見出し画像

ノーパンをやめた日

 小学生の頃、ノーパンで過ごしたいなぁと衝動に駆られる日があり、学校が休みの日はノーパンで過ごす日あった。

ノーパンで過ごしたいと思うようになったきっかけは、記憶にない。

何かのタイミングで解放感を知ってしまったのか、
あまのじゃくな性格からパンツの必要性を疑ったのたか、
それとも、常識にとらわれない生き方を目指していたのだろうか。

 ある日、今日もノーパンで過ごそうと心に決め、
お気に入りのスカートを身にまとい、優雅にノーパンで過ごしていた。

 玄関のチャイムが鳴りお客さんがやってきた。

お客さんは近所の酒屋さんで、サザエさんでいうところの、「三河屋のサブちゃん」だった。

母親が玄関へやってきた。

なんとなく二人の話を聞きたくて、私はその場を離れなかった。

2人の話が長くなりそうだったので、
私はその場に座り、話を聞くことにした。

私は、体育座りになった。
そして、サブちゃんの方をしっかりと向いた。

スカートの下はノーパンであることも忘れて。

サブちゃんの視界に、私の「おまた」が否応なしに飛び込んできたのは間違いなかった。

サブちゃんは

「あっ!」

と言って、母親に対し何とも言えない表情をしていた。

サブちゃんは優しい人柄であったため、

「パンツ履いてない!」

とか、

「見えてるよ?」

といった、ありのままの現象を口に出すことはしなかった。

いっそのこと、そう言ってくれた方が、当時の私にとっては、救われていたのかもしれない。

私はその場でどうしたのかというと、

「何が?」

という顔をして、姿勢を変えず体育座りのままでいた。

サブちゃんはヘラヘラと母親と話しを続けていた。

私は「何も起こっていませんよ」という顔で
最後までしらを切ることにした。

姿勢を変えるということは、パンツを履いていない事実を
認めることになる。
それは何としてでも避けたかった。

サブちゃんがやっと帰っていった。

私は一気に恥ずかしさがこみあげてきた。

私の「おまた」を赤の他人に晒してしまったのは、
何よりも恥ずかしかったが、素直にノーパンであることを認められなかった自分が情けなかった。

 その後、サブちゃんが家にやってきた時は、顔を出さなくなり、サブちゃんのことが嫌いになった。

サブちゃんに何も罪はないのだが。

 それ以降、忌まわしい記憶を葬るため、お気に入りのスカートをタンスの奥にしまいこみ、二度と身にまとうことはなかった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?