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アイスランド旅行記㉜ホテルのキャンセル、2度目のオーロラ

前回までのあらすじ

アイスランド第二の首都・アークレイリは、アートの街だった。変な日本語が散りばめられたお店のドアや、巨大な壁面アートを鑑賞し、バスに戻った頃にはすっかり日が暮れていた。

ホテルのキャンセル

この日の夜は、初日に泊まったホテルと同じ「ホテル ケフラビーク」を予約していた。

帰りの飛行機も、行きと同じコペンハーゲン経由のルートを予約済み。ケフラビーク空港へのアクセスが良いこのホテルは、初日と最終日の2日分を前もって押さえていたのだ。
当時のプランとしてはこうだ。「キャンプ地からレイキャビクまでボランティア仲間とバスで戻って来るのが3月2日の夕方頃になるだろう。そこでみんなと別れて、レイキャビクからFly busでケフラビーク空港まで行き、そこからタクシーでホテル ケフラビークへ。ホテルで一泊して、3月3日の朝にまたタクシーで空港まで送ってもらい、飛行機に乗る。」

しかし、大きな誤算があった(私が説明資料を読み間違えていた可能性もあるが)。アークレイリを出発した時、既に3月2日の17時を回っていたのである。このままでは、今日中にケフラビークのホテルに着くことなど不可能だ。
周りの仲間達に聞くと、今日はレイキャビクのBSIバスターミナルで始発を待ち、翌朝ケフラビーク空港へ向かうと言う。
私はそれまで空港やバスターミナルで一夜を明かしたことはなく、一応女だし、旅慣れていないし、危険だと思っていた。しかし、みんながそうすると言うので、そっか〜別に良いのか…ということで、私もそうすることにした。

ホテルのキャンセルは18時までなので、急いで連絡。キャンセル料については覚えていないが、前払いしていた宿泊代が返金されることは無かったような気がする。
一つ残念だったのは、「ホテル ケフラビーク」の外観写真を撮る機会が完全に無くなってしまったことだ。旅行記⑦を読み返すと、こんなことを書いていた。

なんだかバタバタしていたのでまたもや写真を撮り損ねたが、最終日もこのホテルに泊まることになっているので、帰りにゆっくり撮ればいいやと考えた。

アイスランド旅行記⑦ ホテル ケフラビーク より

旅では、「帰りに見れば良いや」「帰りに撮れば良いや」「帰りに買えば良いや」・・・はご法度なのだ。行程ではもう一度訪れることになっていたとしても、総じて思い通りにはいかないもの。「また来れる」という感覚でいると、必ず後悔するということを学んだのだった。

2度目のオーロラ

アークレイリを出発し、バスに揺られること2時間。
リングロードのとある場所で停車し、降ろされた。

もはや真っ暗で何も見えない。しかし外に出て空を見上げた瞬間、私たちは歓喜の声を上げた。

めちゃくちゃ綺麗なオーロラ!!!!

どうやらここは、アイスランド屈指のオーロラのスポットらしい。
例によって、この場所がどこだったのか全く分からないのだが、写真の位置情報によると、「Þjóðvegur, 541 アイスランド」という住所のようだ。人が大勢いたので、恐らく有名な場所なのだろう。

スマホの位置情報なので、正確ではないと思うが、アークレイリからの距離的にも概ね合っていると思われる。

キャンプ地のStöðvarfjörður(ストズヴァルフィヨルズル)で見たオーロラは、「ゆらゆら揺れて、生まれては消えてを繰り返す。まるでテレビの早送り映像のように、目の前で光が動いていく。生まれた光が、揺れながら消えていき、また新しい光が生まれる。」と表現したが、
この時のオーロラはあまりに大きすぎて、幻想的というより、超巨大天体ショーという感じの豪華さだった。とにかく、地平線が見えないほどの広い場所で、空がとても大きかったのだ。そこにオーロラがのさばっている感じ。

驚くべきは、私のデジカメでもこれだけはっきり写っているということだ。ここでは人から写真をもらうことができなかったので、デジカメの写真しか無いのだが、三脚を使って良いカメラで撮ればどんなに綺麗だったか計り知れない。


キャンプ地では、毎晩オーロラハンティングに出かけ、10日目にしてやっと見ることができたオーロラ。当たり前だが、アイスランドの中でも見えやすい場所とそうでない場所はある。しかし、有名なスポットで見られるのは当たり前で、同じ光景をたくさんの人が見ている。観光地でもなんでもない、私たちのキャンプ地で見られたオーロラには、何ものにも代えがたい価値があると思う。

とはいえ、アークレイリでの最後の観光を終えて、「あとは帰るだけかあ」と寂しい気持ちでいたところに、この100点満点の大オーロラ。あまりに壮大なサプライズ。もう見られないと思っていただけに、とても嬉しかった。
今思えば、ドライバーさんの粋な計らいだったのかもしれない。もっとちゃんとお礼を伝えれば良かったな。彼にとっては、毎日の仕事で何度も繰り返してきたことなのだろうけど、あのオーロラの光景は日本に住むちっぽけな一人の人間の心にもしっかり焼き付いて、人生最高の思い出になっているということを伝えたい。ありがとうございました。

さて、この旅行記も、ようやく終わりが近づいてきました。
Google Chromeを使ったら、何の不具合も無く編集できるということに今更気付く。もっと早くChromeを使うべきでした。書き始めてから1年以上経ってしまったけど、この調子で最後まで書ききるぞ!

次回、オレンジ🍊にまつわるエピソードです。


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