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レンズ概要 3/3 その他レンズ編(旧ソ連、ライカなど)

 長くなりましたが、第一回(カールツアイス編)第二回(日本レンズ編)に続いて、最後に旧ソ連やライカ等のレンズを紹介したいと思います!
 特に旧ソ連のレンズは、戦前のカールツアイスの流れを汲んでいるので、その比較という意味で集めてみました。
 なお、旧ソ連のレンズは、年代によって製造している工場やコーティングが異なるため、同じモデルでも必ずしも同じ色のフレア・ゴーストが出るとは限らないので、ご注意ください。ポイントとしては、好きな作例があったら、使用されたレンズがいつ・どの工場で作られたか調べて、ちゃんとコーティングの色もチェックして、(できれば実写して)購入するといいでしょう。年代はシリアルナンバーの上二桁(N56.....ならば1956年製造のもの)で分かり、製造工場はレンズにマークが付いています。概要についてはこちらを、工場についてはこちらのサイトをご覧ください。


5 旧ソ連レンズ(3本)

(1)Jupiter-3 50mm/f1.5 (ZOMZ)(オールドレンズ)

Sonnar f1,5/5cmをベースにしたレンズ。細かい点は、少し変更されているそうです。
 また、生産工場・時期によって、ガラス素材やコーティングが異なるそうですが、当方のモデルはZOMZ(ザゴルスク光学機械工場)で1956年に生産されたものです。ソ連製ガラスを使った、できるだけ古いものを狙ってみました。
ゴーストはコーティングの色と同じ青とSonnarらしい虹の組み合わせ。ロシアン・ブルーは、いわゆるソ連製レンズの特徴と言われている色ですね!
 逆光だと色は少し濁っているような気がしますが、これはソ連製レンズに対する当方の偏見でしょうか汗 室内だとちゃんと綺麗に写るのですが。
 なお、描写自体は軟調で、ポートレート向きかと思います。

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(2)Jupiter-9 85mm/f2 (KMZ)(オールドレンズ)

 Jupiter-3と同様に、Sonnar f2/8.5cmをベースにしたレンズとのことです。
 ただ、写りはとてもノスタルジックで、原典となったレンズとは結構異なります。個体差でしょうか、あるいはこれも当方の思い込み?
ボケも、原典のレンズよりも少し硬めな印象。一方で、フレアは少し抑えられており、くっきりとした印象
 当方が所有しているのはKMZ(クラスノゴルスク機械工場)で1959年に製造されたモデルで、上記のJupiter-3と異なり、赤いゴーストがでます(コーティングの色も赤〜紫)あおいとりさんも、別のモデルを使っています。
 非常に長い期間製造され、製造年代の後半にはマルチコーティングのモデルが出ており、色がかなり鮮明になったようなので、機会があれば試してみたいですね〜

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(3)Jupiter-12 35mm/f2.8 (LZOS)(オールドレンズ)

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 カールツアイスのBiogon f2,8/3.5cmをベースとしたもののようです。オリジナルは使ったことないのですが、そこそこクラシックな写りで、街角スナップには良い感じです!ただ、ポトレではまだ使ったことはないです。
 夏頃に買ったところ、最初はあまりフレア・ゴーストが出ないレンズかと思いましたが、1月の15時くらいに太陽を画面端に入れて撮影しましたら、冒頭の作例の通り、めっちゃでました
 当方が所有しているのは、LZOS(ルトカリノ光学硝子工場)で、1967年に作られたもののようです。
 いつかポトレで使う日が来るのだろうか…

6 その他(4本)

(1)Voigtlander NOKTON classic 35mm F1.4 II S.C(現代レンズ)

 オールドレンズをオマージュして作られたレンズ。特に、シングルコート(S.C)版は、ものすごくフレア・ゴーストが出るレンズとして有名。
 一方で、写りについては、ある程度滲みますが、現行品らしく、透明感のある写りをします。そういう意味で少し不思議な感じの写真になります(古いガラス・コーティングを使ってて、経年劣化ひているオールドレンズは、もう少し味というか雑味がある写りなので)。
 なお、一点気をつけなくてはいけないのが、画像がタル型にメチャクチャ歪むので、被写体の配置場所や構図にはかなりの注意が必要です。また、周辺減光も大きいですが、これはうまく使えば、被写体をより目立たせることができます(トンネル効果)。
 また、色味も何となく独特なものがあり、好みも分かれると思います(これがコシナの色なのか、シングルコーティングの結果なのかは分かりません)。
 その他の特長としては、小さくて軽いこと。使う予定がなくても、とりあえず持っていこう、となります。

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(2)Leitz Summarit 50mm f1.5(オールドレンズ)

クセ玉として超有名。この記事に影響されて購入。あおいとりさんも使っています。1(1)のSonnarとの比較もしたくて、ライカ対ツァイスをやりたかったのもあります笑
ボケはぐるぐるで、写りも滲みフレア・ゴーストも上から下から虹がバンバン出る暴れん坊レンズです。ただ、人肌の色味が微妙。コーティングの色が日本人と合ってないか、経年劣化で色がくすんでいるか。個体差なんでしょうか。
 あと、古いライカらしく、外見がとても格好いい!!

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(3)Tamron SP 35mm F/1.8 Di VC USD(現代レンズ)

柔らかくも、高精細な写りで、そしてかなり近接撮影できるという点で、評判のレンズ。ただ、思わず近接しすぎて、顔にパースがついてしまいがちなのが、玉に瑕。
 たまにしか持ち出しませんが、現代レンズの中でも写りが硬すぎず、バランスの取れたポートレート向きのレンズと言えます。


(4)Tamron SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD(現代レンズ)

ポートレートマクロとして評判のレンズ。このレンズラインナップだと、あまり持ち出す機会なく、花撮影専門に… Zマウントのコンバーターに、いつ対応してくれるのでしょうか。


とりあえず、ひとまずのレンズ・写りの紹介は以上で!!!
気が向いたら、更に個別のレンズの記事等を掲載していきたいと思います〜

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