)が戦利品を物色してたくさんご購入と相成ったわけでございます。そんな山本家の短い休日も、そっと過ぎていきました。

 画像はAIが考えた『危機に際して猫型ロボットが計画的に物事を解決すると何の物語も生まれない日常』です。

お食事中もお気に入り。このペースだと来週も「ドラえもん観に行こう」と言われるやつです。ありがとうございました。
もうお前一人で処理できるだろっていう想像図。

神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント