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木原事件 立件票交付事件

安田種雄さんの不審死の再捜査でX子の取り調べを行った佐藤元警部補がオンライン会見でこの事件が立件票交付事件であることを明確にしていました。立件票とは警察が司法解剖をする際に検察官から与えられるもので、この時点で事件に番号が付くことになります。(立件票は警視庁内での呼び方のようです。)そして解剖の結果、自殺と判断されれば検察官に書類送致され、他殺と判断されれば犯人を逮捕して身柄送致するか、被疑者死亡など特殊な場合は書類送致することになります。いずれにしても最終的には全ての立件票交付案件は検察官に送致(送検)されることになります。でもここで一つ疑問が湧きました。時効がない殺人事件で被疑者が特定出来ない場合、検察官への送致はどうするのかと言うものです。そこで調べて見ると過去に警察庁刑事局長通達が出されていて、事件が未解決の場合5年経過した年から毎年検察に途中経過を報告するようです。ただ時効が無い殺人事件で永久に捜査・報告を続けるのは現実的ではないので捜査を終了する時期を次のように決めています。
1)事件発生から30年経過以上経った場合
2)被疑者が100才以上となった場合(被疑者が特定出来ない場合は犯行時の年齢を20才と想定するとしていますが、多分30年経てば終了です。)
いずれの場合でも遺族の懲罰感情に配慮し丁寧に説明した上で捜査を終了するとあります。殺人に時効はないので新たな証拠が出て来たり何らかの理由で被疑者の特定が出来た場合はもちろん捜査を再開します。なるほど殺人罪に時効はないけど現実的には30年で捜査は終了していいと刑事局長が指示しているのですね。

長期未解決の事件についてきちんとしたルール(局長通達)があるのに何故種雄さんの事件は12年間もの長きに亘り放置されていたのでしょう。もし上記のルールがちゃんと運用されているとしたら事件から5年後の2011年から毎年大塚署はどのような報告をしていたのでしょう。もし自殺と言う報告書を提出したら検察官から何故5年間も放置していたと注意されるでしょう。いやそれ以前に自殺そのものが不自然です。なので自殺とは言えずまだ捜査中とでも言ったのでしょうか?立件票交付案件なら検察側にも死体検案書があり「死因 不詳の死」と書いてあるので「事件性あり」の前提で毎年大塚書からの虚しい報告を受けていたと言うことでしょうか?私にはどうにも納得出来ません。大塚署のキャビネに12年間放置されていた書類は自殺として作成されていたからこそ女性警官が不自然だと感じて本庁に連絡したわけです。局長通達では各警察署で長期未解決案件の検察への担当者を選定することが決まっています。もちろん大塚署にもその担当者はいたはずですが、配置転換がよくある警察で12年間同じ人が担当したとは考えにくいです。

推測ですが、「この件は自殺案件だが報告を失念したので検察官から催促がない限り何もするな」と担当者間で口頭の申し送りがあったのではないかと思います。無数に立件票交付案件のある検察側からは所轄署から報告がないからと言っていちいち個別事件について催促することは無かったのでしょう。「出すに出せない報告書」は当時の捜査一課長が所信表明で未解決事件を全て解決すると宣言したことで日の目を見ることになったのだと思います。もちろん大塚署の女性警官の成果であることに変わりはありません。2018年の再捜査では家宅捜査で押収したと思われるX子の事件発覚当日の夜の写真一枚にも相当の労力を使っています。居酒屋の壁に掛かった絵の作者を突き止め居酒屋の特定をしたそうです。そして居酒屋店主から日付を聞き出したわけです。そんな再捜査陣の意気込みをどうか2023年の捜査陣も引き継いで欲しいものですね。

いよいよ国会でも本件の追求が始まるようです。
立憲民主党の原口一博議員は質問主意書を提出するとユーチューブで説明しています。露木警察庁長官が個別案件について何故コメントしたか、警察行政に不公平はないか、売春防止法などについて回答を求めるそうです。
又、れいわ新選組のたがや亮議員は法務省刑事局に資料と説明を求めるそうです。直接木原事件についてではないようですが、警察行政の問題点についてじわじわと外堀を埋めて行く作戦のようです。

警察庁長官を追い詰めることで木原元官房副長官の捜査介入まで辿り着くことが出来るかどうかまだまだ不明ですが、国民の間に警察の闇、木原夫人の嘘を知らせることが出来るのではないでしょうか。

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