No.33「伸び代をもっと大事に」

 こんにちは、あーさーです。
私は、15年間、公立の小学校で勤務しておりました。
働いていく中で、教育の奥深さに頭を悩ませることが多く、想いを共有できる仲間と語ることで、その悩みを解消してきました。素直な気持ちや考えを語り合える仲間に出会えたこと私の教員としての力量を高めるきっかけになったと思います。

 さて、今回は、「伸び代」について綴ります。校内で実施されるワークシートは、一般的に、単元の内容をどれだけ理解できているのか数値で計るためのアイテムです。多くの先生方は、この数値を成績に活用していることと思います。一見、便利なものと思えますが、私は、罠が潜んでいると感じています。

例えば、以下のようなお子さんを見てどう思いますか?

整数と小数→95点
小数をかける計算→100点
合同な図形→95点
平均→90点

きっと、「優秀だな。」という印象を受けたのではないでしょうか?では、こちらのお子さんについては、どう思いますか?

整数と小数→60点
小数をかける計算→55点
合同な図形→50点
平均→65点

きっと、「もうちょっと頑張らせたい。」という印象ではないでしょうか?これが自分の子だったら、「勉強しなさい!」「ゲームやっちゃだめ!」となるご家庭もあるかと思います。

先述したように、ワークテストは、その単元の理解度が数値で表れます。ですから、9割以上だとすごい!8割未満だと心配…というような意識が植え付けられていると思います。

しかし、上記の子のテストの点数が2回目だったら、どのような印象に変わるでしょう?

整数と小数→20点→勉強→60点
小数をかける計算→15点→勉強→55点
合同な図形→25点→勉強→50点
平均→35点→勉強→65点

こうして見ると、頑張ったことが伝わり、努力や伸び代を褒めたくなることと思います。

けれど、公立の小学校では、時間に追われることが多く、「学力調査→勉強期間→学力調査」というように伸び代を確認するための時間の確保が難しいという声も聞います。だからといって、この伸び代ではなく、ワークシートの数値だけで評価するには正確性がないとも思うのです。

私は、自由進度学習を取り入れてから、時数のゆとりが格段に増えました。そうしたことで、上記のような時間の確保も難しい課題ではなくなりました。

今回は、ワークシートを例に取り上げましたが、運動面に関しても50m走やマラソン、幅跳び、ソフトボール投げ、握力、縄跳びなど様々な場面でも同じことが言えます。

結果が大事ということもあります。
伸び代も見てあげられるゆとりが公立の教育にできることを願います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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