禿げの父と弟
父は生前、禿げていた。
禿げの種類はM字禿げかO字禿げだったと思う。
禿げが進行する前は、ある程度髪の毛の長さもあった。
いよいよ、禿げが見るに堪えない状態になった時、潔く坊主にした。
無理して禿げを隠そうとはしなかった。
黒い粉をふったり、カツラを使ったりしていない。
潔く禿げを受け入れてくれた点は家族として尊敬している。
弟も数年前から禿げになった。
禿げの種類はO字禿げ。
頭のてっぺんが禿げて、カッパみたいな頭頂部になった。
そして、いよいよ禿げが進行して見るに耐えない状況になった時。
父同様、無理して禿げを隠そうとはしなかった。
父は坊主にしたが、彼はつるっつるのスキンヘッドにしやがったのだ。
見た目がかなりイカつい奴になってしまった。
ハンドバッグに金のネックレスなんかつけたらそれっぽい人に見える。
黒い粉やカツラをつけられても恥ずかしいが、スキンヘッドのいかつい見た目であるのも恥ずかしい。
姉としてなんとか力になってあげたいとは思っている。
タワマンに住むくらい稼げるようになったら、彼のAGA治療費をだしてあげよう。
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