見出し画像

山本太郎と詐欺話法

 れいわ新選組の山本太郎さんが能登半島地震の現地入りをしてしまったうえで、愚にもつかない解決策を総理の岸田文雄さんと石川県知事の馳浩さんにX(Twitter)上でぶん投げるという惨事がありました。

 個人的には賛否両論・両論併記の対象というよりは、これらの軽率な盲動については固く戒められるべきと思っていたところ、あろうことか山本太郎さんが一連の愚挙と凡庸な提言をもって政府が能登半島地震対策の方針転換をしたと自画自賛する内容が流れてきて、これはもう単純に「れいわはないわ」以前に有害なファッショだなあという思いを強くしております。

 問題は、物事の本質を理解しない層が、このような詐欺話法を使う山本太郎さんの行動は正しかったと誤認し、ゴミ箱としての性質を強くすることです。100人中、5人程度の支持を得られれば公党としての役割を一層強化できることは民主主義のコストとして仕方がない面はありますが(実際、公党要件は総得票数の2%というハードルでもあり、少数意見の汲み上げは必要であることの裏付けでもある)、同じ政府批判を行うにしても、やはり一定の適正な根拠と論理展開が必要とされるものとも思います。

 そればかりか、SNS上ではれいわ新選組支持者は総じて暇なのか、事実に基づかない陰謀論や、これといって根拠のない妄言を繰り広げ、真摯な災害復興を進める被災地での取り組みや政府への批判を続けているのは風評被害の観点から大変心配です。東日本大震災の経験から、イデオロギーだけでなく妄想や陰謀論にまみれたこれらの盲動の結果、過大すぎる福島原子力発電所の事故の影響を見積もり、日本の農産品などに対して世界的な風評被害が広がってしまった経緯があるからです。

 同様に、能登半島地震でも稼働しておらず致命的な事故は起きていないとはいえ志賀原発が現地にあり、これらの陰謀論や妄言の具として「政治家が現地入りしなかったのは、これら志賀原発で重篤な事故があり、健康被害が起きる危険性が高いことを政府や原子力当局は隠蔽しているからだ」などの陰謀論が、れいわ新選組支持者を中心に跋扈している現実があります。

https://twitter.com/search?q=%E3%82%8C%E3%81%84%E3%82%8F%E3%80%80%E5%BF%97%E8%B3%80%E5%8E%9F%E7%99%BA&src=typed_query

 本当に岸田文雄政権が能登半島地震で重大な指揮ミスがあるならばそれは当然批判されるべきことですが、現段階では、迅速で必要な、可能な限りの支援が被災地に対して行われていることを鑑みても、特段の批判の対象となるべきものではありません。むしろ、これから復興をどうするのかとか、サステナビリティに問題のある人口減少下の集落などをどこまで救済するかといった別の問題を解決する必要があり、そのための政策議論が必要な段階に入っています。

 日本にはしっかりとした言論の自由がある一方、このような馬鹿にはきちんと馬鹿であるという指摘を加えて批判しておく必要があるのではないかと強く思います。

 画像は、AIが考えた『来るなと言われているのに被災地に現地入りした政治家が、適当なことを言って馬鹿に危険な判断をさせる問題』です。


この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント